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年の瀬になると思い出す「山菜そば」

年を取るにつれ、食の嗜好が変わるというのは良くあることかもしれない。

私も子供の頃に「ちょっと苦手~」と食べることができなかったけど、大人になってから普通に食べられるようになったものが結構ある。

今思い出しても不思議なことがある。

私は子供の頃から「山菜」というものがどうしても食べられず、食卓に出されても全く手を付けずに残していた。

「食べてみたら不味かった」とかではなく、もうあの見た目とか風味みたいなのが全く受け付けなかったのだ。

私の両親は嫌いな食べ物を無理やり食べさせるというような、昔の学校給食みたいなことこそしなかったが、「またハミングだら~、好き嫌いが多いから~」みたいにクドクド叱られたりした。

そんなこんなで、私は子供の頃はもちろん大人になっても暫く「山菜」というものを全く食べたことがなかった。

しかし……しかしだ。

数年前、年が明けて1月の2日か3日あたりのことだった。

目が醒めると突然、無性に「うわ~、山菜そば食いて~!」という気持ちを抑えられなくなったのである!

これまでの人生において、1度も食べたことがない山菜ヲである!

これって、とても不思議なことだと思うのだが、どうだろう?

昔食べたことがあって、「あの味を急に思い出した!」とか、テレビで美味しそうな映像を見て「試しに食べてみたくなった!」とかなら、まだ話はわかる。

しかし、一度も食べたことがないものをピンポイントで「無性に〇〇が食べたい!」という気持ちになったのは、後にも先にもこれ一度きりである。

年が変わり、何か星というか風水みたいなものが変わった?!とかいうスピリチュアルな話なのだろうか?
1つ考えられるのは、年越しそばの時期なので、知らず知らずの間に街中などで「美味しそうな山菜そば」がサブリミナル効果的に潜在意識に刷り込まれた、、、とかいう可能性である。

いずれにせよ、居ても立ってもいられなくなった私は、そのまま電車で浅草まで行き、適当に見付けた蕎麦屋に飛び込み、山菜そばを単品で注文した。

そして、出て来た山菜そばを生まれて初めて食べ、蕎麦のつゆがジュワーッと沁み込んだふきとかワラビとかを「うんめぇ~!」と感激しながら食べたという話である。

それからは、すっかり山菜も好きになり、蕎麦屋でもたまに山菜そばを注文するようになった。

間もなく年ヲ跨ぐ。
もしかして、年が明けたら、また急に食べたことないものヲ無性に食べたくなるような衝動に駆られたりするのだろうか、、、と、この時期になるとちょっとワクワクする。

山菜そばは不思議。
私も不思議。。。

いただきま~す! ジュルル~。。。



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