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①ビジネスにおいてコミュニケーションを取る前に確認すべきポイント

*今回の記事は4000字程度です。(少し長いですが全ビジネスマン、全学生に読んでいただきたいです。)

こんにちは、にゃごんです。

今回は、照屋華子さん岡田恵子さんが書かれた「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル」という本の一章を要約していきたいと思います。

本章では、論理的な伝え手になるための第1歩として、コミュニケ-ションの具体的な準備に取りかかる前に必ず確認しておきたいポイントについて、詳しく書かれています。

今回の記事は、ビジネスにおいて正しくコミュニケーションを取る上で非常に有用な考え方を紹介します。
また、ビジネスの現場だけではなく、学生にもとても有用な内容となっているので、全ビジネスマン、全学生に見ていただきたいものとなっています。

それでは、見ていきましょう。

コミュニケーションとは何か


本書におけるコミュニケーションがどのように定義されているかについてお話しします。

結論、コミュニケーションとは、
「メッセージ」のキャッチボールをすること
です。

では、「メッセージ」とは何なのか、
メッセージ要件について説明します。

メッセージの要件は、

  1. コミュニケーションにおいて答えるべき課題が明快であること

  2. その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること

  3. コミュニケーションのあとに相手に期待する反応が明らかであること

となっています。

つまり、文書や人の話を受けて
課題はこれで、それに対する相手の答えはこれで、自分にこれをしてほしいといっているのだな」ということが自分の頭に明快に残ること
これらをクリアして初めてメッセージといえるのです。

コミュニケーションとはこのような「メッセージ」をきちんと伝え、受け取る、ということなのです。


メッセージを伝える前に確認すべきポイント

ここまでで、コミュニケーションはメッセージをきちんと受け渡しすることである、ということはご理解いただけたかと思います。

そこで次は、そのメッセージを相手に伝える前に、確認すべきことを2つ紹介します。

①課題(テーマ)の確認


まず、そのコミュニケーションにおいて自分が相手に伝えるべき課題は何なのかについて確認をしましょう。

課題やテーマがずれていては、相手は検討しようとも思わないからです。

企画を練っているときなどは、最初は正しい課題に沿って検討を進めますが、検討を進めるうちに、気になる発見や見えていなかった課題が出てくると、そちらに注意が奪われ、いつのまにか課題のすり替えが起こってしまいます。
たとえば、「案件Aの事業化に取り組むべきか」という課題が、事業化の前提となる既存の販売網に重大な問題がある事に気づき、「既存の販売網が抱える重大課題をいかに解決すべきか」という課題にすり替わる、という具合です。

このことに気をつけるための有効なアプローチは、「自分がいま、相手に答えるべき「課題」はなんだろう」という自問自答することです。

②相手に期待する反応の確認


会議を持つとき、文書を作るとき、それによって相手にどのようにしてもらいたいのか、どんな反応を引き出したいのか、という期待成果のないコミュニケーションは「独白」でしかありません。

伝えることによって、相手に理解してもらったり、相手のニーズや意見を引き出したり、あるいは相手になんらかのアクションをとってもらうなど、相手に何らかの「反応」を取ってもらうことが最終目標であり、伝えることは目的ではありません。

ビジネスにおいて相手に期待する反応は、以下の3つにまとめられます。

  1. 相手に「理解」してもらう

  2. 相手に「意見や助言。判断などをフィードバック」してもらう

  3. 相手に「行動」してもらう

同じ課題であっても、自分の伝える内容を相手に「理解」してもらえばいいのか、自分の考えに対して相手の意見や考えなどの「フィードバック」がほしいのか、購入や拡販といった「アクション(実行)」がほしいのかなど、相手に期待する反応を確認することによって、答えとして伝えるべき深さや広がりは異なります。



相手にとって明快な「答え」であるかどうか

ここまでは、伝える前に確認すべきポイントについて紹介しました。
次は、実際に伝える際に何を言えば「答え」になるのか、について紹介します。

答えの要素

答えの要素はたったの3つです。

  1. 「結論」:説明する答えの核の部分

  2. 「根拠」:結論の妥当性を説明する部分

  3. 「方法」:結論がアクションである場合、どうやって実行するかを説明する部分

ビジネスパーソンであれば、このようなことは日頃から触れていることであり、周知の知識だと思います。

しかし、問題はあなたが考えている結論が相手にとっても同様に明快なものか、あなたの考えている根拠が相手を納得させるのに十分か、あなたの考えている方法で本当に相手が動くのか、というところにあるのです。

そのため、自分の答えが客観的に明快なものであるかが重要なのですが、自分の答えを客観的に評価することは難しいです。

そこで、ここからは自分の答えが相手にとって明瞭なものであるかチェックするポイントについて紹介します。


結論が伝わらないケース

結論が伝わらないケースは大きく2つ存在します。

①「自分の言いたいこと」の要約になっている

自分の書いた結論が「自分がいいたいこと」の要約になっており、「課題に対しての答え」になっていないパターンです。

たとえば、「○○事業に新規参入すべきかどうか」という課題に対する答えを要求されているにもかかわらず、発表の際に様々なデータや分析を紹介下後に、「○○事業の参入に当たっては、事業の収益性と競合の動向を十分に分析する必要がある」というように結論付けてしまう、という例が挙げられます。

結局、課題に対する答えはどうなの?と相手を思わせてしまっては、コミュニケーションは失敗であると言わざるを得ません。

これが結論だと思ったら、
「自分の言いたいことの要約ではなく、本当に答えるべき課題に対する答えの核になっているか」
をもう一度課題を確認しましょう。

②付帯状況が明確になっていない

どうにでも解釈できるような曖昧な表現を使ってしまう、というパターンです。

たとえば、「状況により~」「収益の動きをみながら~」「地域によっては~」などの付帯状況を付け加えてしまうという例が挙げられます。
これでは、指示が曖昧になってしまい、相手にとってほしい行動を相手がとってくれなくなる、という問題があります。

先ほどの例に対する具体的な対策としては、「状況により~」を「売り上げの前年比が105%を上回ったら」など、付帯状況を解釈の余地を与えない具体的なものにすれば、このようなミスのパターンを防げます。

また、付帯状況をなくしてしまうのが一番の対策です。


根拠が伝わらないケース

次は根拠が伝わらないケースです。
根拠が伝わらないケースについては3つ紹介します。

①「Aが必要。なぜならAがないから」

「Aが必要。なぜならAがないから」という根拠では相手は納得しません。

たとえば、「当社の収益性を強化するためには、営業力の強化が必要だ。なぜなら当社の営業力は非常に弱体だからだ」と言われて、なるほどと思える人は少ないでしょう。

根拠を説明する上で大切なことは、その現象を引き起こしている数ある原因の中から、なぜそれを選んだのかをきちんと説明することなのです。

②事実と判断・仮説の区別が曖昧

相手から見たときに、事実なのか、伝え手の判断や仮説なのかがわからない言い方をしてしまうというパターンです。

「なぜ?」と聞かれたときに理由として示すことができるのは、

  • 客観的な事実としての根拠

  • 判断・仮説としての根拠

です。

しかし、客観的な事実の方が自分の判断や仮説よりも確かなものであり、相手にとっても説得力があるだろうと思いがちです。
そのため、事実と判断や仮説とを曖昧にして伝えたいという心理が働きやすいのです。

しかし、これは受け取る相手側に「それは事実ですか?それともあなたの判断、仮説ですか?」と思わせた途端に、その答えの信憑性は半減してしまうのです。

③判断基準を伝えない

どのように基準で物事を判断したのか、その点について伝えないというケースです。

たとえば、「当社は中国市場に参入すべきか」という課題に対して、客観的な事実(中国市場の現状と競合他社の動き、自社の現状)を見ます。しかし、これらの事実だけで、参入の是非の判断が下せるわけではありません。大事なのは、そのような事実があった場合、当社はなにをもって新市場へ参入するのかの基準をいかに設定するかなのです。

このような、判断基準を伝えないと、その判断が正しいのか、正しくないのかを受け手は判断することができないのです。


方法が伝わらないケース

最後に方法が伝わらないケースを紹介します。
こちらのケースは2つ紹介します。

①公理である

たとえば、「当社は競争力の強化に向けて、顧客と競合の動きを注視し、自社の強みと弱みを見極め、最も差別化が可能な領域に経営資源を集中投入する」と言われた場合どう思うでしょうか。
誰も真っ向からは否定はしませんが、何のアクションもおこらないでしょう。

なぜなら、これは戦略というものの定義そのものであり、普遍の真理(公理)ともいえるものだからです。
この公理を自社に当てはめて、具体的になにをすべきかを伝えなければ意味がないのです。

自分の考えている方法に「自社だけではなく他社でも通用するものではないか?」「10年前でも10年後でも通用しないか?」と自問自答し、そのチェックに引っかかれば、それは方法とは呼べません。

②具体的ではない

「当社は、収益性の強化を当社の最重要課題と位置づけ、トップのリーダーシップのもとに、全機能横断的に取り組んでいく」と言われたらどう思うでしょうか。要は「全社一丸となって頑張ろう」といっているだけですよね。

「重要課題として」「全機能横断的に」などの修飾語を増やしても具体的にはならないのです。

もし自分のいっている方法に具体性がない、と感じたならば、「なぜそうなっているのか」「どうしてそういうことが起こったのか」「なぜそう言えるのか」を自問自答してみましょう。

具体性は言葉の問題、表現の問題ではなく、どうすればよいかを具体的に考えられているかどうかが問題なのです。


以上が第一章の要約となります。
少し長かったですが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

私自身も今回の部分でビジネスにおけるコミュニケーションの基本姿勢を学べたと感じています。

その後の内容についても要約していきたいと思っておりますので、是非フォローしてチェックをお願いします。

また、ロジカルシンキングの概要について軽くまとめた記事も書いていますので、ぜひこちらもご確認ください。

それでは、ありがとうございました!

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