スコープセレクター#NISHINA
仕事終わり
6月の夜、気温26度。夜でも汗ばむくらいの気温だ。
仁科誠は仕事を終え、車の中で自分用の作業記録をつけていた。車の窓を全開にしているが、空気は重く、風もほとんどない。
でも、彼はこの時間に幸せを感じていた。
仕事中は、時間との勝負と全体を俯瞰しなければならない焦燥感に駆られた空白とのせめぎ合いだ。作業量も多く体力を消耗した後、自分のやった仕事を誰にも邪魔されず、じっくりと俯瞰して記録していく。
次にとりかかる時はこの意義ある記録をいかして、より良く仕上げて見せる