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花粉症。こんな手当てもありますよ。【手神さまへの手紙⑥】
よく散歩にでかける遊歩道で、梅の花が満開です。
紅も白も。
ついつい目を細めて、青い空とのコントラストを楽しんでいます。
まだまだ地域によっては大雪の予報もでていますが、それでも春は一歩ずつ、確実に、近づいていますね。
寒さが和らぎ、花々のほころぶ季節。その穏やかな気候が苦手な方って、本来多くはないはずなのに──実際には、春がくるのがちょっと憂鬱、という方をときどきおみかけします。
花粉症。
可愛らしい名前のこの症状に、不快と不便を強いられてしまう方……いらっしゃいますよね。
花粉症の主症状である鼻水や鼻づまり。
これを簡単な手当てで軽減する方法を、今回はご紹介できたらと思います。
とても手軽な方法ですので、花粉症対策のひとつとして、よかったら試してみてくださいね。
まず、下のイラストをご覧ください。
頭蓋骨と、鼻周辺の筋肉の様子を簡略化して描いたものです。
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頭蓋骨の中央には、ハートを逆さにしたような大きな穴が開いています。
「鼻」といったときにわたしたちが普通に思い浮かべる「顔の真ん中の小さなお山」の部分に骨は存在せず、骨という視点から捉えれば、この大きな穴が鼻である、ということになりますが、その縁に沿うようにしてに鼻筋が、そして鼻筋の上端から額に向けて鼻根筋が、伸びています。
まず最初にしていただきたいのが、これら、鼻の筋肉をほぐすこと。
やり方はいたってシンプルです。
骨の縁に指を当て、軽く揺らしながら、骨と筋肉の間の癒着をはがしていきます。
Aから始めてBのあたりまで、徐々にほぐしていくのがやりやすいと思います。
筋肉に沿うように縦方向に動かすのが基本ですが、緩まる手応えがなければ、筋肉を弦にみたてて、横方向にはじいてもかまいません。ご自分の感覚で、「骨と筋肉の癒着」をはがしていってください。
強い力を入れる必要はないのですが、軽くはがそうとしただけでも「イタタタタッ」となる方、多いかもしれません。
そもそも動く機会の少ない鼻の筋肉。どうしても固まりやすく、癒着も強くなりがちです。痛氣持ちよい程度に力を加減しながら、「鼻筋・鼻根筋はがし」を続けてみてください。
次に、下図のように両手の指で鼻をつまみ、左右に倒すように動かしてみてください。
先程、鼻のお山の部分に骨はないと申し上げましたが、左右の鼻の穴をしきる形で軟骨は存在します。それをしっかり挟んで、「鼻を根元から折りたたむ」くらいの感覚で、ぐいっぐいっと、左右交互に押し倒してみてくださいね。
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さて、いかがでしょうか。
あれっ、鼻の通りがよくなった!と感じていただけたら本当に嬉しいなあと思います。
これは、周辺の筋肉をほぐすことで、鼻に通じる血管や神経の働きを取り戻す方法ですので、花粉症だけでなく、慢性的な鼻炎でお困りの方や、無呼吸症候群など深刻な鼻のお悩みを抱える方も、ぜひ試してみてください。
完治を目指すものではありませんが、鼻の不快な症状が、これで少しでもやわらぐとしたら……とても手軽な方法ですよね。
そして同時に、意識していただきたい体のメカニズムがあります。
大変原初的でシンプルなメカニズムなのですが、現代生活において、わたしたちがつい見落としがちなこと。
それは、「闘争や逃走」と「回復や成長」とは、同時には行われない──という原則です。
詳しくお知りになりたい方は、過去記事、「わたしの風邪は、『いま、治ってるとこ』。」をご一読いただけたらと思いますが、要約して申し上げると、「闘争、または逃走する必要のある非常時にはその反応が優先され、成長や回復のための機能は働かない」という体の仕組みです。
なぜなら、そうでないと、命が危険にさらされる可能性があるからです。
たとえば、猛獣に襲われている最中に、ちょっと休憩して疲労を回復させよう……といいだす人はいませんよね。
それを花粉症に置き換えると、その症状と「戦おう」としているときには、体の回復はスムーズには進まない、ということです。
ましてや花粉症は、免疫が過剰に働くことによって起こる症状です。闘争状態が極端に高まっている、と捉えることもできるわけです。
実際には存在しない猛獣と、戦い続けているにも似た状態。
それであればなおのこと、花粉や症状を「敵だ」と思い込むのは得策ではありません。
お薬を飲むことも、さまざまな花粉症対策も、いままで通りでよいのです。
ただ、花粉症と敵対する氣持ちを手放す。
それだけで、体は回復モードに入ります。
それが生物が安全に生きるための、大切な原則だからです。
体の回復の仕組みについて、もう少し詳しくお読みになりたい方は、こちらの過去記事をご参照くださいね。
さて、それでは、マガジン「手神さまへの手紙」から、記事のご紹介です。
今回は、誰かと敵対する氣持ちを自然に手放したくなる──安心に満ちた4つの記事をご紹介いたします。
ひとつめのはこちらです。
うおざびさんの、「【短歌】#手」。
まずは、おさめられた短歌をひとつご紹介。
冷えきって
息を吹き込む君の手を
そっと包んだ
待たせて、ごめん
誰の目にも、ありありと浮かぶであろう──お互いを思いあう心に満ちたふたりの時間。情景を描くことが心を描くことだと、伝えてくれる一首です。
うおざびさんの短歌の魅力は、みなさまそれぞれの感性で味わっていただけたらと思いますが、わたしは、五感──なかでも肌感覚への刺激が、ぴりりと効く作品が多いように感じています。
このお歌にしても、描かれるのは冷たい外氣。ところが、読後に残るのは、体の内側の温かさ。
外が雪でも雨でも木枯らしでも、あるいは、体温すら超える真夏の猛暑でも──人の体内や心の中は、いつも一定の温かさを保っている。
そんな命の安心感を、うおざびさんの言葉は伝えてくれる氣がするのです。
ぜひ記事で、他の短歌も味わってみてくださいね。
続いては、こちら。
ミーさんの、「手。」
ミーさんは、小学三年生の次男さんとの素敵な会話を記事にしてくださいました。
「お母さんの(中略)好きな所を3つだけ言ってみて」
と聞くと、
開口一番に出たのが、
『手』だった。
意外すぎて驚いたのと同時に
【手】って、もしかしたら最高の褒め言葉かもしれないと思った。
どんなに今、AIが発達してきたとしても
人間の手の温かさや柔らかさで、
人へ温もりを与えることや、包み込む事は
出来ないと思っていてーー。
ああ、その通りだと思いました。
人間以上に優秀な機能をたくさん持つAI。
そして、人よりずっと、自然に寄り添い生きることを知っている動物たち。
それでも、そんなAIや動物にはないものを、わたしたち霊長類は持っている。
それが、手の力。
大切な人に温もりを届けるのはもちろん、動物を抱き、AIに思いを伝えることのできる、わたしたちの手。
その力を、わたしはどう使うのか。
かわいらしいお子さんとのエピソードから、大切なヒントが届いたように感じました。
そして、そんな手の魅力を、しっかりと伝えてくれたこちらの記事。
たかこそうそうさんの、「ちいさな手とまた出会えた日」。
たかこそうそうさんは、元保育園の先生。いまは子育て支援の広場でお仕事をされています。
そこに、すっかりおとなになった、かつての教え子さんが訪れて……。
以下は、ふたりの再会シーンです。
「たかこそうそうの声だー!」
声のする方へ目をむけますと(中略)、
「ちいちゃん!?」
ちいちゃんが両手を広げて走ってきます。
反射的にわたしも両手を広げます。
リュックサックを背負ったまま、わたし、ぎゅ~っと抱きしめられました。
わたしもぎゅ~っと抱きしめました。
「うれしい!うれしい!」
そう言って泣き出すちいちゃんの背中をやさしくやさしくさすりました。
あたまをなでなでしました。
わああ……。たかこそうそうさんも、ちいちゃんも、どんなに嬉しかったか……!
抜粋した文章をあらためて読むと、その大半が、「両手を広げて」「ぎゅ~っと抱きしめ」「ぎゅ~っと抱きしめられ」「あたまをなでなで」など、手の描写で占められていますね。
手の動きって、こんなにもこんなにも人の思いを伝えてくれるものなのだと、あらためて知りました。
さて、最後にもうひとつ。
nekomiさんの、「寝手るねこ」。
つぶやきで、写真をご投稿くださいましたので、ぜひ下の記事をぽちっとして、「癒しのおてて」をご覧ください。
ミーさんの記事のところで述べたように、本来、猫は手を持ちませんが──このお写真をみたらどうしたって、「かわいいおてて!」と思いますよね。
わたしたちは、実際には手ではないものに、手のイメージを重ねることがよくあります。
猫の手も借りたいといってみたり、木々の葉っぱをてのひらにみたてたり。
それだけではなくて、「相手」「手軽」「着手」「手段」など、驚くほど多くの言葉を手に関連づけて感じています。
ふと、わたしたちには「手への感受性」とも呼べる力が備わっているのではないか……そんな思いに駆られました。
手への感受性。
動物も、AIも、たぶん持ちあわせていないもの。
それがどんなものなのか、なんとなくわかるのに、うまく言葉になりません。
そのうち言葉にできるかなあ。
しばらく、言葉にならないその感受性と、そっと手をたずさえて──過ごしてみようと思います。
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企画に賛同してくださったみなさまに、心からお礼を申し上げます。
みなさんがお寄せくださった記事を、引き続き、毎回できるだけひとつのテーマに沿いながら、順次ご紹介していく予定です。
すべての記事のご紹介には少しお時間をいただくことになりますが、ゆっくりと楽しみに、お待ちくだされば幸甚です。
また、企画に参加したつもりなのにマガジンに収録されていない、という方がいらっしゃいましたら、ご面倒でもくりすたるるまでお知らせください。どの記事のコメント欄からでも結構です。
みなさんの「#手」の記事を収録したマガジンです。↓↓↓
「てがみさま」について、最初に書いた記事はこちらです。↓↓↓
「#手」の募集記事はこちらです。↓↓↓
「手神さまへの手紙」紹介記事のシリーズはこちらです。↓↓↓