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困った従業員への対応#2
前回の記事では指導者の「基本スタンス」についてまとめました。
今回のテーマは、「すぐに反発する従業員」です。
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上司:「これまでの方法を改めて、来月から○○○をすることになりまし
た。皆さん最初は大変かもしれませんが、まずはやってみましょ
う。協力をお願いします。」
部下:「えっ、それってもう決まりですか?それは難しいですよ。
課長、現場のことわかってますか?」
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何か新しいことをしたり、現状を変えたりしようとするとすぐに反発したり、否定的な態度をとったりする人…。
あからさまにそのような態度をとらなくても、協力してくれない人…。
上司にとってはなかなか困った人材です。
こういう人を心根から改善するのはなかなか至難の業です。しかし、説得する方法はありそうです。
また、実は説明のほうがよくないのかもしれません。リーダーとして、少し説明の仕方を変えることを考えてみましょう。
ポイントは、リーダーにとって最も重要なことを徹底することです。
それは、「目的を明確に伝えること」です。例えば最初の例で言えば、次のような話をします。
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上司:「お客様からご不満が多かった○○について、来月から改善し、お客
様の満足向上に取り組みたいと思います。ついては、・・・・」
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リーダーが指示を出すさいに、目的を語っていないことがあります。皆様は、手段だけを語ってることはありませんか?
「明日からこうするから、従いなさい。」と従業員に捉えられるような話となっていることは、思った以上にあります。そして、それに従わない人を反発する人と 位置付けてしまうことがあります。
むしろ、目的もわからずに従うほうが危ないかもしれません。目的にさえ同意できれば、話し合うことができます。
大事なことは、「手段に合意を得る前に、目的に合意を得る」ことです。
また、テクニック的なこともあります。介護施設で来月からご利用者のケアの仕方を変えるということを例に考えてみましょう。
ここからは、説得の技術。NONOと言わせない技術です。
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上司:「利用者さんがもっと気持ちよく食事ができたらいいと思わない?」
部下:「それは、そう思いますよ。」
上司:「そう。じゃあ、今よりも利用者さんが気持ちよく食事ができる
方法があるとしたら、やってみる価値があると思わない?」
部下:「それは、そうでしょうね。」
上司:「実は、この間見学に行った施設で、こんなやり方をしていて、
利用者さんもなんかうれしそうだったのよ。うちでもできると
思うんだけど、どう思うかな?」
部下:「でも、うちにはうちの事情というものがあるので、そう簡単には
いかないと思います。」
上司:「そうね。そのままということは難しいかもしれないわね。でも、
利用者さんがもっと気持ちよく食事ができたらいいわよね?」
部下:「それは、そう思いますって。」
上司:「じゃあ、うちだったらどんなやり方がいいのか、提案してくれ
ない?」
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このように、とにかく目的を共有します。手段に合意が得られなければ、もう一度目的の合意を取り付けることを繰り返します。
そして、本人を当事者にしていくのです。一番困るのは、批判だけして当事者にならない評論家の人ではないでしょうか。そういう人を知らず知らずのうちに当事者にしてしまうのは、常に目的を共有する努力をすることではないでしょうか。
なお、目的が共有できない人は、最終的にはその組織にはいられません。
上記の例で言えば、「利用者さんが気持ちよく食事をする必要なんてない。」という人です。こんな人はいてもらったら困りますよね。
猫の手も借りたいというくらいに人手が足りないならば、なおさら目的が共有できる人材に残ってもらうことにリーダーは注力してもらうことを私はおススメしたいです。
最後に、交渉術についてふれましたので書籍をご紹介します。気になる方はぜひ、お読みください。「交渉とは相手を言いくるめることではないんだな」など、気付きを得られると思います。