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ちょっと言いたいことがありすぎるのでタイトルが決まらない

こんにちは、「BLという言葉ができる前からやってます」でお馴染み(か、どうかはわからぬ)の屑山ゴミ蔵です。

今日はBLという言葉ができる前からそういうやつを読んで書いてきている人間からの、そういうジャンルの現状に対する疑問や不快感を忌憚も容赦もなく書いていこうと思います。
これまで散発的にTwitterに書いたことも含みます。

あと追記で、ものはついでという感じで申し訳有りませんが表現の自由ウンタラの醜い争いについても触れてます。

賛同も批判もいらないです。
言いたいこと全部書く。

【おさらい:BL誕生の経緯】
そういう名称が出てきた出どころというのは、当時はそういうモノがそんなにメジャーではなかったので隈無くチェックしていた人間にはわかっておりまして、1991年12月白夜書房が創刊した「イマージュ」にBOY'S LOVE COMICとキャッチをつけたことがBLという呼称の誕生した瞬間でした。
その後、雑草社が1994年8月のまんが情報誌「ぱふ」が「BOYS LOVE MAGAZINE攻略マニュアル」という小特集を組む程、その手の雑誌が増えたという流れがありました。
1990年代初頭は同人誌で活躍していた作家さんが一気に商業誌(最初は主に少女漫画誌)に召し上げられて流入し、徐々にそういうコンセプトの雑誌が増えて波及していきました。
それ以前はBLという呼称はなく、1970年代に登場した少年愛を描いた耽美的な映画作品や少女漫画作品の流れで生まれた「comic jun」→後の「JUNE」に敬意を表し一次創作のそういった作品はJUNEと呼ばれていました。
「JUNE」は質の良いサブカルチャーや芸術に触れられる等、この世に在るあらゆる耽美的なるものを知るため情報誌としての側面があり、そして掲載作は「表象は男性であっても現実の男性とは同一視しておらずあくまでも概念である」という前提に立った、現実社会における違和感を深く考えさせられるようなもの、人間心理の深淵を覗き込むようなシリアスなヒューマンドラマ的な作品、関係性やその経緯を重視した作品が多く、悲恋やバッドエンド(今で言うメリバもあった)、単純にひとくちに恋とは言えないような複雑な心情を描いたものもありました。
また、投稿作品については「耽美的な作品であれば男性同士の関係には限らない」という懐の深さもありました。
そして単純に私的性的欲求による性的描写を主としたものや、そういうシーンを入れている二次創作はJUNEではなく「山無しオチ無し意味無し」を意味する「やおい」でした。
BLはその中間に現れた「ごく普通の少女漫画のように若者の恋愛模様やそれに絡む性的なシーンもあるハッピーエンドもの」というものでした。
この他に少女漫画でそういう関係や感情を匂わせる「匂い系」というものも多く登場しました。
しかし、そこからはJUNE的なもの、つまりその作品群の中で描かれる「登場人物の関係の間に漂う色気」「あからさまには描かれない思い」「複雑で苛烈な感情」「切なさや痛々しさ」「許されない関係と離れがたい苦しみ」「絡み合う因縁」そういったものから醸される「余韻」のようなものは得られなかったのです。
全く違うものにも拘らず、JUNE的なものとBLというジャンルは混同され同じ掲載誌(主にマイナー少女誌)で一緒くたに盛られているような状態が続きました。
なのでJUNE或いはそれ以前からそういった物を読んでいる人間からすると「やおい」や「BL」はJUNE的なるものやそういう精神性を引き継いでいるようなものとは違うんだよ、と思っていたのです。
しかし、BLというジャンルに二次創作同人出身ではない方やバックグラウンドに様々な文化基盤を持つ作家さんが登場し、成熟するにつれ表現の幅や深みが生まれ徐々に【いや、これはJUNEでしょ、JUNEだよ】と声を大にして言いたくなる作品も生まれるようになりました。

【そもそも用いられる表象はあくまでも男性であって少年に限らない】
しかし、やはりこのBL=ボーイズラブという名称自体には未だツッコミたいのです。
見出しにつけた「そもそも用いられる表象はあくまでも男性であって少年に限らない」のは勿論なのですが、現在はもっと深刻なダメな点があります。
それは、男性の性の部分を徒に強調したものが増え、しかも外性器だけではく、乳房や乳首や臀部も誇張して描写し、結合部も描いてしまう成年指定相当のものが、海苔張ったり白抜きするだけで(重要:それ自体が男性向け成年指定と同じ処置である)、性的な要素を強調した表紙絵に性的な言葉をタイトルに入れ、下品な文言を並べた帯を付けた状態で区分もせず、そうではない作品と同じ売場に置かれ、或いはオンラインでも販売ページにアダルト作品であることを警告するクッションページがない状態で展開されていることです。
それはつまり「小学生とか中学生とか女子高生って明記して性的対象にした作品やAVは出したらダメってルールが有るんだから、それと同じで倫理的に”ボーイズ”ラブって呼称したり同じジャンル扱いしたりすべきではないし、成年指定と同じ処置されているものを区分せずに売ったらダメじゃん」ということです。
男性諸氏から「際どいネタ持ってきてる少年誌やAVに文句言う前に女のエロもなんとかしろ」って言われるのは当たり前だし、都条例の件で紛糾していた頃に「次のターゲットはBLだぞ」って警告されてたのに何も対策せず、その後も厳しく言及されないのを良いことに、基準が明確に示されていて従来の判例もある状態にもかかわらず、それらを無視して増長してきた結果有害図書指定の殆どがBLになっている今の状況がある訳ですが、その重さをわかっていないと思います。
開示されているその指定理由読むと男性向け成年指定相当と同じ基準に則って、極めて丁寧に審議され公正で妥当な判断がなされているので当然守らないほうが悪いです。

しかも悲しいことに、そういう男性の肉体や性機能に執着した作品ほど面白いほどにそれ自体を描けていない。これはもしや男性向け成年指定作品に対するミラーリングのつもりなのか?と思ってしまうほどに描けていない。
如何にも「とりまFANZA入ってAV参考にしました~」な表現しかなくてクッソつまらない。
すごい残酷なこと言うけど「ヤレてない奴の性表現は性を自分の都合の良い玩具にしているだけ」なのでそこに生身の身体性と人との関係性からの学びが伴っていないからどんなに絵だけ巧くても面白くない。
ズリネタとして飽きて興奮が薄れたらおしまい。そこまでです。
そしてそれ以前に肝心のチンポ描くのが下手くそすぎるんだよ…。
どうせ消し入っちゃうからいいやと思ってるのかもしれないけど上手い下手は判るよ…。

繰り返しになりますがJUNE的なるものとBLは違うし、BLとそういう作品も違うんで、ズリネタはズリネタでこっちに来ないで勝手にやっててほしい。
一緒にされたくないです。

それこそそういうやつのジャンルの名称は「山無しオチ無し意味無し」を意味する「やおい」でいいじゃないですか。
交際経験や性行為経験が少ない人間なら強調された肉体や生殖器やその結合に単純に興奮できるんでしょうけど、言語化出来ないものが伴うからこそそういう行為やそこに至る関係性というのは尊く、味わい深く、イイのであって、そこを理解できていないうちは性描写を楽しむには早いと思います。

そもそも区分のための明確な基準を作らず性欲発散のために過剰にパーツを誇張して描写したり、そのような外観で具象化した異性を徒に性描写盛り込んで公に出す行為は、男性向けの性表現と同じく「異性を或いは同性愛当事者を性的に消費している」と指弾されることは避けられ無いし当然なんですが、何故平気な顔しているんですかね。
今まで女性がされてきた事と同じことをして、ダメな方向にミラーリングしてどうすんだって話です。

先日掲載されたよしながふみさんのインタビューで、このような記述がありました。

『リアリティーがないのはまだいいとして、異常な印象を与えそうな描写は絶対にしてはいけないと思っていたんです。』

『私の作品を読んでくれているゲイの友達がいて。彼に「小野がこんなことになってすみません」と謝ったら「そんなことでいちいち怒っていたらゲイは生きていられない」と言われて、なんとも言えない気持ちになりました。その時はすごく反省しました。』

漫画家・よしながふみが語る「自身の作品」と「社会の変化」——拡がる漫画表現

自分は当事者ではないという自覚や、配慮する心を持たずに、己の満足だけのために性描写を用いることをわたしは否定したいです。
また配慮するということについてはこうも答えていらっしゃいました。
わたしも配慮したら表現が難しくなるというのは嘘だと思っています。

——現代は、配慮を過度に求められるとして「表現が難しい」とも言われています。
『私は、逆に描ける内容の幅もすごく広くなったようにも思っています。BLだって、セックスありきの恋物語ではなく、ゆっくり時間をかけて愛を育む物語を描けるようになってきたと思いますし、理屈っぽい女の子が魅力的に描かれている漫画も人気。恋愛を描かない物語もすごく増えました。でも、読者としては恋愛ものも大好きです。
私自身、楽しく読める漫画の範囲が広がって、以前よりもっと漫画が好きになりました。読み手としてこれからが楽しみです。』

漫画家・よしながふみが語る「自身の作品」と「社会の変化」——拡がる漫画表現

ちなみに、わたしはなんだかんだ言いつつ新刊をチェックしてレビューも片っ端から読んで、長期連載化されたり重版されている人気作品と、読み切りを集めたものや単巻しか出ずに終わっている作家さんや、大量に中古に売られてる作品の傾向を探りに書店や中古屋にも行くのですが、重版かかってるのはテーマ性のある重厚な作品やJUNE的なものが多いし、単巻ばかり出てる作家さんや発売して直ぐ中古に売られてるのはだいたい「テンプレ的な属性や設定使ったやつの中でも特に独自性がないやつ」「過剰に盛ったテーマやキャラ設定に頼って作家自身が負けてるやつ」「やってる回数ばかり多くて中身すっからかんで冗長すぎるやつ」です。
男同士がセックスしてりゃいいってもんじゃないんですよね。

【それ、男性で描く必要あるか?】
さっきもちょっと触れたんですが、次はこの点です。
「男性で描く必要あるかぁ?」というもののが多すぎる。
いくら「表象は男性であっても現実の男性とは同一視しておらずあくまでも概念である」としても無理ありすぎというものがではないかと思います。
(ズリネタ描いてる側がそこまで考えて描いているのかどうかは知らん)

先ず、さっき例に挙げた乳房や臀部を誇張して描写してるやつ、だいたいムチムチもっちりふかふかに描かれてて(筋肉も力込めなきゃ柔らかいっちゃ柔らかいですがそういう柔らかさじゃないし…違ぇし…)最早男性のそれの形や体型をしていないし乳首も乳頭が授乳期のお母さんかよってくらい出てるし、そういうのに限って挙句の果てに輪姦されて「オラッ孕め」みたいなこと言われてたりしてて、それは最早単に強姦されている経産婦であって、「BLに強姦される経産婦は求めてないんすよ」っていう。

あと、ありがちなのが
「お目々キラキラ睫毛バサバサ頬を紅潮させてアンアン喘ぐメス顔のウケ」
「脱ぐか自己申告しなかったら女子にしか見えない体格の女装男子」

いや、それ女の子でいいし、TLでいいですよね。

そして全般に通じるのが「原則ウケ目線」の多さ。
セックスポジションが原則ウケ。ウケかΩかsub。
そして攻め目線とかリバのカップルは異様に少ない。
男女で付き合っててもそんな固定されてないのになと思ってしまうんですよね。

もっとディープに嫌なのがオメガバース
誰だよこんなクソみたいな設定考えたの。
正直バース系全体早く廃れろと思ってます。(真顔)
人間はそもそも発情期がないんじゃなくて一生涯ずっと脳がそれを欲する時期が全部発情期で肉体の性機能の未発育や衰えさえも無視して発情できて、生身の肉体を介さなくても脳がそういうものだと認識するかぎり特定のパーツや属性や身につけるアイテムだけでも無機物相手だろうと何だろうと発情するクレイジーな動物だって思いついた奴に教えてやれや…。
あと、そういう「当たった設定」に今は頼りすぎです。
ノリが二次創作的で展開がありがち、多様性も深みもなくてつまんない。
ジャンルの作品の多様性を損ねる方向に作用してしまっていると言わざるを得ないです。
そもそも「妊娠するリスクを負っている」「都合のいいオンナ扱いされる」「マリッジブルー」「マタニティブルー」「捨てられてシングルマザー」「世継ぎを生む/産めない」「育児に悩む」等々出てくる殆どのエピソードが現実の女性が既に背負っているものだし、「クズと別れてめでたし」「まともな彼氏ができてめでたし」「婚約してめでたし」「嫁にしてもらってめでたし」「子供のパパになってくれる人が現れてめでたし」という展開が冒頭の数ページだけでラストまで読めちゃう安直お花畑エンドばかりなのでそれ、男性で描く必要あるか?の真骨頂なんですよ。
オメガバースで「寧ろそういう現実の女性が背負っている業に徹底して向き合うために設定や世界観を掘り下げて描く!!!」みたいな気合の入った深イイ作品って本当に稀で、ハッキリ言っていい印象がないです。
この他「異国の王子様or御曹司に惚れられて娶られる」「家柄や文化習慣の違いで形見の狭い思いをする」とかも同様で「それハーレクインで100回は見たわ(スン…)」ってなってしまうし、本当にそれ、男性で描く必要あるか?としか思えないのです。
ハーレクインかレディコミかTLでいいじゃん。
BLに持ち込むのやめてもらっていいですか
、っていう。

正直、ウリにするのが設定や属性やボディパーツやアイテムなら、イメージする事ができれば別に自己完結で済んでしまう。
既存の作品の当てはめて脳内補完だっててきてしまう(まんま二次創作)。
そういう、オタクのオフ会や作業イプ作業配信なんかで盛り上がったときに出てくる「おまw何番煎じだよw」っていうありがちなネタの延長、或いは掻き集めのようなもの、説得力のない代わりがいくらでも在るような話は求めてないんです。
作家によって描き方や絵柄は違うんだからいいじゃん、はハッキリ言って言い訳です。
「それ同人で100回見たわ(スン…)」で終了です。
表現が画一的すぎる。
「エロ有りき、テンプレ設定、パターン乱打を始めた辺りで読まなくなった」という声は色んな所で耳にしています。
もっと業界には読者の声を聞いてほしいと思います。

【JUNE的なるもの、或いはBLで表現することの意義】
JUNE的なるもの、或いはBLの最大の存在意義は
「現実の性的役割や身体特性上のハンディキャップを降りられること」
「女性性や性機能がある故の背負っているリスクを感じず振る舞えること」
「自身の性を性的客体にされず、都合よく扱われることなく済むこと」
だと思います。
そしてそれは「見初められる」「溺愛される」「守られる」などの受け身の感覚から離れて異性と対等に向き合う感覚を模擬体験ができることでもあります。
あと大きな役割として
「男女の話で描いてしまうとあまりに生々しく受け入れることがしんどい内容を受け止めやすくする」
「男性が男性故に受けている不利益や、表立って語られない被害を具体的に表現できる」
という面もあります。
なので、BLに現実の現代男女の間に起きがちな痴情のもつれ的なものや、性的役割そのものである結婚・妊娠・出産を安易に取り入れることには違和感があります。
もしそういう要素を盛り込むのであれば、自立した個々人が対等に向き合って傷ついたりつけられたり時にぶつかり合うなど紆余曲折を得て関係を深め、愛情だけでなく様々な複雑な感情を抱えながらやっていくのが恋愛に限らない「人間関係」なので、そういう感情の機微や心情の浮き沈みや濃淡といったものを味わえることが重要で、登場人物のバックグラウンドや現在の立場、控えているライフイベントをしっかり組み立てて描かないと薄っぺらく安っぽいものになってしまう。
そういった面を深堀りして書くには引き出しの多さが物を言うので、問題に向き合ってきていないとか、調べる習慣がないとか、情報収集して精査しないとか、オタク的なもの以外のインプットや、世間一般との交流が足りてないと設定が尖っていてもコンセプトが立派でも説得力やリアリティの演出という部分で折れます。
そして、性描写はあくまでも「そういう関係性を匂わせたり、関係性の変化を示すための舞台装置、手段」であり、性的行為やボディパーツそのものを描きたいのであれば、それは物語でやる事ではないと思います。
いろんな観点から考えながら創作していると、設定や属性やボディパーツやアイテム、行為や性器や結合部やその部分を強調誇張して表現すること自体に意義を感じないし執着する必要がないです。
ひとりの人間や、関係する誰かの人生やその心の変遷を書くというのは、決して楽ではないし、簡単なことではないと思います。

【BL=エロ本という呪いを勝手にかけるな!】
ちょっと最近この世界を知った程度の読者が知った顔でドヤってカジュアルに「BLはエロ本♪」「BLはAV♪」のように言うアレ、本っっっっっ当に殺意しかわかないんですよね。
しかもその前には明文化されていないが「未成年でも買えちゃう♪」が付いている。
≠エロだし、≠欲望の発露ですよ。冗談じゃない。
てか
性知識や交際の意義を理解してないバカガキはエロ読むな。

機能によって設定できるのに公開画像をセンシティブに設定したり限定公開にしたり垢分けるなり鍵かけてゾーニングしない人とか、リアルの会話でその手の話をし出す人や興奮して迷惑を顧みず奇声あげたりする人は「ゴキ腐リ」って言われたもんですが、今はもう腐女子や業界自体が「ゴキ腐リ」と化しているような気がします。

店頭に行くと、表紙絵で体や体液を強調して、タイトルにセックスとか性的なワード入れて、下品な文言を並べた帯を付けた状態で区分もせずそうではない作品と同じ売場に陳列してるのが多すぎて「エロい言葉の意味知って興奮してイキって周りにネェ知ってる~?言うてセクハラしまくるDQNの小学校高学年~中学生の女子」みたいになってるの、本当に痛々しい。
やたらスケベBLにコンドーム咥えた絵が多いのも、大きいサイズのコンドームに腕入れて写真うpして「参考にしてくださ~い☆(ゝω・)vキャピ」とかやってるのとか見るとマジしんどい。

そういうダメな傾向に流れていったの、ラノベが内容要約した長文タイトルになったり、洋画が上手いタイトル考えられなくなってまんまカタカナとか直訳のタイトル出すようになった現象に通ずるものがあると思っています。
売る側が安直になってくると顕著に受け手のレベルは下がってくるし、実際下がったと感じます。
タイトルセンスとかキャプションの語彙力ってレベルの低い質の悪い顧客層を篩にかける役割があると思います。重要な関門です。
そもそも中身が濃ければ表紙やキャプションや帯があんな釣りネタみたいなひどいモノだらけにはなってない訳ですしね。

そもそも、やけに発色がいい裸体や乳首や臀部を強調した過激な肌色サムネ、やけに凝ったor小洒落たデザイン、大袈裟なエロワード詰め込んだタイトル、お下品キャッチコピーの帯で気合の入ってるやつほど、だいたい表紙詐欺で中身が肩透かしなんですよ。
(前述したとおり実際に市場調査した結果です)
エロやるならやるで覚悟して腰据えて成年向けでもっとオスみ意識してやってもらっていいですか。
エロナメてんじゃねえぞ。


思う存分性癖チキンレースしたいんだったら成人指定相当としてのルールに従ってゾーニング徹底すべきなのに、しないで無分別にやってるから有害図書として目をつけられるわけで、目をつけられることをわざわざやっておいて目をつけられたことに文句言うのは筋違いだし当たり屋やってるチンピラDQNと変わらないんですよ。
わたしはこの現象は「オタクのDQN化」と言ってますが、「従来ならDQNやってた層が売り手の安直化で大量流入した結果」だと考えています。

実のところ、買う側は年齢的に成年向指定が入ったエロは買えないし年齢制限があるコンテンツは見れないからその隙間にあって性的欲求が満たせるBLというものを買ってるだけで、売る側も過激なもので釣って瞬間風速的にでも利益が上がればいいと思ってるのではないですか。
正直内容が80年代中盤~90年代前半くらいのアイドル誌やティーン誌についてたエッチな体験談とかのノリですし、ウケ(女子)の目線だけど、書いてるのは当事者じゃなく異性って点でも同じですし。
※同世代の人はわかっていると思いますがあの手の体験談は女の子の投稿者がの設定で書かれてましたが語彙や言い回しからして書いてるのは明らかにそれなりの歳の成人男性でした。なつかしいなあ。

そろそろ直接的な性行為の表現については商業BL出してる版元全体で基準を作って対応を考えてほしい。
性描写や過激さで売りたい、それはそれで需要あるというなら成年指定のレーベル作るなり会員登録有のウェブ連載にするなり分けてほしいし、売場をゾーニングしてほしい。
そういうのだってあってもいいし、ポルノが出されることや読むこと自体は否定しないが、BL=エロ本、ポルノだと思われたくない。
そして、うっかり未成年(特に義務教育修了前の児童生徒)の目に入ったり手に渡らないよう成年向けとして扱うべき。
好き放題やって毎月毎月有害指定が当たり前に出るようになったり、未成年者の手に渡ってそこから保護者にから有力者の手に渡ってBL全体の表現内容の自粛や締付けになるおそれがある状況は勘弁してほしい。
(事件化した児童向け作品の二次創作なんかはこの流れでの摘発だった)
頼むから巻き込まないでくれ。

【売り方のミスによるダメBLスパイラル】
先程、当たった設定に頼りすぎる話をしました。
それと、それがジャンルの作品の多様性を損ねる方向に作用してしまっていると話もしたと思います。
しかし、流行りネタも最初は良くとも、飛びついてたイナゴ層も色んなものを味わうようになると目が肥えてそういったものには食指が動かなくなるのが現実で、しかも同じような設定が出続けばそのネタ自体が見向きされなくなりますから、長い目で見たら賢くないです。
有害図書指定ギリギリを狙うのも、概して出した瞬間は売れるし版元はその瞬間風速で売って怒られたら畳んで逃げればいいと思っているのかもしれませんが、一般書店やオンライン販売を差し止められたら入手手段は「既に販売されたものの中古や転売での購入」となり、作家さんの実績には傷がつき、今後出すものも目をつけられるだけではなく、本来好評で重版されれば作家さんの収入に繋がるはずのものをポッケナイナイしてバックレるわけで、結局は作家さんを大事にしていないと思います。
NUUDE編集部が連続でトラブル発生させた末に休載が相次ぎ休刊になったのも記憶に新しいですが、エロノルマの存在の事実、作家自らがタダ働きで広報をしていることなどからも、業界の都合に作家が振り回されている、作家を大事にしていないという印象です。

過激さを強調して売り出したところで、今は直ぐに率直なレビューがあがるしつまらなければ直ぐ売りに出されるのが現実で、本来読者から求められているのは堅実に読みつがれ、今後の作家さんの利益になるようなものです。

あと、さっきも書いたのですが「エロ有りき、テンプレ設定、パターン乱打を始めた辺りで読まなくなった」という声があること、「BLコーナーがあった書店が、内容と表紙の過激化のせいかコーナー縮小したり消滅している」「Twitterで必死に宣伝されたってもう都市部にある大手書店かオタク向けのお店以外は扱いが縮小されて販路が通販か電子しかない」との声があることも真摯に考えるべきだと思います。
電子と紙どちらが良いかというアンケートをとると「エロいBLは電子でいい」「店頭では買えない」という意見も少なからず見られることからも、テンプレ設定やエロさで客を釣ろうとするものと関係性や心情表現や物語性に重点をおいたものまで一緒くたにされて店頭に置かれていることで、紙媒体で売ることのメリットを削いで不利益を作り出しているとも言える状況です。
今の売り方はもう完全にダメスパイラル入っていることを自覚してほしいです。

勿論、流通の仕組みや売上の換算ルールの「古さ」の問題が根底にあり、発売一週間の紙の売上次第で返本打ち切りという実情自体が「変」だし変えていく必要があるのですが、それよりも、だからといってやっていいことといけないことがあるということを置き去りにし、作家も読者も蔑ろしている状況に問題があると思います。
編纂して売る側が固定給で、作品を作る側が準備期間や広報のタダ働きの時間込で原稿一枚あたりの歩合給って仕組み自体もいい加減おかしいと思いますし。

広報の仕方自体にも問題があると思います。版元やレーベルや作家が広報する際、サンプルのトリミングや消しが甘くセンシティブ設定もされていない事が多く、売場同様、ゾーニングできてないんですよ。
性行為が早い段階から入るアレな作品の広報はトリミングや消しを徹底して画像をセンシティブ設定にするなり、最初のツイをクッションページにして注意書きしてからスレッドにしてほしい。
てか、Pixivでお馴染みの「最初はクッションページ」ってマナーは忘れたのかな?
しかもそんな誰からでも見られる配慮もヘッタクレもない状態で、電子書籍サービス提供者側でTwitterプロモーションでも内容載せてますし。
そもそも版元やレーベルや作家が広報する際プロモーション広告を収入源にしてるサービスにまるっとフリーライドしてるの良くないですよ。
基本的にそのような行いは問題があると認知していないんじゃないかと思うんですが良くないことです。
Twitter経由で広報して利益上げてるはずだし、還元しないとエロ垂れ流して利益得てるのにタダ乗りで広報続けられたらTwitter社からしたらやってられないと思いますよ。
…てか、そもそも作品を扱ってもらえるよう営業かけるなりプロモーションするのは版元の仕事じゃないですか、なんで作家にタダ働きさせてるんですかね。

【だったら読まなきゃいい、という話ではない】
短期連載とか上下巻である程度の話数ある程度書いて、洗練されていて読み応えあるものが書けると知られた作家さんはその後の連載が長期化するか、早々に女性誌青年誌に行っちゃう傾向が近年顕著ですよね。
まるで1990年代後半あたりの一時期の成年誌やライトノベル誌のようです。
関係性や作者なりの世界観作って表現できてる作家さんやレーベルって限られてるし、当たりが少ないから自然と特定のレーベルや版元から抜かれてることが多いように感じます。
先に挙げたようなそういう状況だったら、そりゃ連載の椅子用意して引き抜かれたらそっち行きますよね現実問題、生活かかってるんですもの。
そうやって抜けて減った頭数補うように次々新たに同人から拾ってくるのはいいですが、作家さんを客観的な視点で長い目で見て活躍できるよう育てきれてない感じがします。
…そもそも育てるつもりあんのかなと思いますし。

こういう話をすると
「そんなに文句言うなら読まなければいい」
「だったら移籍した作家追って青年誌なり女性誌なり文芸誌読めばいいだろ」
と言い出す人間もいると思います。
しかしそんなものは論点ずらしもいいとこです。
「その作家がそういう物を好む読者層にあてて書いた作品が読みたい」のであって「青年誌なり女性誌なり文芸誌の読者に向けて書いた、BLっぽさを匂わせた作品が読みたいんじゃない」んですよ。

先を長い目で見て、もうちょっと客層のターゲティングとか売り方とか作家さんの待遇とか全般を業界に見直してほしい、そうしないと先細りしていくだけだと思います。
何せ只でさえ少子高齢化にもかかわらず学術研究や芸術家の育成にカネを出さないドケチで育成が下手くその国ですから。
今はそれで良くても、そのうち読者自体や活動人口自体が減っていくのは見えているわけですし。
根本的な改善を願います。


追記:
【オタクは性癖チキンレースをやめろ】
関連で別記事で書こうと思ってたことをそのままこちらに追記します。

こういう話をし始めると直ぐ「表現規制だ」「表現の自由が」と言い出す人がワラワラ出てくるんですが、そもそも憲法上の表現の自由とは何かわかってないのに首突っ込んでくるんですよね。

なので先ずおさらいとして書きますが、該当の条項全文がこれです。

第十九条
1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。
2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護

日本国憲法 - e-Gov法令検索

この、日本国憲法における表現の自由とは、権力に対する批判を妨げぬようにすることでそれが暴力に発展しないための安全弁としての機能を果たす役割を有している。
(まあそれでも暴れ回った末に何も変えられずその不満が内側に向かって殺し合ったり他国にご迷惑をおかけした悪しき前歴があるのは忘れないことです)
そして、上記のとおり「権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる」ものであり、決して自由=際限ないものではなく、責任が問われないわけではない。
その条件として挙げられているのが、
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
である。
つまり
表現の自由ってのは、
お前らのズリネタを好き放題開陳する自由を保障してんじゃないんだよ。
ってことです。
ってことから言わないとわからない人間が多すぎるのが頭が痛い。

てか、必死に表現の自由とは~みたいなこと言う連中に限って
他者が「権利を侵害された」「不道徳だ」「不健全だ」と言う権利もあるし、そう言われたときはそれを尊重しなければならない
ということは全力でスルーしますよね。
ズリネタの自由で思考停止してここ無視する人間は口出さないでもらいたい。

更にこの日本国憲法には全体の前提とされる条件があって、

第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

日本国憲法 - e-Gov法令検索

この「公共の福祉に反しない限り」というのは、
「他人の人権を侵害しない限り」という意味です。
そして「公共の福祉」とは「社会全体の共通の利益」です。

先に挙げたものと合わせ、
・他の者の権利又は信用の尊重
・国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
・社会全体の共通の利益
そういったものを阻害しないことが大前提。

都合のいい部分だけ抜き出して
得て勝手に拡大解釈して
棍棒にして振り回してんじゃない

文脈や技法でそういうものとして見せてきた側を「性表現を拡大解釈するな」と無理筋の擁護しながら「憲法上の表現の自由」を拡大解釈するな。

そして刑法第175条にわいせつ物頒布等の罪があり、そこには
わいせつ物頒布罪
わいせつ物陳列罪
わいせつ物販売目的所持罪
が含まれる。
※頒布とは有償・無償問わず、不特定多数への交付を意味する

「具体的に何がわいせつにあたるのか」については具体的文言や行為や部位の指定はないが「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する」とあり代表的な事件の判例ではその描写内容の執拗さや作品全体から見た描写比率、文脈や技法が判断に大きく影響している。
また、成年向けコンテンツ関係者やその影響を受けた一般人はハードコア・ポルノでなければ合法であるかのような認識が時折みられるが、最高裁はこの立場を明確に否定している。

但し、性的コンテンツの多様化とともに、その内容に
・児童生徒を用いるもの
・近親相姦を礼賛するもの
・不貞行為や不倫を美化するもの
・抵抗不能な相手に行為を強いる
・集団で弄ぶ
等の「実際に想定される事案」が入った所謂ハードコア・ポルノが安易に用いられるようになり「175条だけではカバーできない、不十分だ、もっと迅速に判断できるようにしないといけない」となった結果が「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改訂の根幹であり、譲歩されて決定した内容は行き過ぎた部分は見直され均されてました。落とし所としてはわたしは全く順当で、真っ当な改訂内容だと思います。

類似事案は実際に起きていますし、実行する側は何処かでそういう情報を知り、それが頭の何処かに残ってなければ通常実行しようとは思い至らないわけですから。
この話題になると「あくまでファンタジーでフィクションだから現実には影響していない、するわけない、言いがかりだ」等と言う輩が居ますが、では「〇〇に影響されて〇〇になりました」と言っている人にも同じこと言うんでしょうか。

てか
これにギャーギャー言ってる連中で「では表現するとはどういうことか」「表現とはなんぞや」って話してる人間、見たこと一切無いんですよね。
どういうことなんでしょう、読み専買い専が多いのでしょうか(棒読み)。
てか完全に消費者サマお客サマ気分ですよね。

結局、こういう連中が無駄に争わず社会と折り合いつけながら自分の表現を追求して創作に取り組んでいる人らを背後から撃つ形になってんだけどわかってんですかね。自覚ないんだろなー。消費者サマですものね。

しかし本当に「ゾーニングさえすりゃいいだろ」で都条例改訂を押し切りで譲歩させといて、年齢制限や閲覧制限なしで性癖チキンレースやりまくってる現在のオタクやにはうんざりしてんですよ。
わたしは都条例改訂時には自分自身の表現の自由のために反対派にいた人間です。
しかし顕示欲による性癖チキンレースをやめない今のオタクには味方できません。
Twitterなんか特にそうだが、年齢制限付きor課金サービスへの外部リンクにするとか、投稿画像全部センシティブになるよう設定するとか、鍵の中でやるとかそんなに難しいことのはず無いんですけどね?

【いろいろ読めるようになってほしい】
性表現の問題になると噴き上がってくるフェミニストもオタクもどちらもそうだんですが、本気で言ってるなら「冗談でしょ?」って思うくらいにとにかく互いに
「明文化されてないことを理解する能力が著しくよろしくない」
ので話し合いが全く成立してなくて、そんな状態で話し合う意味全くないでしょとしか思わないんですよ。
175条関連の判断の基準にある、描写内容の執拗さや作品全体から見た描写比率、文脈や技法といったものですね。
文脈とか技法とかの違いとか、本気でわからないなら普段どうやってそれを鑑賞しているんですかって話になるんですよね。
実際に言い合ってるときに争点に出てくるのはその描写技法や見せ方なんで、辻褄が合ってないですし。
寧ろ「あんたら互いにわかっててわざと言ってんでしょ」って感じ。

どちらも「性」というものに異様に固執してて、本来現実で言うべき事がある相手や日常で接する目の前の人間には対峙せず「異性」を自身にとって都合のいいモノ化したくて、その価値観に同調してほしくて躍起になっている。
実際の異性からの意見に腹を立てながら、モノ化した異性に執着している、しかもそれが性的な部位を強調誇張したものだというのは或る種の性依存症的状態に陥ってはいないかと思います。
性に執着しながら性的行為が伴う関係を構築するのに労力を使わず、性というものを単なるパワーゲームの具にしているのは正直見苦しいし愚かです。

脳内だけだったらともかく、それをインターネット通して現実の人間にぶつけてるわけで、そんな状態の人間がギャンギャン言い合ってたらこの問題にまともに向き合う人間は居なくなって当たり前なんですよ。
しかもどっちも極端に物事捉えすぎだし、内向的で似た属性の人間ばかりで固まりすぎて、まともな人はどんどん離脱していって、似たりよったりの人間が寄り集まってエコーチェンバー作り上げてカルト化してるし、ある意味、団体とか法人でやってるカルト宗教より脱するの難しいんじゃないでしょうか。

趣味のつながりも結局は内輪の世界なんで、とりあえず仕事と家とインターネットと趣味以外に居場所作ったほうがいいですし、目の前の決して必ずしも味方じゃない人間とちゃんとコミュニケーションしたほうがいいし、恨みや言いたいことがあるなら直接その相手にちゃんと伝える努力しなきゃダメだと思う。
100%自分に同調する人間じゃないと嫌だってのは、赤ん坊のメンタルです。
ちなみに、都条例の頃「BLも危ないぞ」と言われ協力していた女性でも、今後再度同じことがあったらもう協力は見込めないと思っています。
100%自分に同調する人間じゃないと殴ってくる人間とか関わりたくないのは当たり前ですから。

あと、オタク界隈の性への執着、過激な性表現への依存と濫用、性表現に対するハードルの低さ、羞恥心のなさは既に一般のそれとは乖離していること、そろそろ理解しようよ。
しかもそれを世界中見れるとこにおおっぴらに出しながら、社会生活や日常付き合いがある人間や身内には見せられないって、意味がわからない。
本当はわかってんでしょ、そういうハードコア・ポルノが公に出すと社会的に非難される悪いものだって。
さっきも書いたけど本当は空気読めてて自覚もあるのにわかんないフリやめような。

あと、性表現の公開に配慮を求める人間を雑に一括りに「ツイフェミ」「フェミ」などと呼んでくだらないガキの冷やかしみたいなしてる頭が悪すぎる人間は集団から排除しないと首がしまるよ。
自分だって別にフェミニストでもなんでも無いし、フェミがー言って食って掛かってくるのは片っ端から通報してブロックしてるからよろしくな。

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