見出し画像

同人ライターの読書記録#2『「好き」を言語化する技術』

はじめに

こんにちは!
クリエイティブ生命体のcpdです。

備忘録も兼ねて、今回も読書記録を書いていこうと思います。
今回紹介する本はこちら!

三宅香帆
「好き」を言語化する技術

noteでこの読書記録を書くきっかけにもなった本です。
少し前にXで見かけて気になり、読むことにしました。


注目すべきはサブタイトル。

『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しか出てこない』

はい。
その通りすぎる……!
わかる!となる人も多いのではないでしょうか。

私も趣味で文章を嗜む身ではありますが、
似たような語彙ばかりになってしまいがちだったり、
実は感想を書くのは苦手だったりします。

特に、SNS上で嬉しいお言葉をいただいたり、
絵をプレゼントしていただいたりした時、
気持ちの高まりを感謝と共に表そうとすると
いつも同じようなフレーズになってしまうのが悩みでした。

そんな苦手意識を和らげ、
このように感想記録noteを書くに至るほどの力を持つこの本
『「好き」を言語化する技術』について、
今回は自分なりの感想を交えてご紹介したいと思います。


今回紹介する本『「好き」を言語化する技術』

概要

『「好き」を言語化する技術』は、
文芸評論家の三宅香帆さんが書かれた本です。

丁寧語のやわらかい語り口で書かれているため
非常に読みやすく、
それぞれの項目に対して具体例が添えられていて
「実際にどのように活用すればいいのか」がわかりやすく
気軽に実践できる内容が書かれている一冊だと感じました。

こんな人におすすめ!

「感想を書き記しておきたい」
「推しをもっと布教したい」

そんな人におすすめです。

さらに、
「プレゼンしたいほどの推しはいないな……」
「別にオタクじゃないからな……」
という人でも、

「言語化がもっと上手くなりたい」
「創作活動が好き」
「企画力を磨きたい」

これらのどれかに当てはまるのであれば、
読んでみて損はないと思います。

印象に残った部分

具体例を挙げ、細分化する

作品のプレゼンをしたい!となった時、
まずは「自分はこのコンテンツのどこが好きなのか」を
明確にする必要があります。

自分の気持ちに嘘をつかずに、
「どこがよかったのか」逆に「どこに違和感を覚えたのか」を書き出し、
それぞれの項目に対して
「どのような感情を抱いたか(どのような印象を持ったか)」
そして「なぜそう思ったのか」を分析すると良いようです。

良かった点だけではなく、
違和感を感じた部分も挙げることで
より自分の感覚を深く言語化できるとのことでした。

「創作物の面白さ」は大きく分けて2種類

創作物の面白さは、
①共感(すでに自分が知っている体験や好みと共通点がある)
②驚き(今までに見たことのない意外性)
の2つに分けられるそうです。

それを聞いてとても納得しました。
すごい。真理すぎる。

感想を書くという観点においては、
自分の抱いた「好き」の気持ちが「共感」と「驚き」の
どちらに分類されるのか判断し、
それぞれ
・どの部分で共通点があるのか
・どの部分に意外性を感じたのか
を言語化すると良いようです。

私は趣味でTRPGシナリオを書いているのですが、
執筆時に「展開の意外性」を重要視することが多く、
私のアプローチってけっこう合ってたんだ!!と自信につながりました。

今まで通り「驚き」を大切にしつつ、
これからは「共感」の部分も積極的に取り入れていきたいと思いました。

文章を書き終えてからが本番

インターネット上や書籍など、
さまざまな場所でよく言われる「文章制作のコツ」があります。

それは「とにかく書き終えること」!

この本でも「書き切ることの大切さ」が書かれていました。
しかし、その先にもまだ大切なことがあるというのです。

それは、
「校正を繰り返すこと」

・文章を入れ替える
・不要な表現を削る
・伝わりやすい表現に変更する

といった校正によって、
読みやすい「より良い文章」を作ることができます。

この本には実際に
校正前後の文章がいくつか掲載されており、
「校正するとこんなに読みやすくなるんだ!」
「校正って大事!」
という実感がよく得られました。

今まで私も「とにかく書き終える」ことを
モットーとして制作をしてきましたが、
校正にはあまり力を入れていませんでした。

これからは校正にも時間を割くぞ……!
という思いが芽生えました。感謝。

そもそも「なんのために書く」?

ブログ記事やファンレターなどの長文を書く際、
①誰に向けて書くのか(読者層の想定)
②何を伝えたいのか(文章の終着点+読んだ人にどう思ってほしいのか)
を明確にしてから書くのが良い、との話でした。

これはどんな創作や企画にも
応用できることだなと感じます。

改めて大事な部分だと実感しました。

「好き」を冷凍保存しよう

だからこそ、数少ない好きな理由を言語化して、保存することに意味があるんです。好きという感情の輪郭を、自分でなぞって確認しておく。いつか好きじゃなくなっても「ああ、たしかにこの時期、私はこういうものが好きだったな」と思い出せるようにしておく。これって割と楽しいことだと思いませんか?

三宅香帆『「好き」を言語化する技術』p.63

「好きなもの」はどんどん変化していくもの。

何年経っても「変わらずに好き」なものもあれば、
あの時は人生の全てと思えるほどに好きだったのに
「今はそんなに好きじゃないな」とか、
むしろ「嫌いになった」なんてものもあるでしょう。

私自身も、過去に
「一生推す!!」と思った推しから
担降りしたことがあります。

でも、今思い返しても、
初めて行ったライブの感動とか、
グッズをたくさん集めた時の多幸感とか、
確かにあったなということは覚えているものです。

もしその時、その感覚を
もっとちゃんと言葉にして残すことができていたら。

今となってはもう思い出せない、
細かい感情の機微も保存しておけたのかもしれないな〜
なんて思います。

推しているキャラクターやコンテンツ、
最近見た映画、本、漫画、
最近食べた食事、
最近訪れた場所など、

カテゴリはなんであれ
その時「好き」だと思ったものについて、
感情を書き記しておくことで
「変わってしまっても大丈夫」だと
安心できるのかもしれません。

終わりに

最近、積極的に本を読んだり映画を見たりしていたので、
なるべくその時感じたものを言語化して残しておこう!
という気持ちになれる1冊でした。

TRPGをやっている人もぜひ、
この本を読んで
シナリオの感想を書き連ねてほしいな〜と思います。

あわよくば私のサークル『くらげダイス』の
シナリオの感想もいただけるととても嬉しいです。

https://cpdtrpg.booth.pm/

この本を読むことで、
シナリオだけではなく、セッションの感想も
より具体的に書き記しておけるようになりそうです。

私も好きなシナリオのどこが好きなのか、
忘れないうちに言葉にしておきたいと思いました。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?