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天然と化学の差分

僕は今まで一度も買ったことがありませんが、こんな塩がどうも“塩”と言ってスーパーはじめあらゆるところに置かれ、販売されています。

食卓塩

多分、家の食卓に置かれた塩がこの“食卓塩”と言う方もいることでしょう・・
これ、食卓塩と言う塩と言っていますが、成分はこんな感じです。

食卓塩の成分表

これを塩と言って良いのでしょうか?
塩化ナトリウムが全体の99%以上とな・・
ま、それはさておき、ここにもっと面白いものが売られています。
“食卓塩 減塩タイプ”なるもの・・ん??

食卓塩 減塩タイプ

塩に減塩ってどう言う意味?と頭がバグってしまいます。
もう一度言いますが・・塩に減塩ってどう言うことなんだ??

食卓塩 減塩タイプの成分表

塩分50%をカットした??
塩化ナトリウム基準値?“食卓塩”と表記がなぜ変わったんだろう?
で、塩化ナトリウム基準45%?食塩相当量基準50%?
だから、塩分50%カットで減塩と??

不思議であります。

では、天然塩はどうなのかといえば、まあご存知な方には一目瞭然なはずですが、こんな一覧があります。

塩 成分比較表(塩100g中の成分)

ナトリウム・マグネシウム・カリウム・カルシウムなどが豊富ですが、これは多量ミネラル(体内に多く存在する重要なもの)です。人に大切なもので、この他には微量ミネラル(体内に微量存在するが重要なもの)ってのがあります。
この辺りの多量ミネラルが天然塩には豊富に含まれていますが“食卓塩”には姿形を変えたものとして一部存在しているものだったり、そもそも塩化ナトリウムが99%の時点で天然塩とは全く異なるものと言って良いかと思います。
だから、そんなに高価なものでもないので天然塩を当たり前に皆が使って欲しいと思う今日この頃・・
食卓塩では飽きたらず、その減塩タイプなど頭がおかしいのではないかと思ってしまいます。減塩50%だからいつも通り使って貰えば50%オフですよってことを言いたいのだろうが、よく見れば価格も倍以上、いつものように消費させれば倍以上儲かるわけか・・こんな人にとって必要な栄養であるミネラルが取れないものを高いお金を出してふりまくれとは、どんな了見なんだろうか。
食卓塩は“塩擬”であり、減塩タイプなどもはや、塩と呼ぶことさえ憚られます。

ああ、ついでに言うと・・

味の素

これも、旨み成分を取り出した素晴らしい発明とは、まあよく言ったものですが・・僕はこれも“旨み成分擬”と言って良いものだと思っています。

味の素の栄養成分表示

昆布や鰹、椎茸などからできる旨味には、グルタミン酸、アスパラギン酸、イノシン酸、グアニル酸とコハク酸、アルギン酸、フコイダン、カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、ヨウ素、フコキサンチンなどが含まれています。

味の素にあるグルタミン酸ナトリウムとは、グルタミン酸のナトリウム塩と言うもので、イノシン酸ナトリウムは、イノシン酸のナトリウム塩、グアニル酸ナトリウムもグアニル酸のナトリウム塩です。これはそれぞれの感じ方をナトリウム塩でコーティングすることで倍増させると言うものですから、天然の旨味とは程遠いものです。

なんだろう、こういう代用品は別にタイパとかコスパを重視する時代?には重宝されると思うし、安いし使いたい人は使えば良いから別に止めることはしません。でも、そういう“便利”過ぎるものが、天然から丁寧に抽出された出汁の旨味と同じだという言動は少々看過できないだけです。

少々脱線しますが、ここ数日のワイドショーを賑わす小林製薬の紅麹にも同様のことが言えるように思えてなりません。
日本が古来から使っている紅麹、それ自体には何の問題もなく、現在も台湾や沖縄で食べられているが、それそのものというより、その紅麹からさらに都合の良い成分だけを抽出したものがサプリの材料になっていたり、食品の添加剤としてかなりの国内外企業に売られていたわけだ。今日、分かったことで言えばその製造中のとこかのタイミングで“プベルル酸”が混入したようである。
これは、一般的に青カビからつくられる天然化合物で抗生物質の特性を持つことが知られていていて、毒性が非常に高いもののようだ。
つまり、2000年ほど前からいくつかの地域で食されていたそれを摂取するだけならこんなことは起こらなかったのではないか。“都合良い”成分だけを抽出する行為が元凶なのではないかと、思えたりする。
そもそもサプリで都合よくそのものを摂取するということが、人体システム的にできるかと言えば・・例えば人工甘味料と砂糖を我々の腸はニューロボット細胞で的確に分別しているということがわかっているが、それ以外の成分でも凡そ同じことが行われているに違いないと見るのが自然。ENSとはまさにすごいことを“脳”が感知しないところでやってのけているだろうと思うと、やはりあらゆる食材・料理から摂取するのが自然であり、無理にその成分だけを取り入れたところで実際効果は然程にないのではないかと思ってみたりするのだ。

ま、何れにせよ“擬”を“それ”と同等というのは早合点が過ぎます。。

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