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茶壷の中の様子って❓

今日は茶壷の中の様子について先生にうかがった日のことをお話しましょう。



春に新茶として摘み取られたお茶。この新茶が涼しいところに置かれた茶壷の中で夏を越し、それを開けるのが11月頃で、それをお茶のお正月と呼ぶのだと先生からうかがいました。


ではその茶壷の中は一体どうなっているのでしょうか。



茶壷は結構な大きさです。上から下まで全部抹茶が入っているのか? それともお茶の葉っぱの状態で入っているのか? 茶壷の中の様子をあれやこれや想像していたワタシ。


ところが、そのどちらも違っていました。茶壷の中には碾茶(てんちゃ)と呼ばれる状態で入っていたのです。碾茶というのは石臼でひいて抹茶になる前の状態だと先生が教えてくださいました。


濃茶は紙の袋に入った状態で。その濃茶を上下左右からぐるりと囲むように詰め物としてお茶が入っているそうで。


袋に入っている濃茶は丁寧に手間暇をかけてお世話された「極」と呼ばれるお茶。


周囲のお茶はいわば防湿とクッション材としての役割。このクッション材ももったいないからお茶として頂こうというのが薄茶なのだそうです。


濃茶がなんだかすごい警護に囲まれたお姫様かお殿様のように見えてきてしまうワタシです。濃茶のお点前の手順は薄茶より多いのですが、お姫さまかお殿さまだとしたら、確かに……。ちょっと景色が違って見えてきたような、そんな気がするひとときです。



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光森ちづこ@茶道家/仏語翻訳家
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