2023年12月の記事一覧
囲碁史記 第7回 織豊時代の碁打ち
碁打ちの立場と浸透
室町時代の後半、戦国時代と呼ばれる時期になると多くの「碁打ち」と呼ばれる人達が登場する。十六世紀中頃を過ぎたあたりで、末期には江戸時代へと続く本因坊たちが登場するが、その一世代前の碁打ち達である。代表的な人物として初代本因坊算砂の師匠といわれている仙也をはじめ、宗心、樹斎、庄林など多くの上手達がいる。
当時の公家や神官などの日記類にはこれらの碁打ちが多く登場している。それ
囲碁史記 第16回 安井算知と本因坊道悦の争碁
争碁の概略
安井算知と本因坊道悦の争碁について概略を記す。
名人碁所をかけた二世本因坊算悦と算知の初の争碁(全六局)は引き分けで終わり決着はつかなかった。そして、第六局から五年後の万治元年(一六五八)に算悦が死去し、本因坊家は道悦の時代に移っていくが、算悦の没後十年経った寛文八年(一六六八)に突如安井算知の名人碁所が決定する。
これには算知の後援者である幕閣の重鎮・保科正之の働きがけがあ