読書人間📚『鬼』今邑彩
『鬼』 今邑彩 (いまむらあや)
2008年2月 集英社
2011年2月 集英社文庫、文庫版のみ『蒸発』『湖畔の家』収録。
▶︎︎『シクラメンの家』
娘の想像はあながち間違いではなかった。自己犠牲の上に成り立つ純粋な恋愛は愛おしいが、世俗にまみれた年齢には美しい過去。
▶︎『鬼』
みっちゃんはずっと孤独。だけど、大人になった皆んなも孤独。鬼さん鬼さん手のなる方へ. . .
みっちゃんは皆んなが生命を諦めた時に見つけてくれる鬼さんだったかもしれないよ。
▶︎『悪夢』
母のお腹の中で、母の感情を感じとる胎児の話。母と娘のかなしい、かなしいお話。
▶︎『メイ先生の薔薇』
子どもは無邪気で残酷ね。歪んだ愛に気づけない。
▶︎『セイレーン』
美しい歌声で船乗り達を海に沈める魔女。そして魔女、魔男の死に行く道。置いてゆく後の人に優しさを遺して. . .
▶︎『蒸発』
思いっきり人を消したら、自分が消されてまった. . . 「あの世」と、「その世」と、「この世」の狭間で人生を全うするのか?. . .
▶︎文庫版あとがき(2010年12月吉日)
他、『カラス、なぜ鳴く』『黒髪』『たつまさんがころした』『湖畔の家』
読みやすく、さらさら読めます。ですが、どれももう少し欲しいなと思うところ。
他の作品は映画で、北川景子、深田恭子さん出演の『ルームメイト』、『世にも奇妙な物語』も観ていそうな記憶ですが、もしかしたら、短編より長編でじっくり描く方があっている方でしょうか。亡くなられたのもお若いですが、何か、死に急いだ故に作品も慌ただしいと感じるところもあります。
ずっと纏わりつく暗い影がとても寂しい. . . でも、もしかしたら"あの世"か、"その世"でゆっくり長編小説を描いていらっしゃるかもしれない。急いだ訳ではなく、この世を全うし、次の世界で. . .
カバー 北見 隆
フォーマットデザイン アリヤマデザインストア
マークデザイン 居山浩二
🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。