忘備録(ドパミンよりもセロトニン)
私の病気であるパーキンソン症候群は、MRIやドパミントランスポーター検査を受け、ドパミンが足りていないことが判明して診断が下りました。
ドパミンが足りないから、振戦(足の震え)や様々な疼痛が起こり、視力障害なども発生し、心も身体も蝕まれた私の体重は一気に10キロ以上落ちました。
でも、3年目を迎えた今、私は思います。そもそも、ドパミンは私に必要なものだったのかと。単純な話をすると、ドパミンは快感・やる気・多幸感を得るもので、例えば試験に合格したり、昇進したり、自分の頑張りも必要ですが、人との競争に勝ちに行く強い精神や闘争心が求められるそうです。
振り返ると私はもともとそんなところが弱く、だからいじめの対象にもされてきましたし、勝負事には弱い人生を送ってきました。それでも、それなりに闘わなければならない時には頑張ってはみるのですが、無理がたたり、結局はその後に風邪をひいたり体調を崩したりしていたので、向いていなかったのだと思います。
この間ある論文に、ドーパミンよりもセロトニンの重要性が記載されたものがありました。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、精神の安定を助ける働きを持ち、穏やかさや優しさにつながると言われています。ストレス耐性にもつながるもので、私には、こちらを強めることの方が、今後、この病気と付き合っていく上で大切なのではないかと感じています。
勿論、人前で足が変に震えたり、座っていられないことは悲しいことです。変な目で見てくる人もいます。若くて杖をついているのねと、心許ない声もあります。
でも、自分が穏やかにいられ、精神的な落ち着きを得られるのなら、セロトニンを出すような生き方や考え方を身につけてこれからを歩んだ方が幸せなのかなと、論文を読みながら感じた次第です。
対処療法しかない病気や、難病などを抱えた人々はみな、目の前が、先が見えません。でも、同じことで悩んでいる仲間は必ずいます。私も告知当初は一人だと思って絶望もしました。でも、同じように悩み、悩みながらも何とか進もうとしてある人間がここにいることを、少し寂しくなったり、落ち込んだ人には思い出してほしいなと思います。
一人じゃないんですよ。