ニコールキッドマンは主役じゃない！（笑）『ニコールキッドマンの恋愛天国』

監督、脚本 ジョン・ダイガン　
1991年公開（オーストラリア）

全寮制の男子校に通うダニー。監視の目が厳しく自由が制限された環境で過ごすなか、唯一、心の支えになったのは、湖を挟んだ向かいの女子寮の学生タンディウェだった。規制され縛られた環境の中にいても自由を勝ち取る。相手が自分より格上だとしても正義のためなら戦う。女子寮をめぐる権利から端を発し、68年に五月革命が起きたように、知性や理性よりも愛と自由が求められ、サルトルやカミュが時代の寵児として崇められていた60年代。本作はそんな背景のなか、時代の流れに抗う二人の姿が描かれている。『ニコールキッドマンの恋愛天国』という邦題から、アイドル映画なのかと思って観たが、タイトルとは180度違っていたし、何よりもニコールキッドマンは主役じゃない上に、ダニーの彼女役でもない！なんで、こんな邦題をつけてしまったのだろうか。