都市(まち)に関わる映画のご紹介⑥
こんにちは。
本日ピックアップさせて頂くのは、2021年にYoutube Originalで公開されたドキュメンタリー「Life in a day」です。
まえがき
こちらは実は第2弾のものでして、シリーズ第1弾は2010年に行われております(配給会社は異なります)。
こちらのコンセプトは実にシンプル。1年の中のある1日を世界中の人々に撮影してもらい、それを集め編集しドキュメンタリーとして放映するもの。
2010年時にはいくつかの質問が用意され、それに応答する形?でフィルミングが行われたのですが、今回は特に縛りも何も設けられておらず、ただある”1日”を録画するというものになっております。撮影を参加者に任せている以上、編集者の腕が如実に表れる作品だと思います。
今回設定されているある1日は、2020年7月25日(土曜日)です。
そう。歴史的にしてもExtraordinary time(異常な時)な1日です。
ですが、フィルム自体はコロナのみにフォーカスしている訳ではなく、その1日で世界中で起こることにフォーカスしております。
総勢、324,000のビデオが192か国から集まったみたいで、もちろん全てを映画の中に入れ込むことは出来ていないと思いますが、参加型でつくる映画としては最大級ではないでしょうか?
トレイラー
章としては大きく、9章に分かれており、
① Intro
② Birth
③ Work with begins
④ Endings
⑤ Life unfurls
⑥ Food!
⑦ Our animal friends
⑧ Memories
⑨ Night falls
となっております。
まち視点でみる、この映画の魅力
この映画に関しては、つかの間の人の生活・営みがむき出しに描かれているので、普通に観ていても、それはまち視点で見ていることになりやすいとは思います。なので、あくまで私の感想として聞いて頂けると嬉しいです。
この映画全体を通して、最も印象が強かったのはTradition(伝統)や、Custom(慣習)です。
例えば、最初の朝の章では、
何をもって朝とするのか?
人々にとっての朝の瞬間はどんな一幕なのか?
何が日常(ルーティン)で、何が非日常(例外)なのか?
生活の質って?
そんな部分が見える描写が多くあります。
ルーティンとは必ずしも自らでつくるものでなく、外部要因によって半強制的にもたされるものが大半なのかもしれない。と考え直しました。
また、この映画では、まちと場所の関係も現れております。
どんな場所をつくってもそこに人がいなければ、そこは場所になりえない。
少し哲学的な話になってしまうので、簡素化しますが、人が自己を含め1人もその場にいなければ、そこは空間でしかないのです。人が1人でもいれば(自分がその場に存在していれば)、その場を通して間接的に人のいた形跡を感じ取れ、場となります。この存在は物理的な存在のみを意味しておりません。
これは受け売りの言葉なのですが(原文はもっと素敵です。)、
椅子が1つあれば、そこは”場”になる。椅子を通して、人は誰かの気配を感じ取れる。場の最小単位は1。
他には、何かに名前をつけることで人はその何かに対して一定の愛着心を持つことができること(まち事例:アムステルダムのシェアリングバイクの命名権や色んな自治体で行っている都市公園・街路樹の木々の命名権)や、公式経済と非公式経済の性質の違いやその運営。
なんかが、この映画からみえてくるな。と、思いました。
上記4つの現象全てを瞬間的に表している瞬間は、どこかのアジアの町の歌とダンスを披露する謎のお姉さんの一幕だと思います。
突然、家の扉空けて、スピーカーで音楽かけて、歌とダンス披露して、パフォーマンス料を当たり前のようにもらって出ていく。
ちょっと自分の家には来てほしくないな。って思いましたが、彼女のパートは私が触れた全てを網羅していると思います。
あとがき
いかがでしたか?
こちらの映画の1セリフにもあるように、人生はいつもハッピーエンドではない。(Life is not always happy ending.)
いつもなら表面的に聞こえそうなこの言葉も、映像が切り取っている日常を見ることでうまく消化出来ました。
ただ、ここで言うlifeは1日1日をlifeとして捉えており、他にもそういう風にlifeを描いている描写が多々ありました。
なので、朝が来ればまた始まる。という描き方ですね。
まれに少し繊細な映像を使用しているので、その点はご注意下さい。
各章のタイトルの説明は、今度スピンオフ的に書いてみたいと思います。
本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
こちらに映画のURL貼っております!是非、観てみて下さい!
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