- 運営しているクリエイター
#北米文学
岩波少年文庫を全部読む。(103)ロマンスとコメディを足しても「ラブコメ」になるとはかぎらない エリナー・ポーター『ポリアンナの青春』
『少女ポリアンナ』の、作者自身による唯一の続篇 エリナー・ポーター『ポリアンナの青春』(1915。谷口由美子訳、岩波少年文庫)は、『少女ポリアンナ』(1913。同前)の続篇です。 この記事を書く準備をしているさいちゅうに初めて知ったのですが、ポーター自身が書いた2冊のあと、《ポリアンナ》シリーズの公式(?)続篇はこののち1924年(ポーターの死の4年後)以降、第2次世界大戦後まで、5人の作家によって12冊を数えるのだそうです。 ペリー・ローダンほどではないにしても、けっこ
¥100
岩波少年文庫を全部読む。(61)親子ってなんだ?最低で最高の「夏休み小説」 エレイン・ローブル・カニグズバーグ『800番への旅』
また母子家庭のひとり息子ですか? レインボー・マクシミリアン・スタッブスは12歳。通称はボー、あるいはマックス。ペンシルヴェニア州に住む母子家庭のひとり息子。 ……と書いて、あれっと思ったんですが、えーと、前回のケストナーの『点子ちゃんとアントン』のアントンも「母子家庭のひとり息子」でしたよね? はい。そうでした。 ケストナー『点子ちゃんとアントン』(1931。池田香代子訳) →カニグズバーグ『800番への旅』(1982。金原瑞人+小島希里訳) という流れは、僕が恣
¥100