勇気を出して、大きな声を発してみよう
逃げるという行動はその場から離れることです。それは咄嗟に危険な場から命を守る行動に他なりません。危険な状況は突然やってきます。それは誰かに襲われたということから起きるだけではなく、災害に見舞われた時、仕事のトラブル、人間関係のストレス、更年期や子育ての問題、不安感、心が折れるなど、パニックになるようなできごとは、突然、襲ってくるのです。
その時、私たちはその状況からすぐに逃げ出すことができるのでしょうか?想像してみてください。明日、仕事に行きたくない、学校も、家事も、育児もストレスフルな毎日で、疲れきった身体は、ガチガチに硬くなり、呼吸も浅く、早くなり、鼓動も高まります。このままではだめになってしまうかも。心の中に一杯になった不安感。それを手放したい。今すぐに吐き出したい。そうすることができれば、一瞬、身体が開放され、心が空虚になって、ほんの少しの間、冷静になる時が訪れるはずです。心にも護身術が必要なのです。
どうすれば良いでしょう?大きく声を発することです。お腹の底から、心の奥からすべて吐き出すような大きな声を発することです。子供の頃、ころんだり、怒られたりした時、大きな声を上げて泣いたことはないでしょうか?その後、ものすごくすっきりしたという経験はありませんか?
最大の危機が自分に訪れた時、その場にとどまっていたら、命が危なくなります。固まった心と身体を大きく深い発声(掛け声)と共に瞬時にはき出し、手放して、行動に移せる自分を取り戻すことです。それが大切なことなのです。息を思い切り吐き出す。そして、発声する。そのポイントは肩甲骨周りを柔軟にすることです。そうすれば、呼吸も柔軟になります。それは、呼吸筋が肩甲骨まわりに集中しているからです。
肩甲骨周りを日常生活で動かすことはほとんどありませんが、柳生心眼流の肩と腕振り、また、太極拳の開太極の動作は、その筋肉をゆるめる効果があります。さらに、肘を落とし、息を吐くことで、横隔膜の上下運動を容易にさせ、吸う、吐くが自由自在になるのです。
今回のセミナーでは、当道場が伝承してきた柳生心眼流の素振りの動作と太極拳の開太極のエッセンスを加え、実際に掛け声を発し、呼吸を操る体験をします。実際、セミナーを開催してみて、大きな声を出そうとしても恥ずかしがったり、声が思うように出なかったりという人が多くいました。まずは、トライ、声を出してみることから始めましょう。
https://note.com/crane888/n/n11c11965fc17