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【連載小説】「くじらは神話を運んでくる」

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#海

【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第3話

【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第3話

並列して光る海月達に沿って上に泳ぎ進めるロプト。
泳いでると、潜水服のヘルメットのガラスに小さなヒビが入る。
ヒビを見て、ロプトは苦い顔をする。
「うげぇ、早くもガタがきてやがる。この後“サードホイール”とやり合うのに·····急ぐぞ」
愚痴をこぼし、ロプトは泳ぐスピードを上げる。
パラディソスから百メートルほど泳ぐと、宇宙にいるか如く静かな海の中で突如金属を切るときに出る音のようなに耳を塞ぎたく

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【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第2話

【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第2話

「王子、お止め下さい」
甲冑を身につけたガタイの良い兵士が二人ががりで潜水服を着た少年を取り押さえている。
だが、少年は物ともせず、二人の兵士をズルズルと引き摺りながら、鉄製の巨大な扉に向かっている。
「えい、出国の邪魔をするな、お前ら」
「潜水服だけで深海に出たら、一時間もせず、水圧で潰されます」
「水圧なんかに潰されるような鍛え方などしとおらん」
「無茶ですって。それにもし水圧をクリアしてもそ

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【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第1話

【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第1話

深海1万メートル、漆黒の海の奥底に”楽園”のような国が存在する。
その名は海底帝国「パラディソス」。
パラディソスは水中にあるわけではなく、国自体は巨大なドームに覆われて、冷たい深海の海水と水圧から守っている。
ドームは水圧から守れるほどの分厚い透明なガラスで覆われている。
ドームの中には一際目立つ城とその城下には活気あふれる街が拡がっている。
城下町に暮らす人々の数はおおよそ1万人、もしかしたら

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【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第0話

【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第0話

 ――ぼくはすくえなかった
光も届かない漆黒の海の中を白い巨体のくじらが尾鰭をバタつかせ、慌てるように潜っている。
慌てる白いくじらに対して、海の中は静かだ。
ーこのこはきぼう。あのくにをかいこくするのにひつようだ
白いくじらは泳ぎ続けると漆黒の海の中にポツンポツンと光り輝く玉が現れる。
光り輝いているのは大きな海月達。どこかへ導くように発光する海月達は列になって漂っている。
 ――もうすぐだ

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