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詩「ワンダーランド」


道路の真ん中に
ぽっかりと穴が空いた
その瞬間
柔らかに空間が歪んだ
鳥は羽ばたき
空に助けを求める
私の足は迷う事なく穴に吸い込まれる

昨日
狭い世界で取り返しのつかない事をしました

私は奥歯を噛み締めて
四角い顔をしているのだけれど
ワンダーランドの住人達は皆
細い目を一層細くしながら笑みを携えていた
陽気なリズムを刻みながら
自分がしたい様に動いていた
ワンダーランドに太陽は存在していなかった
住人こそが太陽だったから
この世界では必要なかったのだ

ここでは特別な出来事などは起こりません
それでも
私は目と耳を使って
微笑みの住人達から
心の安らぎとは何かを学ぼうとしました

あぁ
私は
上の世界ではどうして上手く生きれないのでしょうか?
四角い顔を一層強張らせながら
私は心の中で叫びました
その刹那
微笑みの住人達の顔は
太陽の様に煌めいて見えました

そうだ
きっと
私が一人目の太陽になれば良いのだ

私が目を開けるとベッドの中で
まだ真っ暗な夜でした
それでも
これだけは確信していました
狭い世界で到底上手くは生きれないけれど
まだ何かをやり直せる事は出来るのだと

明日はきっと晴れるよ
私の知らないところで
ワンダーランドの住人達は細い目を一層細くしながら笑っていたのでした



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