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アート関係を必死に理解しようとしてレビューするマガジン

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2021年9月の記事一覧

彼岸花が咲く島

彼岸花が咲く島

自分の世界を構築できているのはいいのだが、小生はイマイチハマらなかった
好きな人は好きだと思う。

日本に近い場所にあるらしき、島国。そこではノロと呼ばれる女性たちが中心となって、暮らしている。
この島に流れ着いた少女は記憶を失っていた。宇実(ウミ)という名前を与えられ、島の子どもたちと一緒に生活する。
やがて、宇実はノロになるための試験を受けて合格する。
大ノロと呼ばれる老女から、この島の血塗ら

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カウズ展

カウズ展

世界中の有名キャラクターが集結している。しかし、目がバッテンになっている。ということは本物ではないのか。この、似て非なるものというのがポイントだ。セレブリティに憧れ、同じ髪型、同じ服を身につける小生たちも、kawsが描くキャラクターと同じではないか。

セレブリティになれなかった小生たちは、傷つき、絶望する。だけど、同じように、成功できなかった仲間たちが、支えてくれる。

ウォーホルにも似た、ポッ

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マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ“

マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ“

マルタンマルジェラの肉声が聞けると言う意味では貴重な映画であった。ただ、内容はと言うとさほど良くはなかった。マルタンマルジェラはすごい、と言う事ばかり言っていた。マルタンマルジェラの歴史をざっくりと抑えるには良いが、それもさほど詳細ではない。ファッションの歴史において、マルタンマルジェラがどのような位置を占めていて、どのような影響与えたか、その価値はどのようなところにあるのか、オリジナリティーはど

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ザ・マスター

ザ・マスター

すばらしい。
人は自らの信念のために戦わなくてはいけない。人生は戦いなのだ。どんなに戦っても本当の自由を手に入れることはできない。それでもあがき続けるのだ。その中で魂のつながりを見出すこともあるだろう。たとえそれが一時的なものだとしても。だから、自分の生き方を信じるのだ。そんな映画だと感じた。やっぱりフィリップ・シーモア・ホフマンはいいなあ。

フィールド・オブ・ドリームス

フィールド・オブ・ドリームス

非常に有名な作品だ。昔見たことがあるかもしれないが、全く覚えていない。
ケヴィン・コスナーが主演で、レイ・リオッタも出ている。レイ・リオッタが素晴らしい。

主人公はなにものかの声に従って、とうもろこし畑をつぶして、野球場を作る。
そこに、過去の有名な野球選手たちが現れる。

野球は、時間を超えて語り継がれる偉大なるスポーツだ。そんなテーマがある。

ただ、本作ではいろいろと気になるところがあった

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ギイ・ブルダン展

ギイ・ブルダン展

楽しい、というのがしっくりくる。
正統派から、ちょっとずらしたユーモア。
ユルゲン・テラーも影響を受けてるんじゃないかな。
この人の写真をみていると、主役は誰なんだろうと不思議になる。画面に映る美しいモデルだろうか。だけど、そういう写真には、そんな彼女を茶化すような存在がいる。もしくは、靴の広告では、モデルは顔も出さずに壁の穴に上半身を突っ込んでいる。尻が主役かと思いきや、履いているハイヒールが主

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ミル「自由論」

ミル「自由論」

1859年の著作。1867年にマルクス資本論が書かれていることを考えると社会的な状況はさほど違いがないのではないか。同じイギリスだし。
ミルが描く世界はマルクスが見ている世界ほど絶望的ではないようだ。

自由に生きる社会をつくることで個性を育んでいけると言う。でも好き勝手に振る舞うということでは無い。
愚民が、愚かな政治を行う。愚民が増えれば世の中はダメになってしまう。だから、個性的な人材を増やす

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ミルの自由論

ミルの自由論

1859年の著作。1867年にマルクス資本論が書かれていることを考えると社会的な状況はさほど違いがないのではないか。同じイギリスだし。
ミルが描く世界はマルクスが見ている世界ほど絶望的ではないようだ。

自由に生きる社会をつくることで個性を育んでいけると言う。でも好き勝手に振る舞うということでは無い。
愚民が、愚かな政治を行う。愚民が増えれば世の中はダメになってしまう。だから、個性的な人材を増やす

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寺田克也個展 「monster head girl」

寺田克也個展 「monster head girl」

寺田克也の個展に行った。
絵のうまさに関してはいうまでもない。
今回は、キャンバスにマジックとアクリル絵の具で描いていた。
ラフに描いたようで、絶妙なバランス感覚。
表面的ではなく、構造まで把握して描いているのがよくわかる。さすがラクガキングだな。本人は「kingじゃなくてラクガキing」だって話していたけれど、やっぱりkingだな、と感じた。

資本論1

資本論1

マルクスは江戸時代の人なのに書いていることが現代的だ。
流通の歴史の話からはじまり、労働者の時間がいかに搾取されているか、という話になっていく。
今もそうだが、いわゆる労働者は何も考えずにただ働いているという状況だったのかもしれない。そのような社会状況で。自分たちが何をしているのか自覚的に生きて欲しかったのではないだろうか。

こういう古典によって現実を見る目を開かれるのは大切なことだ。