【エッセイ】怠惰な夏とスランプnote
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今年も輝かしい大好きな夏が来たというのに。
私はエアコンつけっぱなしの自室で、ひとり惰眠を貪る。
この夏にやりたいこと、行きたい場所、たくさんあるのに。
「いつか必ず会おうね。」と再会を誓った恩師もいるのに。
私は今日も何もしない。
どこにも行けない。
希望とか意欲とかは沸いてくるのにどうも身体と心がついてこない。
なんていうんだろうな。
「希望」とか「理想」ばかりが先走って心身が置いてけぼりにされる感じ。
無理に行動すると、言い知れぬ恐怖と吐き気に襲われてとても消耗してしまう。
もうそんな状態が10年以上続いていた。
やれやれ。
冷房で冷え切った気怠い身体を引きずるようにして部屋から出る。
運動不足なのも、外出ができないのもこの暑さのせいにしてみる。
卑怯な私。
セミの声もあの夏の日と比べると小さくなったな。
つんざくようなセミの合唱を恋しく思いながらも私は洗濯物を取り込むためにベランダに出た。
太陽は不気味な程にどす黒い雲に隠されている。
お?
ベランダには一匹のアブラゼミが仰向けに倒れていた。
死んじゃったの?
指先でつんつんとつついててみると「ぴとっ」と私の指にしがみ付いてきた。
生きてる、生きてる。
外傷もなく比較的元気そうだ。
真っ黒なつぶらな瞳が私を見つめていた。
私がこうして助けたセミは数知れず。
どうして君たちは転ぶと起き上がれないんだい?
私は何度転んでも起き上がってきたというのに。
きっと次に私が盛大にずっこけた時には、たくさんのセミが助けに来てくれるんだろうなとかよく分からないことを思いながら、指にしがみつくセミを大空に放った。
せっせと洗濯物を取り込んだら、また自室に引きこもる。
家族は私の自室を「巣」と呼んでいる。
私の巣での過ごし方は、もっぱらベッドと机を行き来することくらいだ。
やることもnoteを書くことしかない。
実はnoteを始めて2か月くらい経ったときから、不眠と不安感が続いていてちょっと体調を崩している。
控えないとなと思いつつも他に能がない、友人もいない私はやっぱりnoteに縋ってしまう。
そんなnoteも最近は自分の文章力の無さに辟易としてきて、スランプ気味だ。
おまけに書きたいことは書ききってしまった。
熟成下書きや書きかけの下書きばかりが増えていく。
下書きがそんな感じでとっちらかっているせいでどうにも収集がつかなくなってきた。内容の時系列もばらばら。
まるでこの取っ散らかった心と部屋みたいだ。
住人を失った水槽の水面がゆらゆらと揺れている。
あーあ。
どうしよう。
この部屋も、心も、文章もうまく片付かない。
この記事だってほら、終わりが見えない。
いつしか終わりの見えないこのnoteが苦しくなってしまった。
気づけばいつ終わるのか意識してしまうようになっていて。
そんな自分を嫌悪感が責め立てる。
いつも1コメをくれるフォロワーさんがいて。
ずっと、ずっと応援してきてくれた人がいて。
「生きててありがとう。」とまで言ってくれる人がいて。
たくさんの人に支えられてここまで来たのに、そんな風に思ってしまう自分の心が苦しかった。
でも、決していますぐ辞めたいわけでもなくて。
この感情は、私のこのnoteは、どこへ行くのだろう。
唐突にどしゃぶりの雨が降ってくる。
洗濯物を取り込んでおいて良かったなと思いながら窓越しに外を眺めた。
冴えない顔をした私が水滴のついた窓ガラスに反射した。
2024.7.20執筆
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最後までお読みいただきありがとうございました。
よづきでした。