「ダメな自分」を迎え入れれば、次の扉は自ずから開いて行く。
NHKの連ドラ『あまちゃん』が好きでした。
原作は、今は大河ドラマをかいているクドカンこと宮藤官九郎。
この中でわたしの心を捉えて離さなかったのが、主人公アキについての母親の春子(演じたのはキョンキョン)の描写でした。
地味で暗くて、向上心も協調性も存在感も
個性も華もない パッとしない子
半年間のオンエアの間、微妙に形をかえながら、様々な文脈で
何度も繰り返しでてくるフレーズです。
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さて、あなたがもし、このセリフをそのまま自分にいわれたらどんな気持ちになりますか?つまりはこんな風に。
「あなたって、地味だし、暗いし、
向上心も、協調性も、存在感も、個性も、華もないよね」
これを読んで、
まったく自分ごとのように思えない人もいらっしゃるでしょう。
そういう方には、なにもこの一文はひっかからないですよね。
この一文は、ただの文章、ただの「思い」。
もしあなたが、上の一文を読んで、凹んだり、ムカついたりしていたら、どこかしら自分のこととして捉えていることでしょう。
もともと自分のなかに「思い当たる節がある」から、ひっかかってしまう。
凹み度やムカつき度が高ければ、高いだけ、この思いがあなたを苦しめているということです。
さて、凹んでいたり、ムカついていた方は、もう少しお付き合いください。
地味、暗い、向上心がない、協調性がない、
存在感がない、個性がない、華がない
いくつかある言葉のうち、言われると特に痛いはどれでしょう?
そして、そういう自分の部分を、心の底から無条件で愛おしいと思えますか?
...多分、違いますよね。
自分のなかのダメな部分、というのは大抵認めがたいものです。隠せるものなら隠したい。できれば変えたい。克服したい。無意識のうちにダメ出ししながら、時間と労力を注ぎ込んで変化を重ねようとしていたかもしれませんね。
もちろんそれは悪いことではありません。あなたが生き延びようとしてきた人生の大切な歩み。
けれど、そんな歩みもそろそろ疲れてきたな、と思ったら
どうぞそんな自分自身を迎えに入れてあげてください。
「おつかれさま」と。
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あまちゃんのこの「地味で暗くて…」というセリフには、ちょっとステキなオチがあります。「私、変わったかな?」と尋ねるアキに、母親の春子はこんな風に答えるのです。
(相変わらず)地味で暗くて、
向上心も協調性も存在感も個性も華もない
パッとしない子だけど、
みんなに好かれたね。
それはすごいことなんだよ。
「地味で暗いまま」の自分を母親に受け容れてもらえることは、「華やかで明るくなったよ」といわれるよりどれほど心強かったことか。
「華やかで明るいわたし」へと変わっていくのは、「地味で暗い」わたしの延長線。けれど、「地味で暗いままで大丈夫」という受け容れは、そのままの自分で新しい扉をあけていく力強さを生み出すでしょう。
私は、このシーンでちょっと泣けちゃいました。そう、私も若い頃「地味で暗い」自分のこと、嫌ってたからです。
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【お知らせ】
リレー式エッセイ「あぁ、愛しのコンプレックス様」に参加することになりました。
とても面白い企画だなあと思って参加させていただきました。
「ダメな自分」「コンプレックス」と向き合う、ということは、自分自身にこころを開くという癒しのプロセスだなあ、と思います。
こちらは、わたしにバトンをくださったのはこちらのちぃ坊さん。
ちぃ坊さんのエッセイから、過去のみなさんの「コンプレックス」へとたどることができます。
みなさん「ダメな自分」こと「コンプレックス」と共に生きる姿がとても愛しいです💕
近日中にわたしもアップの予定です。
また、わたしの次にバトンを受け取ってもいいよ、という方、いらしたらお知らせください。コメント欄もしくは、こちらにて〜
今日の一言です。
そんな自分をダメだと思って、がんばってきたよね。
おつかれさま。
今日も読んでくださってありがとうございます。
自分にやさしくお過ごしください。