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【読書感想】マーケット感覚を身につけよう ちきりんさん

こんにちは、にゃごんです!

今日は、ちきりんさんが書かれた「マーケット感覚を身につけよう」という本の要約と感想について書いていきたいと思います。

この記事は、

  • スキルがないと嘆くビジネスマンや専業主婦

  • 就職活動中の学生

  • 将来がなんとなく不安な人

に是非読んでほしいものになっています!


結論から言うと本書におけるマーケット感覚とは、

  • 価値を認識する能力

  • 顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力

であり、マーケット感覚を身につけるメリットとしては、

  • 変化が怖くなくなる

  • これから何が売れるのかについてわかるようになる

ことだと述べられています。

順番に解説をしていきます。


ANAの競合として思い浮かぶ企業をすべて挙げてください

みなさんは、このような質問をされたらどのように考えるでしょうか。

私のような凡人は、JALなどの国内外大手航空会社やLCCのような格安航空会社が思い浮かびました。

しかし、ANAの競合相手は航空会社だけではありません。場合分けをしながら論理的に考えるという手法をつかうのならば、ANAの事業をまず国内線と国外線に分けるでしょう。しかし、これだけではANAのビジネス全体を理解することは出来ません。人ではなく貨物を輸送する事業もありますし、ホテルやクレジットカードなどのその他の事業を展開しているからです。ここまで分解して考えることができれば、かなり多くの競合企業を挙げることが出来ます。

ここで全く考え方を変えて、顧客の具体的な利用場面を想定してみます。海外部門を統括する事業部長が、支店の目標が大きく下回っている原因を調べて対策を打つために、各海外拠点の支店長と話をしようとしている場面を想定します。この事業部長は最初は自分が海外に実際に出張って支店を回っていくことを考えますが、現在長期の出張を取ることができるスケジュール状況にないことから、支店から本社によびよせて会議をしようと考えます。しかし、ただでさえ営業成績が落ちているのに各支店から指揮官を呼び寄せてしまっては、さらに成績が低迷するのではないかという考えや、単純にお金がばかにならないという風に考えました。そこで、みんなを集めて会議をするのなら、ZOOMのような「テレビ会議」を思いついたのです!

この本であげられていた例なのですが、本書は2015年に発刊された本なので例の中の事業部長は「テレビ会議」を思いつくまでにかなり紆余曲折がありました。しかし、最初の質問に戻って考えてみると、ANAの顧客になる可能性のあった事業部長は、テレビ会議を選択しましたよね。つまり、ANAの競合にはテレビ会議を提供している会社も含まれると言うことです。

このように、顧客の具体的な状況を想像することで、論理思考では到達することのできなかった「テレビ会議」という競合を見つけることが出来ました。このような具体的な状況を想像力豊かにイメージできる能力が「マーケット感覚」なのです。


なにが言いたいのかというと、何かについて考えるときは、大きく2つのアプローチがあるということです。

ひとつは、
場合分けをしながら、1歩1歩順をおって論理的に考えていく方法

そしてもう一つが、
「マーケット感覚」をフルに活用し、リアルな現場をイメージしながら考える方法です。

そして、この2つの思考法を併用していくことで、問題解決能力を高めることができるのです!


市場化する社会


ここまでで、マーケット感覚についてなんとなく理解が出来たと思います。これからは、私たちの社会がどんどん市場化をしていっているという現状に目を向けていきたいと思います。

就職活動の市場化

これまでは、大学の教授や学校の先生の推薦をもらって企業に就職するという相対取引が主流でした。しかし、昨今ではインターネットの普及により「全学生が全企業に応募できる」という構造に変化しました。これが社会の市場化の例のひとつです。

婚活の市場化

婚活も昔までは、近所の世話好きなおばさんに「ウチの息子にいい人を紹介してくれ」と依頼し、その仲介で結婚するという流れが主流でした。しかし、昨今ではコンピューターに情報を入力することで、マッチングを行う婚活情報サービスが現れました。これも婚活の市場化ですよね。

国家資格の状況の変化

昔は、国家資格が必要な職業はほぼ自動的に「良い職業」だと思われていました。しかしこれからは、国が国家資格で保証してくれている職業ではなく、市場で強く求められる職業こそが、良い職業なのです。

このように私たちの社会はどんどん市場化していっているのです。このような市場化が進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をいち早く見極めるためのマーケット感覚と、需給バランスに合わせて自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が、何よりも重要になってくるのです。


「価値」について考える


ここまでで、私たちを取り巻く社会の現状とマーケット感覚の重要性についてお話しましたが、ここからは、マーケット感覚の本質ともいえる「価値」について説明していきます。

一番最初のANAの質問でマーケット感覚を用いた思考法を実践しましたが、そこで考えていたのは「ANAが提供する価値はなんなのか」ということなのです。ANAが提供する価値を「遠く離れた場所に高速で移動すること」だとするならば、新幹線やバスなどが競合にあたりますが、「遠く離れた場所にいる人とコミュニケーションを取るためのツールを提供すること」だと考えれば、テレビ会議や電話なども競合になりうるのです。

つまり、マーケット感覚の中で最も重要なことは、
市場で取引されている価値について正確に見極める力
なのです。

通常「市場で取引される価値」という言葉から思い浮かぶのは、食料品や衣料、家電、スマホやパソコンなどのハードな製品と、ホテルやレストラン、もしくは、学校や病院などで得られるサービスなどが思いつくと思います。これらは、市場でずっと取引されてきた「伝統的な価値」です。ところが今、日本では従来は価値があると認められていなかったものにも、価値が生まれつつあるのです。たとえば、ニコニコ動画では、家族の中でテレビに一言コメントするという現状から、そのコメントをもっとたくさんの人に聴いてほしい、他の人のコメントも聴きたいというところに「価値」を見出し、あれほどの成長を果たしたのです。

マーケット感覚を鍛える事のメリットとして、こういった「非伝統的な価値」についても早々に気づけるようになるということです。


マーケット感覚を鍛える5つの方法(うち2つ)

ここからは、実際にどのようにしてマーケット感覚を鍛えることができるのかについて、5つの方法が紹介されていたのですが、重要だと思う2つの方法についてこの記事では紹介したいと思います。他の方法を知りたい方は是非本書をご購入して確認してください。

1.プライシング能力を身につける

まだ市場で取引されておらず、値札もついていない「潜在的な価値」に気づくための、自分独自の価値基準を手に入れるために有効なのが、すでに値札付きで売られているものについても、自分の基準に基づき、プライシング(値付け)をすることです。

この際重要なのが、供給者側の考え方であるコストの計算による値付けをするのでは無く、対象のサービスが市場で受け入れられると思う価格を考えるということです。マーケット感覚で求められるのは、需要者・消費者が妥当だと感じる価値を推定する力だからです。

2.インセンティブシステムを理解する

人が何か特定の行動を取ったとき、その背景にある要因や、その要因が言動につながるまでの仕組みである「インセンティブシステム」を理解することです。その理解が、市場における需要者や供給者が何に基づき、次にどんな行動をとるのか、推測し、予測する力につながるからです。

インセンティブシステムを理解するのに重要なことは、自分の欲望と素直に向き合うことです。日頃から「こういうことがやりたい。でも、どうせできない。」というような思考を続けていると、人間の脳は「どうせできない」という気持ちを「そんなにほしくない」という気持ちに変化させてしまうからです。そういうことが続き、自分の欲しいものがわからなくなってしまうと、他の人がほしいものを理解するのも難しくなってしまいます。たとえ、手に入れることが難しいものだとしても、「ほしい」「したい」をつよく希望することが大事なのです。


まとめ

本書を簡単にまとめると、

現在、社会はあらゆる面で市場化が進む

価値を見極め、潜在的な価値に気づくことが重要であり、
その力こそが「マーケット感覚」

マーケット感覚を鍛えるために、値付けと欲望に忠実になること

このようにまとめることができます。

マーケット感覚は、本書が書かれた当時と比べてもより重要になってきていると思います。特に私が従事したいと考えている不動産開発の業務においても、建物などのハード面における価値を提供するという構造から、よりソフト面の価値が重要になってきていますが、まだどの企業も手探りの状況です。そこでは、まだまだ非伝統的な価値を発見する余地が残されていると考えています。

また、転職市場において、自分になにが求められているのかということを考えるにあたっても、市場でなにが求められているのかについて深く考えると同時に、自分がもっていない英語や資格などの伝統的な価値を頑張って身につけることだけではなく、自分が気づいていない自分の持っている非伝統的な価値を発見することとが重要なのだと感じました。

また私自身、これまでなにかがやりたいという気持ちを抑圧して生きてきたので、これからは自分のやりたいことを言葉にするなり行動に移すなりで、自分の欲望に忠実になることを心がけたいと思いました。


最後まで読んでいただいてありがとうございました!
いいなと思ったり、何か気づいたことがある方は、スキやフォロー、コメントをしていてフィードバックをいただけるとありがたいです!

それでは、ありがとうございました!


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