河合隼雄先生、村瀬嘉代子先生、中井久夫先生etc.のこと
#河合隼雄 先生は、そこそこ身近に「観察」する機会に恵まれましたが、驚くほどの「俗人」に見え、嫌悪すら感じました。 でも、ある意味でリアリストであるからこそ、実際に臨床心理士制度を政治との交渉で設立できたのだし、その「犠牲」となって文化庁長官になられ、亡くなったのだと感じています。
はっきり書きますが、#村瀬嘉代子 先生が #公認心理師 制度を樹立する際に発揮した「政治的」振る舞いに対して議論があることはある程度承知しています。 しかし、嘉代子先生ご自身の臨床センスというものが、滅多に真似できない境地であることは疑い得ない気がします。
いずれにしても、#河合隼雄 先生が日本の心理臨床の業界で不世出の「男の神様」の役割を「引き受け」、#村瀬嘉代子 先生が、河合先生の後を継いで、いろいろ毀誉褒貶を受けつつも「女の神様」の役割を「引き受けて」おられることで、お二人のリアリストさに、心理専門家が恩恵を受けてきたことは確かだと思います。
(不吉なことをいいますが、)正直に言って、嘉代子先生が亡くなった後、日本の心理カウンセラー業界が、足を地につけた発展ができるかどうかは、大きな課題だと感じています。
現場センスのある臨床の超大家は、他業界人との交渉力にも恵まれていて、「緊急事態」への対処能力も高いことが少なくないと思います。
これは名前お出しして全然問題ないでしょうが、#神戸大震災 の直後メンタル緊急危機管理の点で、精神科医の #中井久夫 先生と #安克昌 先生が発揮した、ほとんど瞬発的な行動力と、その経験に基づくマニュアル化が #東日本大震災 の際にどれだけ機能したかを覚えていない臨床家はいないと思いますが。
・・・・大震災時の記録ですが、非常に踏み込んだことを言えば、この本が、長年の虐待を受けた #複雑性PTSD の人の心にまでは響かない可能性が高いことは理解したいと思います。