岩波少年文庫を全部読む。(112)異世界転移の副産物として、なんかわからん悪をいきなり倒してしまった ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』
ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』(1900。幾島幸子訳、岩波少年文庫)を、久しぶりに再読しました。
大学時代に佐藤高子訳のハヤカワ文庫で読んで以来です。
幾島訳には、クレメント・C・ムーアの詩に絵をつけたあの『クリスマスのまえのばん』(渡辺茂男訳、福音館書店)で知られるウィリアム・ウォレス・デンズロウの、「これは古きU.S.A.だ!」と叫びたくなるようなオリジナル挿画を収載しています。
なお渡辺訳『オズの魔法使い』(福音館書店《福音館古典童話シリーズ》第28巻)にもデンズロウの挿画が収録されています。
ドロシーには両親がいない
ドロシーは、カンザスの大草原の農場育ち。ヘンリーおじさん&エムおばさん、そして犬のトトと住んでいます。
そうだった、ドロシーには両親がいないんだった。
なお〈おじさん〉(uncle)、〈おばさん〉(aunt)は、親戚(親の兄弟姉妹およびその配偶者)をさす親族名称であるだけでなく、里親への呼び名であることもあるそうです。
ある日、ドロシーとトトは竜巻に巻き上げられ、家もろともオズという魔法の土地に落とされてしまいます。
到着と同時に功績が発生
現場にいた3人のマンチキン族はドロシーくらいの身長の小柄な部族。
家は落ちてきたときに、偶然下にいた、〈東の悪い魔女〉を圧殺してしまいました。〈東の悪い魔女〉は、マンチキンたちを強制労働させていた悪の支配者だというのです。
これ、あきらかにギャグですよね。
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