双極症看護師 と クローズ就労
最近、クローズ就労で大変困っていることがありまして。この題名にしてみました。
わたしは精神科以外の勤務をしていた事もある精神科看護師です。双極症になって諦めたことがあります。それは急性期看護の「瞬時の判断が必要」「緊張感の中で冷静に対応する判断力」「急変時の即時対応能力」など、過酷な環境下で働き続けることを求められる業務です(救命救急、ICU、手術室など)。「正直無理」だと思います。アドレナリンを感じながら働きたい、という希望は捨てた方がいいです。高いストレス耐性がある看護師に業務を任せましょう。できれば「夜勤」も諦めたほうがいいです・・・が、病院上層部が納得せず回数を減らしました(上司とだいぶ揉めました)。
諦めたことも多いのと、エネルギーに満ち溢れていた頃(躁状態です)の自分を本当の自分だと思い、声を掛けてきてくれる方がいると今でも落ち込みます。「それは本当のわたしではない。今のわたしは働けないアリです」
今現場で困っていることは、認知機能の低下です。双極症で認知機能が低下する主な理由は、わたしの場合うつ病と長い間誤診されたため、再発を繰り返して脳に構造的・機能的ダメージを負ったようです。具体的には、
・記憶力の低下(特に短期記憶)
・注意力や集中力の低下
・計画性や問題解決能力の低下
・情報処理のスピードの遅れ
です。認知機能低下やコミュニケーションの問題は、仕事でのパフォーマンスに影響を与える可能性が大いにあり、「何とかできている」と思っていても実際にはうまくいっていないかもしれません。
例えば相手に話しかけているのに、返事が返ってこないことがあります(振り向きもしない)。声が小さくて聞こえていないのか、もしくはおかしなことを言っているのか(単語が少ないため聞き返されることがあります)この理由はよく分からないです。一番やっかいなのが「考えていることが口に出ていないのではないか」という鬱っぽい思考です。
ですが調べてみると、実際に起こりうるらしいです。抑うつや疲労が強い時に認知機能(記憶力、注意力、実行機能など)が低下すると以下のようなことがあるそうです。
「認知機能の影響」「ストレスによる集中力の低下」「情報処理の過程での混乱」によるもの
頭の中では伝えたい内容を思い描いているが、口に出すことを忘れてしまう。
頭の中で考えたことが実際に言葉として発せられたかどうかを確認する余裕がなくなる。
「これを伝えなきゃ」と思っていても、伝えた記憶と「伝えるつもりだった」記憶が混ざってしまうことがある。
実際には何も言わずに終わったのに「もう伝えた」と思い込むことが起こる。
人は、頭の中で考えたことを「話す」という行動に移すまでにいくつかの段階があります(考える → 言葉を選ぶ → 声に出す)。しかしストレスが強いとこのプロセスが混乱し、一部の段階が飛ばされたり止まったりすることがあるそうです。情報処理の過程での混乱がある、ということです。
認知機能低下は手強いというのと、看護師としては壊滅的だと思いませんか。今は過去積んできた自分の技術(何年経っても自転車に乗れるのと一緒かも)頼みです。新しいことは覚えられないかも。悲しい。
現場では今「ちょっと変な人」の評価になっているかもしれませんが、しばらくしたら「大分やばい人」になっているかもしれません。クローズ就労なので仕方ないです。どんな評価でも耐えるしかないです。こちらはまた別で記事にしようかと思います。
救われているのが認知機能低下のお陰か、嫌な事をそこまで引きずらなくなりました。だって一番嫌なことは「双極症」になって「死ぬまで薬を飲まなければならないこと」なんですもん。これを越えるものはないです。病気が憎いです。
暗い内容になってしまいましたが、クローズ就労で働いても、働けているとは限らない、ということを伝えたくて記事にしました。まだまだ闇はあるのですが、今日はこの辺で。ありがとうございました。
※双極症になった後に精神科に勤めることになったわけではありません。誤解のあるような文面があり、ここで説明させて頂きます。
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