茶道雑誌 2月号『戦国武将たちの茶の湯 第五十五回 生方貴重』より
「茶杓は、利休作のものでした。銘は、三斎が「命トモ」と付けたのでした。あるとき、三斎が茶杓を持ってきて、その櫂先(かいさき)の先端を切り取って、利休に見せたのでした。そこで、利休は、その茶杓に少し修正を加えて、「舌キレ雀」という銘を付けました。櫂先の先端を三斎が切り取ったのを、舌切り雀になぞらえたのでした。
ところが、その茶杓をついに利休は三斎に返さなかったのでした。おそらく気に入ったのでしょう。そこで、利休は「それなら、あなた用に、この茶杓を上げましょう」と言って、返さずに取ってしまった茶杓の替えにと、「命トモ」と名付けて、三斎に一本の茶杓を遣わしたのでした。」
茶道雑誌 2023年 二月号 『戦国武将たちの茶の湯 第五十五回 生方貴重』より
著者の生方貴重さんは昔、ワタシの高校の先生だった方だ。中高一貫校だったので、正確には、中学に入った頃に、高校生を担当しておられた。その後お辞めになったので、習う機会はなかったが、先生の記事を見ると中高時代を思い出す。
歴史の教科書で箇条書きで読むと、ワタシのなかで当時の出来事として歴史の中のカケラ枠に収まることが常。
ところが、
「三斎が茶杓の先を切り取って利休に見せる」
「利休がその茶杓に修正を加えて「舌キレ雀」と名づける」
さらに
「その茶杓を気に入った利休は茶杓を返さず、別のものを渡す」
……
こうなると小説かドラマのワンシーンに見えてくる。
一気に登場人物が立体的に動き出し、会話が聞こえてくるような景色として映る。アプローチの仕方で印象の残り方が違うということに改めて気づく。
高校時代、日本史は好きだったが、世界史はなんだか苦手だった。興味を駆り立てるような小説も並行して読んで、登場人物が動く景色を思い浮かべられたら良かったのにねぇ……、とあの頃の自分に声をかける。そうか、今からでも良いか……なんてことをふと思う。先生に習うことはなかったけれど、校内を歩いておられたお姿と共にあの頃を思い出す、そんなひととき。
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