短歌をはじめて1カ月。言葉について考えたこと。
こんにちは! 心に寄り添う文章で生きづらさが少しでもラクになるヒントをお届けしているつくだ@書籍編集×作家です。
早いもので、私が短歌をはじめてもうすぐ1カ月になります。はじめて書いた短歌は、こんな歌でした。
・出口なし蛇口は無口ひねっても今こそ開け創造の門
「出口」と「蛇口」と「無口」で韻を踏んで、ラップみたいなことができないかと思っていたんですね。それといろんな言葉の組み合わせで、読む人の頭を震わせることができないかと考えていました。
そこからまさに蛇口をひねったように短歌が湧き出してきて、自分でもびっくりしました。しかも、こんな自分がいたのかと驚くような自分が発見できたのが、面白かったですね。
このときめざしていたのは、31文字でショート・ムービーをつくること。例えばこの歌なんかがそうです。
・悲劇だね喜劇だよって思いだし 胸にこみ上げる家族写真
家族写真をながめるなかで、楽しいことや悲しいことを思い出し、胸にこみ上げた思いに切ない思いを抱いた2~3分くらいの時間。そんな短い。けれども心に残る時間を、31文字に収めるように短歌を詠んできました。
俳句は写真だと思うのですが、短歌は動画ですね。字数が多い分、情景だけでなく心象風景まで収めることができる。だからショートムービーのように楽しめそうだと思ったんです。
そして、今日まさに詠んだ歌がこの短歌です。
・朝露の光輝く木々の葉きらり 小鳥さえずり 水晶転がり いとをかし
言葉に31文字少しオーバーしてるかもですが、一番はじめの歌に比べると五感で自らの頭の中にあるイメージを伝えようとしている。映像で撮っても朝露は水晶のように転がりませんが、短歌ならそれが簡単にできてしまう。
改めて、短歌という表現形式はすごいなと思いました。
そして、どこから生まれてきたんだろうという歌が自分のなかから湧き出てくる。私の場合でいうと、おとぎ話やお話しにインスパイアを受けた作品がそうです。
・神駆けるワルプルギスの昏い夜 神魔向かいて世界はいかに
これは、「神駆ける」という言葉だけが降りてきていて、何か言葉はないかと自分の脳を検索してみたところ浮かんできたのが、「ワルプルギス」という言葉。これは、魔女たちがブロッケン山に集まり、魔王と宴を催す夜のことです。ここに至って「神魔向かいて」という言葉が浮かんできて、結句に繋がっていきました。
文は人なりといいます。しかし短歌は、ひとをもっと裸にしますね。真剣に向き合えば向き合うほど、心の奥にしまってある言葉や感情、イメージがが浮かんでくる。
私はユングが好きなのですが、ユング的にいうならば集合的無意識から降りてきた言葉が組み合わさって、短歌という作品になる。その過程で、「影」が出てきたり「老賢者」が出てきたり「トリックスター」や「アニマ」「アニムス」が浮かんでくる。
ふと思ったのは、私は短歌の創作という行為を通して、ユングのいう「個体化」の道を進んでいるのではないかということです。「個体化」とは、自分の内なる声に耳を澄まし、自分自身の中に眠る様々な葛藤や可能性を統合し、真の自己(セルフ)を実現していくプロセスのことです。
また、ミッドライフクライシスという言葉があります。人生の中盤に発生しがちですが、これまでの生き方や価値観を見つめ直し、新たな方向性を探求する時期でもあります。
私も50歳を過ぎ、人生の折り返し地点を越えました。いままでとは同じようにいかない体、そして精神に翻弄されながら日々を暮らしています。この時期を乗り越えて、新たな時代を生きるための新しい自分を手に入れるために、短歌は私に用意されていたのではとさえ感じます。
お話ししていくうちに、ちょっと不思議な話になってしまいましたね。私は今回の気づきとして、短歌を通して自分と向き合い、その内面を旅することをはじめてみたいと思います。ひょっとすると、私にとっての「うつ抜け」のヒントが、そこにあるようにも考えるのです。
まとめて見ますと、私にとって短歌を詠むということは創作を楽しむというだけではなく、心を癒やし葛藤を解決し一皮むけた自分になるためのゲームともいえます。
その過程において、私の短歌や言葉が皆さんの心を軽くし、明日へ向かわせるものになっていたら、これほどうれしいことはありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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