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ギターパーツレビュー

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試してきたギターパーツのレビュー記事です。
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ギターのネックを交換してみる

ギターの寿命を考える上で一番重要なパーツはネックだと思う。電装系やチューナー、ブリッジなどのハードウェア類は、よほど特殊な独自パーツを使っていない限り最悪の場合リプレイスメントパーツでどうにでも対応できる。一方、反りすぎてしまってトラスロッドで補正できなくなってしまったネックや、スキャロップ加工etc.で木部に不可逆なダメージが施されてしまったネックに対しては、できることが限られてしまう。 ただし、取り外し可能なデタッチャブルタイプのネックに関してはリプレイスメント用のネッ

[パーツレビュー]Musiclily Pro ロック式チューナー

修理中のギター用にチューナーを購入することになった。今回のギターは自分のギターではなく預かり物で、そこまでコストをかけずに直したいということだったので、ペグもGOTOH製ではなくMusiclilyのものを使うことにした。 普通のロック機能がないチューナーが1500円で、ロック機能がついたものが2900円。せっかくなので試しにロック式のチューナーを購入してみることにした。 いつもの黒い箱に入って届いた。箱は若干汚れているが気にしない。 開封。よくみると印字されている型番ら

ギターのストラップが外れないようにしたい

最近、セッションに参加させてもらう機会が増えた。セッションではステージ上で立ってギターを弾くのでストラップを使うのだが、普通のストラップはどうしてもふとした瞬間に外れてしまって怖いので、対策を考えていた。 ストラップが外れないようにする方法はいくつかある。 ・ロックピン(ストラップをロックできるストラップピン)を使う ・ストラップロックを使う ・ロックする機構が付いたストラップを使う 最初はロックピンを使っていた。安定性という意味では問題はなかったが、使用する全てのギタ

シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

PlayTechにSuhrのV63+とDiMarzio Tone Zoneを載せて遊んでいたのだが、結局この二つのピックアップはPlayTechから外すことにした。良いピックアップを載せれば良い音は出るのだが、先日改めて検証をしてみてやはり高いピックアップはそれなりに高いギターに載せてこそ真価を発揮できるものだということを実感したので、これらのピックアップは別のギターに載せることにした。 元のピックアップに戻すのでは面白くないので、何か代わりに面白いピックアップがないか探し

Suhrのピックアップ(V63+)を安いギターと高いギターに載せてみる

今まで試してきたシングルコイルピックアップの中から、一つお気に入りのものを選ぶとしたら迷わずにSuhrのV63+を選びたいと思う。 V63+は、60年代にFender純正のピックアップマグネットを作っていた会社が当時と同じ調合・方法で製造したマグネットが使われているピックアップで、少し前まではSuhr MLという名前で販売されていたもので、多くのSuhrのギターに搭載されているほか、単体でも販売されている。同社から発売されているピックアップにはV63という似た名前のモデルも

予想外に良かった1500円のハムバッカー

先日、レスポールタイプのジャンクギターを購入した。「音出しOK」と書かれていたのだが、ギターが届いて確認するとフロントピックアップからは音が出なかった。分解してみると、フロントピックアップからの配線がハサミか何かで切られており、物理的にどこにも繋がっていない状態になっていた。 残念ながら再配線するにはケーブルの長さが足りなかったため、新しいピックアップを購入することにした。載せる先が安価なジャンクギターなので、手頃な値段でかつリアのピックアップと合わせてゼブラ柄(かつネック

ギターのスクラッチガード

世の中には二種類のエレキギターがあると思う。使い込んだ傷が似合うギターと似合わないギターだ。 ジーンズと一緒で、使い込まれたギターにしかない独特の雰囲気というものもある。古いギターを見ていると、意図的に経年劣化を再現するレリック加工にニーズがあるというのも納得できる気がする。 意図的に傷をつけるようなことはしないが、特にラッカー塗装のギターは今後どのような変化が起きるのか楽しみにしている。 一方で、可能な限り傷をつけたくないギターもある。 少し前に購入したこのギターも

Ibanez RG350EXZ ゼロポイントシステム(ZPS)を試す

Ibanezのゼロポイントシステム(ZPS)を試してみたくて、中古のRG350EXZを購入した。 ZPSは一言で表現するとチューニングスタビライザーで、通常のフロイドローズのスプリングに加えて追加の2本のスプリングとバーによってブリッジユニットを支えることで、その名前の通りゼロポイント(本来ブリッジがあるべきポジション)の位置にブリッジが留まるようにするシステムだ。ブリッジが正しい位置に半固定されることで、トレモロユニットの調整や弦交換を簡単にしたり、チョーキング時や弦が切

2021年に試して良かった機材ベスト5 ギターパーツ/グッズ編

2021年は試した機材の数がとても多かったので、DTM機材/周辺機器編、ギターパーツ/グッズ編、ギター本体編に分けて今年試してよかった機材をまとめていく。今回はギターパーツ/グッズ編。 No.5 超音波洗浄機 シチズンSWT710ギターメンテナンスの際のパーツ洗浄用に購入。超音波洗浄だけで完全にきれいになるわけではないが、これである程度汚れを除去したのちに気になる部分だけを手作業で磨くような使い方をしている。手が届きにくい箇所の汚れを落とすことができたり、何かと時間短縮に繋

[機材レビュー]GOTOH製ロックペグ SD90 MG-T

前回に引き続き、ロック式ペグのレビュー。今回は、1999年製のGibson Les Paul Classicのペグを交換することにした。 元々ついていたペグはクルーソンタイプ。個人的にはクルーソンタイプよりもロトマチックタイプ(Grover)の方が好きなのだが、クルーソンタイプとロトマチックタイプでは取り付け穴の位置・口径が違うため、グローバータイプに交換するには穴の拡張作業などが必要になってしまう。 GOTOHがクルーソンタイプでありながら、ロック式のペグを生産している

[機材レビュー]GOTOH製ロック式ペグ SG301 MG-T

前回に引き続き、ロック式ペグのレビュー。今回は、2018年製のGibson Les Paul Classicのペグを交換することにした。2017年製のLes Paul ClassicではGrover製のロック式ペグが採用されていたので、それに倣って今回もGroverの502Cに変更しようかと思ったが、ふとGOTOH製も試してみたいと思い今回はGOTOHのロック式ペグを試すことにした。 GOTOHのペグはかなり多くの種類/型番が存在するため選ぶのが難しい。今回Les Pa

[機材レビュー]Grover ロック式ペグ ROTO-GRIPS 502

Gibson Les Paul Classicの2017年モデルを手にして、一番良いなと感じた部分はペグだった。翌2018年以降のLes Paul Classicはどういうわけかまたロック式ではない通常のペグに戻ってしまっているのだが、2017年製のLes Paul ClassicにはGroverのロック式のペグ(おそらく型番的には502と思われる)が搭載されている。 ロック式なので弦交換が簡単でチューニングが安定していることはもちろんのことで、それ以外にも1:18のギア比

[機材レビュー]1300円の中国製シングルコイルサイズハムバッカーを試す

Amazonでギターの部品を探していると、中国製パーツの安さがいつも目に付く。先日のGrecoの修理では、Musiclilyの配線済みピックガードを試してみたが、品質に関しては全然問題はなかった。 1262円のシングルコイルサイズハムバッカーAmazonで販売されている安い中国製ギターパーツの中には、シングルコイルサイズハムバッカーもいくつかあった。前々からシングルコイルサイズハムバッカーを試してみたいと思っていたこともあり、今回バータイプのピックアップを買って試してみるこ