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変わっても変わらないもの|京都

時代が変われど変わらぬもの。
京都にはそんな歴史の生き証人がたくさんあります。

その中のひとつが、これ。

仁丹の「町名表示板」です。

古い建物に多く残っている

京都のまち中をブラブラしているとちょくちょく見かけます


(銀粒)仁丹とは
口臭、二日酔い、めまい、乗り物酔いなどに効能効果をもつ「口中清涼剤」
16種類の生薬が配合され、表面は銀箔でコーティングされています。
大阪に本社がある森下仁丹株式会社が製造販売。
医療が未発達だった明治時代。風邪や食あたりでも命を落とす人が多かったことから、病気の予防薬として開発され、明治38(1905)年に発売されました。
今でも根強い人気があるロングセラー商品です。

公式Xから(https://x.com/Ginryu_Jintan)

むかし、駅の売店で見かけたような…
私は口にした事がありませんが、
本社と実家が割と近いために「大礼服」のマークは見慣れた存在。
なんだか懐かしい。

そんな森下仁丹が、郵便配達員などのお役に立とうと、
1910(明治43)年から宣伝を兼ねて設置し始めたのがこの「町名表示板」です。

ホーロー製で、民家などの柱に釘で打ちつけられています。
大阪、東京、京都、名古屋など、全国の都市に設置されていきましたが、戦災や都市化で、今ではほとんど京都でしか見かけなくなったそうです。

昔のものや

「大礼服」のお顔が・・・

復刻されたもの

老朽化で、森下仁丹の協力により令和6年9月に復刻された

実は「愛好家」の団体があって、保存活動などをされているようです。

京都のまちなみに馴染み過ぎて、ぼーとしてたら見逃します。

ただし、約100年近く前のもの。
町名が変わっていることがあるのでご注意を。

上京区と書かれているが、現在(昭和4年から)は中京区

京都のまちの移り変わりを、ずーと見続けてきた100年看板

もちろん現代の「町名表示板」も設置されています。
実用性を失ってなお、古いものがそのままそっと残されている。
私は、そんな京都にある時の余白に心和みます。


人も物もまちも、すごいスピードで変わっていきます。
そんな変化に私たちも付き合わされる。

でも、その変化はいろんな人を振り落としている。
パッとみたら豊かな社会に、生きづらさを抱える人がたくさんいる。
変化することで、私たちは幸せになれるのか?
そう疑問に思うときがあります。

時代が変わっても、変わらないもの。
そこに幸せの種が、大切なものがあるのではないか?
そう考えた18歳の私は、歴史学の道を選びました。

歴史を勉強する中で、
「なーんだ、人間上っ面だけで古代から何にも変わってない。」
そう思えることがたくさんありました。

人間は進化しない。

研究者の道は叶いませんでしたが、その思いは今も続きます。

変化の荒波に惑わされ、
本当に大切なものがどんどん見えなくなっている。
ただそれだけのこと。

ゆるりゆるりと変化する、
ここだけの時が流れる京都には、
一度立ち止まって考える。
そんな時の余白ヒントがあるように思います。

頭がこんがらがった時、
悩みのループから抜け出せない時。
そんな時こそ、京都のまちに身を委ね、
深呼吸して考えよう。

どーせ人間だもの。

ちょっと話が飛躍しました…

週末の仕事終わり、
秋の夕暮れ空を見上げつつ、
そんなことが頭をよぎる今日この頃でした。

お付き合いいただき、ありがとうございます。

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