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詩「夏が降ってきた」



雨が降り注ぐ季節に外に出ると
背中に熱が突き刺さる
滴る汗と共に
この瞬間だけの
夏が降ってきた

雨傘の代わりに日傘を差して歩く
太陽の下でも紫陽花は咲く
見かけないカエルの行方を想う
半袖短パンの子供達は大声で歌う
へんてこな季節の歌を
女子高生はキャンディの代わりに
アイスクリームを舐める
色とりどりのアイスが日差しの中で溶ける
それすらも笑みで青春を彩る
横断歩道がパステルカラーになる

季節の境界は曖昧にぼやける
半回転した世界で
私達は夏を受け止める
降り注ぐ大雨の代わりに

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