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洋梨の甘露〜ル.レクチェでおやつ編
一年のうち、束の間にしか手に取ることのできない旬のものたち。
毎年それを手に取り、味わいを愉しみながら
“走り”には出逢いたてのときめき、
“名残り”には別れ間際の寂しさ、という風に、
私のなかには
人生になぞらえたくなるほど離れ難いものたちが、いくつかあります。
必ず感じるのは、栗と洋梨。
今から、別れが寂しくてなりません。
洋梨の沼にはまるたび、その香りの虜になっている私。
姿を消したその後もしばし余韻を楽しむべく、
煮たり、焼いたり、凍らせたり、あれやこれやと手を加えたくなるのが、晩秋のこの時期です。
では、ラ.フランスに続いて、もう一つの大好きな洋梨をご紹介したいと思います。
ル.レクチェの魅力はなんと言っても口当たり。
和梨とはまるで違う、桃にも似たなめらかさとねっとりとした舌触りは、ル.レクチェならではの魅力です。
また、艶やかな香りも素晴らしく。
このル.レクチェで、おやつ作りを楽しんでみました。
コンポートのトロッと感にクリスピーをのせたくて、洋梨のクランブルに。
クランブルというのは、フルーツにポロポロとした生地をのせて、香ばしく焼いた簡単スイーツ。
容器の大きさによりますが、200℃のオーブンで15〜25分。好みの焼き加減で。
こんがりと、かなりしっかりめに焼くのが好きです。
バター:砂糖:小麦粉=1:1:2にして、好みのナッツを刻んでぽろぽろになるまで混ぜます。
卵の入っていないクッキー生地のような感じです。
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ベリーやりんごなど、
生のフルーツにはちみつや砂糖をかけ馴染ませてから焼いてクランブルにするのもフレッシュな風味を楽しめるのですが、
今回は、香りをつけたいと思い
洋梨をバニラ風味のコンポートにしてから焼きました。
コンポートは、
白ワイン1:水3にはちみつ大さじ4、バニラビーンズ少々を沸騰させて、火を弱め、
皮ごと半割りにした洋梨を入れてことこと5~6分。
そのまま冷まし、皮をむいて食べやすく切ったものです。
残りは、大好物の定番コンポートに。
今夜はバニラ風味にしました。
買い置きの板チョコを溶かして添えたら、
これぞ、口福。
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また、赤ワイン強めのコンポートもよく合います。
飲み残しの赤ワインがある時に
多めに煮込んでおくと、
温かいままデザートスープとしても、
肉料理のソースとしても、
冷やしてスイーツにもなります。
赤ワインと同量の水に、ブラウンシュガー、さいたバニラビーンズ、シナモンスティック、クローブ、カルダモンなど加えて煮たて、
皮をむいた芯つきの洋梨に紙ぶたをし
弱火でことこと20分ほど煮、そのまま冷まします。
こちらにも、チョコレートを溶かして、コンポートと同じスパイスと生クリームを合わせたソースがよく合いました。
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とりわけクリスマスの時期には
あると嬉しいな、と
さまざまな洋梨をよく手に取るような気がします。
これは大人向けの、深夜の甘露。
ついついほくそ笑んでしまいそうに
絶対的でちいさな幸せです。
いけない、いけないとは
♪わかっちゃいるけど
やめられないッ♪
今年も、あと少しになりました。
別れのその日が来るまで、
日々じっくり仲良くしよう。
そう思っています。