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変わっても変わらないもの|京都
時代が変われど変わらぬもの。
京都にはそんな歴史の生き証人がたくさんあります。
その中のひとつが、これ。
仁丹の「町名表示板」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728565515-Xo57vmHuZFWS6zRsTNB4fkUV.jpg?width=1200)
京都のまち中をブラブラしているとちょくちょく見かけます。
(銀粒)仁丹とは
口臭、二日酔い、めまい、乗り物酔いなどに効能効果をもつ「口中清涼剤」。
16種類の生薬が配合され、表面は銀箔でコーティングされています。
大阪に本社がある森下仁丹株式会社が製造販売。
医療が未発達だった明治時代。風邪や食あたりでも命を落とす人が多かったことから、病気の予防薬として開発され、明治38(1905)年に発売されました。
今でも根強い人気があるロングセラー商品です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728478068-suSoxnG5YmgQlaEpwIBMPKON.jpg?width=1200)
むかし、駅の売店で見かけたような…
私は口にした事がありませんが、
本社と実家が割と近いために「大礼服」のマークは見慣れた存在。
なんだか懐かしい。
そんな森下仁丹が、郵便配達員などのお役に立とうと、
1910(明治43)年から宣伝を兼ねて設置し始めたのがこの「町名表示板」です。
ホーロー製で、民家などの柱に釘で打ちつけられています。
大阪、東京、京都、名古屋など、全国の都市に設置されていきましたが、戦災や都市化で、今ではほとんど京都でしか見かけなくなったそうです。
昔のものや
![](https://assets.st-note.com/img/1728565551-nTLrgYjIXOskxwmRU38i09WK.jpg?width=1200)
復刻されたもの
![](https://assets.st-note.com/img/1728565396-pGHxBk42yUXj80oKlR65Ptbu.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1728565621-tM7K9qnEUjZbIlCH1i0BFRya.jpg?width=1200)
実は「愛好家」の団体があって、保存活動などをされているようです。
京都のまちなみに馴染み過ぎて、ぼーとしてたら見逃します。
ただし、約100年近く前のもの。
町名が変わっていることがあるのでご注意を。
![](https://assets.st-note.com/img/1728479538-LQ6jEXBIrmf3yhH9AkGSRNMD.jpg?width=1200)
京都のまちの移り変わりを、ずーと見続けてきた100年看板。
もちろん現代の「町名表示板」も設置されています。
実用性を失ってなお、古いものがそのままそっと残されている。
私は、そんな京都にある時の余白に心和みます。
人も物もまちも、すごいスピードで変わっていきます。
そんな変化に私たちも付き合わされる。
でも、その変化はいろんな人を振り落としている。
パッとみたら豊かな社会に、生きづらさを抱える人がたくさんいる。
変化することで、私たちは幸せになれるのか?
そう疑問に思うときがあります。
時代が変わっても、変わらないもの。
そこに幸せの種が、大切なものがあるのではないか?
そう考えた18歳の私は、歴史学の道を選びました。
歴史を勉強する中で、
「なーんだ、人間上っ面だけで古代から何にも変わってない。」
そう思えることがたくさんありました。
人間は進化しない。
研究者の道は叶いませんでしたが、その思いは今も続きます。
変化の荒波に惑わされ、
本当に大切なものがどんどん見えなくなっている。
ただそれだけのこと。
ゆるりゆるりと変化する、
ここだけの時が流れる京都には、
一度立ち止まって考える。
そんな時の余白とヒントがあるように思います。
頭がこんがらがった時、
悩みのループから抜け出せない時。
そんな時こそ、京都のまちに身を委ね、
深呼吸して考えよう。
どーせ人間だもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1728647816-gM3qJWbODoaPG6hLjxIE5sAm.jpg?width=1200)
ちょっと話が飛躍しました…
週末の仕事終わり、
秋の夕暮れ空を見上げつつ、
そんなことが頭をよぎる今日この頃でした。
お付き合いいただき、ありがとうございます。