目指すは森林ライター!森と暮らしを考える「INA VALLEY FOREST COLLEGE」に参加した話
「INA VALLEY FOREST COLLEGE」は、伊那市の開催する森と暮らしの関わりを再発見する学び舎です。9月と11月の3連休を使って開催されました。
2024年は第5回目、企てる・働くコースに分かれて森との関わりを学ぶ講座です。
今回は「INA VALLEY FOREST COLLEGE」の様子と感想、これからをお伝えします。山や森、自然が好きな人、ライターで専門性を探している人、自分で何かできることはないかと考えている人はぜひ読んでみてください。
「INA VALLEY FOREST COLLEGE」は森と暮らしを再発見する場|参加するきっかけ
私が「INA VALLEY FOREST COLLEGE」を知ったのは2023年、森との向き合い方を考え始めたときです。ライターとして、ヨガ講師として森とどのように向き合えるかを考えるために参加しました。
森との向き合い方を考えるようになったのは、「杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦」を見たことや、登山道の整備ボランティアで、近自然工法に触れたことがきっかけです。
「杜人」と「近自然工法」を通じて知ったことは、
「自然は、自然が育まれるように維持するのが大事」
環境を人間の都合で整えても、自然の力を抑えることはできません。その反動が大きければ大きいほど、自然災害にもつながる可能性があるです。
登山をする私にとって、登山道は当たり前にあるもの=自然でした。しかし、人々が踏みしめて固めた土は、自然のものではなかったことに気づかされました。関東から地方に行っていた頃には、到底気付くことができなかったことだと思います。
自然が昔から好きだったかというと・・・・・・
私が生まれ育ったのは、横浜の住宅街です。海は近いので、自然は身近な方だったと思います。しかし、私が小さな頃の海は今ほどきれいでもありませんでした。
また、山に行くような家族ではなかったので、自然とはあまり接点がなかったと言えます。
海外から帰国したときに感じた違和感
私は、30代前後にワーキングホリデーを使って、フランスとカナダに行っていました。フランスやカナダでは電線が街中にありません。空が広く、どこまでも晴れ渡る青空がいつどこでも見られます。
しかし、横浜の普段見る景色はどこを見ても「家」ばかり。
それでも小さな頃は、サザエさんやドラえもんに出てくるドカンのある空き地が周りにはありました。しかし今は、空き地がほぼなく、小さな丘の上まで、所狭しと家が密集しています。遠くの家を見る度にミニチュアの世界のような感覚になり、あまりいい気分ではありませんでした。
日本に戻ってからいつも
(空が電線だらけ・・・・・・)
と、散歩する度に思っていたのです。
自然との出会い
長野へは2021年に来ました。とにかく空が広いと北アルプスを見ながら深呼吸をしたことを覚えています。バンクーバーで体験した、1時間もせず山やスキー場にも行ける環境が長野にはあり、ここに居たいと思うようになりました。
次第に、山や森が身近にある時間が、何より心地よいと感じるようになります。しかし、最近は仕事でパソコンと向き合うばかりで、あまり北アルプスにも行かなくなってしまったのです。
だからこそ、ライターとして、ヨガ講師として何ができるのかを考えるようになりました。
そして参加したのが「INA VALLEY FOREST COLLEGE」です。
9月の「INA VALLEY FOREST COLLEGE」
フォレストカレッジでは、企てる・働くコースに分かれて森を学びます。私が参加したのは企てコースです。総勢30名ほど、20代から40代くらいのメンバーがさまざまな想いを抱いて参加していました。
そこに、やまとわのスタッフやサポートの人たち、多くの方が関わりフォレストカレッジはスタートします。
初日はオリエンテーションと伊那の森を歩く会。まずは、伊那の森を知ることから始まります。
(森って30年ぐらいでもできるんだ)
ただの自然にできた森のように見える場所も、実は人の手が入っていることを改めて実感したのが伊那の森歩きです。
写真のように、赤松が密集しているのは植林の証拠だそうです。神奈川で育った私には植林=杉のイメージが強く、写真のような森が植林されてできたとは考えも及びませんでした。
学校教育では、木を切ることはよくないと教わってはいませんか?
20代の参加者の人でも「そう思っていた」と話していたので、かれこれ20年くらいは教育が変わっていないのだと気づきます。
「山や森は何も手入れをしないと、風雪害や土砂災害が起きやすくなる」だからこそ林業は日本に必要なのだと、森歩きを通して改めて学びました。
翌日以降は、森と一緒に働く人たちの講義を受けます。ゴミとしかならなかった部分を使ってアロマを作るyasoさん、赤松のビールを開発したNPO法人森の座さん、地域の木を使う有賀製材所さんなど、森と関わる人たちの実際の現場感を感じる時間。
また、旅する料理人の三上さんとは、みんなで料理にする素材を山から採取して一緒に料理も作らせてもらいました。
"食"というテーマを掲げていた5回目の「INA VALLEY FOREST COLLEGE」。おやつには、ハーブやフルーツ、赤松を使った森の恵のスイーツたちも用意されていました。「森」というKWに、笑顔があふれるメンバーたち。スイーツがなければ、あそこまで和やかにはならなかったかもしれません。
9月の講座は、さまざまな活動をする人たちとの出会いが「私は森と何ができるのか?」と考えるきっかけをくれる時間となりました。
11月の「INA VALLEY FOREST COLLEGE」
11月に訪れたときには、すっかり様変わりした様子を見せる伊那の森。2024年はとにかく9月が暑く、夏の終わりがなかなか訪れない年でしたね。そうかと思えば10月には雪が舞う北アルプス。伊那市のある南アルプスも高い山はすでに雪が被り始めていました。
初日は雨模様だったので、森の中ではなくinadani seesにて集合。地元の木材を使った施設は中に入るだけでも森の香りが漂い、とても清々しい気分になります。
初日は、伊那市の地域おこし協力隊の方たちがProject WILDを体験させてくれました。自然を学ぶアクティビティで、プログラム自体がすごく考えこまれており、興味を惹かれる内容でした。
翌日は、薬草研究家の新田理恵さんや、ヤブクグリの伊藤敬生さんの講義です。伊藤敬生さんは、広告業界一筋、電通九州でも働かれていた方で、ライター駆け出しの私がお話を聞く機会が得られたことに感動。
最終日は「INA VALLEY FOREST COLLEGE」をきっかけに「何ができるのか」を考える時間でした。それぞれで時間を使い、今の想いをまとめます。
最後は、今までの5回を振り返るhidakumaの松本剛さんと、「INA VALLEY FOREST COLLEGE」を主催するやまとわの奥田悠史さんの対談。林業との関わりを実際に変えてきた人たちの取り組みの話を聞いて、背筋が伸びる想いでした。
「INA VALLEY FOREST COLLEGE」を通して考えたこと
行動を起こした人、起こさなかった人、いろいろな意見を耳にしながら思ったことは、勇気を持って行動することが大事だということ。
しかし、行動していても、まだ何かができた訳ではありません。
目標に向かって達成できることを目指しますが、一歩目を行動しただけではそこで止まってしまいます。
二歩目、三歩目…。
山を登るのと同じですね。
歩みをとめてはそこで終わり。
遭難して終わり・・・・・・では行けないのだと感じました。
「今後、ヨガとライターとして、どのように森と関わりたいのか」考えるきっかけをくれた「INA VALLEY FOREST COLLEGE」。ここで歩みをとめてしまうのか、上を目指して登り続けていけるのか、ここからは自分自身の頑張り次第です。
最後に
ここまでお読みくださりありがとうございます。備忘録のように書き上げた記事です。森との関わりは、大人になってからも知ってほしい大切なことだと今回を通して思いました。
「新たに知ること」は、何歳でもできること。森と関わってみたいと思ったら、記事の中で紹介した人たちのサイトにまずは飛んでみてください。あなたの興味があることが見つかるかもしれません。
「出入り口をいろいろなところに設置する」それができるのもライターかもしれません。森のことについては素人です。素人が森を知るきっかけづくりを考えてみようと思いました。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。まずは、この記事があなたと森のきっかけになればうれしいです。