復刻した幻のトースト
by エムケイコンサルティング 吾輩は山猫である
世界中のパン職人にパンの神様と崇められるレイモンカルベルが日本人でただ一人の弟子だと認めたという福盛幸一氏がフランス産のルヴァンリキッドという3種類の小麦粉を発酵した天然酵母を使って焼いたのが上の天然酵母パンである。
この天然酵母は乳酸が活性しているので消化吸収が良く、もちっとしているのに口溶けがよいという、そんじょそこらではお目にかかれないトーストパンである。
吾輩が福盛氏の天然酵母パンを初めて味わったのは2012年である。その時に食べたパンが吾輩にとって天下一品のトーストになった。そのとき撮った写真がこれだ!パトリエフクモリが開店する3年前、その後復刻した現在の天然酵母パンの原点となったパンである。フランスから持ち帰ったルヴァンリキッドを使って福盛氏が焼き上げた最初の天然酵母パンである。
これぞ究極の天然酵母パンの雄姿である!いかにパン好きとはいえ、この正真正銘の天然酵母パンを味わえる幸せ者は少ない。
我々がお目にかかっているそこらじゅうの逸品と賞される、ほぼすべての酵母パンにはイースト菌が併用されている。イースト菌は人工的につくり出された物質で熟成なしに醗酵する。しかし、天然酵母は熟成工程が必須で長時間熟成させないとパンはまったく膨らまないのである。しかも同じ材料で焼いても職人次第で雲泥の差が出るのである。
焼き色も異なる。イースト菌を併用すると糖分をエサとして膨らむため糖分に焼き色がつきやすくなるのである。しかし、天然酵母だけで焼くパンは糖分が少ないので焼き色がつきにくいため白くなるのである。そんじょそこらの腕前の職人では焼けないのである。
ほどよい酸味にもっちりした食感とコクのある甘みを醸すまさに通好みの天然酵母だけでつくったパン!それが天下一品、幻のトーストである。
当時の話だが、「これは白くておいしそうでないよ!」とジョンが言うから焼いて食べさせてやったら「オーマイガー!」「オーマイガー!」と驚いていた。
「ジョンよ分かったか!白くて食えないのはお前らアングロサクソンだけだ!」と言ってやったら白タコがウンウンと頷いていた… 怒らんのかい!「オーマイガー!」
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日本のバブル崩壊の時。吾輩が生涯の師と敬愛するボスとの若き日の思い出噺でございます。