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✩ 文学夜話 ✩ フランスの詩人、マックス・ジャコブの美しい詩と翻訳問題
この記事では、マックス・ジャコブという詩人の非常に短いけれどインパクトのある詩を紹介し、なぜそれにインパクトがあるのかについて考察します。また、その和訳の問題についてお話しします。
まず、彼についてご存じのない方のために略歴を引用してみます。
マックス・ジャコブ(Max Jacob 1876年7月12日 - 1944年3月5日)は、フランスの詩人・小説家・劇作家・画家・美術評論家・ホロコースト犠牲者である。アポリネールとともにキュビスムを代表する特異な詩人、ダダイスム・シュルレアリスムの先駆者として新しい散文詩を確立した。ピカソ、モディリアーニ、ジャン・コクトーをはじめとする前衛芸術家・文学者と幅広く交流し、膨大な書簡を遺した。アシュケナジムの家庭に生まれたが、2度の見神体験を経た後、ピカソを代父としてカトリックの洗礼を受けた。1921年から1928年まで、および1936年から1944年までサン=ブノワ=シュル=ロワールに隠棲し、祈りと制作に専念した。1944年にゲシュタポに逮捕され、ドランシー収容所で肺炎のために死去。1949年に作曲家のアンリ・ソーゲを会長、ピカソを名誉会長とする「マックス・ジャコブ友の会」が結成された。
ピカソなどと仲が良かったみたいですね。ユダヤ系という理由でフランスを占領したナチスに捕まり、収容所に送られ、死去しています。
今回取り上げるのは、マックス・ジャコブの次の詩です。
Ses bras blancs devinrent tout mon horizon.
この詩はどういう風に和訳されているのでしょうか。以下で異なる翻訳家による三つの和訳を紹介し、良い点と問題点を論じます。その後、私だったらどう訳するのかをご紹介します。
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