組織で現場支援を促進する
皆様お疲れ様です。Collaborate labという名前を付けて、自閉症支援にエビデンスのある支援の導入の普及を目指し、学びを情報発信をしています。最新のトピックや自身の学びを深めて現場に落とし込んでいくことが私の目標ですし、学びをシェアしていくことで皆様の何かのきっかけになればと考えています。大変恐縮ではございますが皆さんからもぜひ色々なご助言やご指導を受けながら洗練させていきたいと思っておりますのでどうぞコメント、質問、シェアやいいねなど様々なサポートをよろしくお願いいたします。皆様からのリアクションが励みとなります。
前回は「自閉症支援の現場で人材育成・マネジメントを考える」という記事を書きました。
その中で出てきたキーワードがいくつかあったと思いますが実装を進めて行くための要素をまた色々と考えてみたいと思います。実装された多くのプログラムや実践に存在する共通の特徴を模索しながら私の考えも交えながら記事にしたのでどうぞお付き合いください。今回は5714文字でした。
1.「現場で支援を促進する」を考える
現場で支援を促進することについて考えてみたいと思います。これらのサポートは特定のチームや事業所、法人レベル全体で取り組んでいく必要があります。力強くもあり寄り添える親切なリーダーシップと組織構造がなければ新しいEBPやプログラムを導入して、持続・維持していくことはできません。また、適切な賃金や役割整理がなければ熟練した支援者を育てて、管理・維持していくことは難しく、EBPやプログラムは行き詰ります。
こうやって考えると様々な要素がとても相互に関わり合っていて、関連していることが分かります。また、全てのある1つの要素ではサポートできなかったり、整い切らなかったりするスキルや内容を別の要素を使用することで補うことができると考えられます。例えば人材の確保や育成が難しかったとしても業務の整理や役割分担をすることで、負担を減らし効果的な支援の維持や継続を補えるかもしれません。様々な状況の判断は個人の中でできることには限りがあり、組織全体での判断が必要なことも多いと思います。
こういったたくさんの要素がある中で実践しながら、評価し、改善していくと成果に結びついていくサイクルは、どんな要素のプロセスと方法であっても変わらないと考えます。つまり、全てが関連づいている中でも、要素に向けた成果を一つ一つ細分化して、改善をすることになります。例えば、実際のEBPを実施したり、プログラムを実行していったりすることが個人の技術やスキル的なアプローチだとすれば、現場の支援員が新しいプログラムやEBPに適応できるようにサポートし、障壁となることを取り除いていくことは組織的なアプローチが中心だと言えます。とても当たり前のようではありますが、私も含めて周囲の方々とお話をしているとこういった内容が大枠で捉えられており、優先順位を適切に選択できなかったり、効果が見えないまま取り組んでしまったり、職員の役割が定まらない状態になってしまったり、組織としてうまくいかない状況から抜け出せないサイクルとなっているのではないか?と感じることが多くありました。
2.支援を促進するための司令塔
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