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雨の朝、オーブンを温めたら。
いよいよ、
恒例の雨の季節のはじまり、はじまり。
そしていきなりの台風に、線状降水帯の発生。
昨夜、初めて同じ区内に避難勧告発出のメールが届き、
そこまでの勢いなのかと心底驚きました。
床も、部屋も、そして気持ちの方も
周りのあらゆるところがじめっと湿りがちです。
そんな雨降りの週末。
なに作ろうか…と思うたび
ついついカリカリ、パリッとしたクリスピーものばかり浮かぶのも
この湿度のせいかもしれません。
寒い冬に、もちろんありがたいオーブンですが、
雨の続くこんな季節に朝から予熱を始め、
何かを香ばしく焼いていると
気分も次第にふわんと上がる気がしてきます。
凝った難しいものでなくていいんです。
おうちにある材料を見渡し、
何か出来そうと思えたら、
試しに…どうでしょう🍞
そう、わざわざ作らなくたって、
美味しいパンを買ってきて、
遠火の網やトースターで焼くだけでも、
部屋に漂う小麦の香り、
響くカリカリっという音に、
ふふっと笑顔になれてしまうのだから。
一から作れば
きっともっと嬉したのしい心持ちになりそう、と思い立ちました。
いつも届けていただいている農園からの箱にあった小麦ふすま。
粉と混ぜて
少し甘めな全粒粉のパンと、
薄焼きクッキーを焼きました。
まずは先にパンを。
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強力粉200g、薄力粉20g、ふすま30gは合わせて混ぜておきます。
全粒粉として売られているものと変わらない色合いです。
夫婦で炭水化物を(きもちだけ…)控えている粉もん好きにとって
全粒粉やそば粉はちょっと気楽になれて、心強い味方。
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この粉の半分と、白神天然酵母ドライ(またはドライイースト)5gにぬるま湯大さじ2を混ぜたもの、砂糖大さじ1強、スキムミルク小さじ2、ぬるま湯120ccを混ぜ、そのあとで残りの粉、塩小さじ1弱、柔らかくしたバター20gを加えて、滑らかになるまで10分ほどこねました。
指で押すと、赤ちゃんのほっぺのようにやわらかくてほんのりあったかくて。
この生地をこねているだけで、
いやな天気なんてどこかへ行ってしまうくらい、
ここち良い手触りです♪
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湯の入った少し小さめのボウルの上にこの生地のボウルをのせ、
全体にビニール袋をすっぽりかぶせたら、
40分~1時間、生地が倍くらいになるまで発酵させます。
そのあとはガス抜きし、
小分けにして丸めたり、結んだりして、並べて30分ほど発酵。
霧吹きをし、
180度のオーブンで30分ほど焼きました。
好みでドライフルーツを混ぜても良く合います。
焼いているこのすき間時間に、
焼きあがりの味に合う
ソースやジャムを仕立てるのも楽しみのひとつ。
パンには添えるディップの準備を。
今年もすくすく伸び過ぎ気味のフェンネルを使います。
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これをざくざくと刻み、
温めたゴルゴンゾーラチーズ、レモン汁、塩コショウを混ぜました。
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熱々のパンにのせるとたちまちとろけます。
素朴なパンなので、
甘いジャムでも、チーズでも。
次はクッキー。
パンのオーブンが温かいうちに
残った小麦ふすまをいつものクッキー生地に練り混ぜておき、
型抜きして焼きました。
こちらは薄力粉の3割くらいで、けっこうたっぷりめです。
パンと同じように、
焼いている間に、旬のルバーブを煮ました。
このルバーブも届きたて。
刻んで砂糖をまぶし、一晩おいて煮たものです。
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爽やかな香りに包まれるだけで、
外はひどいどしゃ降りでも
(あれ、ちょっといい朝かも?)
なんて自分を騙せたり。
このジャムを焼けたクッキーでサンド。
ルバーブの酸味を
クッキーの甘さとふすまの香ばしさがやわらかくしてくれて
初夏らしいクッキーになりました。
ふすま入りのクッキーとルバーブとの色合いが、
なんだかアンティークのドレス風かも、と
ひとり、朝からふふふ、と喜んでいます。
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ルバーブでなくても、
これから実るベリー類や夏みかん、
ブドウに梅などもおいしそうです。
どちらの生地もジャムも冷凍できるので、
またじめじめとした時が来た時のため
多めに仕込んでみたくなりました。
…いくら全粒粉にふすま入りと言えど
たくさん食べたら一緒なのですが、
からだと同じくらい、気持ちも大事。
健康に良いことは、他の日に頑張ろうと思います。
しばらくは鬱陶しい日々が続くと思いますが、
せめて気持ちはカラッと、を目指したいです。