『それ、勝手な決めつけかもよ?』を読んで過去と未来を肯定できた
『心をつかむ超言葉術』を読んでときめいて間もなく、2021年5月28日阿部広太郎さんの新書『それ、勝手な決めつけかもよ?』が発売された。
先行して電子版が公開されて気持ちがわーっと波打ち、あっという間に波に乗るように読んだ。
優しく話しかけるように、対話するように寄り添って手を引いてくれる本。
第3章の自分では思いつかなかった過去への解釈、第4章の後押ししてもらえた未来への解釈について感じたことを忘れないために書き留めておきたい。
後悔を「後解」にしたい。
第3章 「今思えば」は魔法の言葉
僕は「今思えば」という魔法の言葉をお守りにしている。
自分の中で消化しきれずに抱えている過去の出来事や思い出。 「今思えば」という言葉が魔法だと思うのは、たとえ感情の旬が過ぎたとしても、腐らせずに発酵を促せる力があると思うからだ。
あの時〇〇していたら…すごく考えてしまう。
いい結果に導きたかったけどできなかったこと。
気持ちを我慢してやらなかったこと。
分かっていたけど気づかないふりして見過ごしたこと。
遡りすぎて1つのことが頭の中でyes/noチャートみたいになりそうな時もある。
きっと次に似たようなことが起きたらどうやって対処して選択するか、次に向けた予行練習でもあるんだと思うけど。
こっちを選択をしていればもっと違う道があったかもしれない
あっちに進んでいたらもっと充実したかもしれない
でも「今思えば」とその時の感情や選択もなぜそう思ったのか、その選択をしたのか改めて後で解釈する。
過去に囚われるのではなくて、過去の感情や選択をどう捉えるか。
「そっかその時はこれを大事にしてたんだね」とか「そっかその時は寂しかったんだね」とか。
過去の後悔を振り返ることも、終わったことじゃなく「そっか、そっか」とその時の感情と選択に寄り添うことでケアして整理することができるんだ。
無理に忘れたり考えないように蓋をして避けるのではなく、
過去に対しては後悔ではなく、後から解釈、「後解」して今に繋げていけばいいんだと思えた。
「後解」の仕方次第で過去も如何様にも捉えられる。
こうなりたい!じゃなくてこうありたい!はだめ?
第4章 解釈する先に人は進める
先にぶっちゃけると、僕は、「何年後までにこれを成し遂げて、到達点はここで、キャリアを育てていく上で、これだけは実現したい!」というような具体的な何かを決めていくのが得意ではない。
阿部さんは目標を高く持つ方かと思ったのでちょっと意外だった。
(これこそ勝手な決めつけ!)
私も同じだった。
昔から目標や将来の夢を決めることが苦手だった。
やりたいことやなりたい姿がなかったわけではないけれど、先のことをはっきりと決めてしまうと、時間が進んでいく中で軌道修正したり、自由に動けない気がしていたからだった。
決めたら貫かなくてはいけない、「すべき」と言う勝手な決めつけの思いがあったのかもしれない。
代わりに今の時点でこうありたい、こうしたいというベースはあった。
「その時の自分の気持ちと感覚を大切に」
「想像力を巡らせること」
「思いやりを忘れないこと」
「自分と他者への尊重と配慮」•••
でもベースがあっても、その上で目標を決めないことは未来を考えず、今思いつきで考え動いていると思われる気がしてなんだか後ろめたくて、あまりオープンには言えなかった。
いつも当たり障りのない目標を掲げたりして本音はこっそり隠していた。
もやもやした気持ちを抱え続けて去年『嫌われる勇気』を読んでハッとしたことば、「いま、ここを生きる」と言うこと。
目標や目的に邁進し、達成することも重要だけれど、失敗することもある。
失敗しても目的に向かってその時点で「こうしよう」と思ったその時の「今」も大切であり、その「今」の連続の積み重ねの結果が未来につながり、自分の意思で変えていける。
今までうまくことばにできなかったけれど私がしたかったのは「今ここでどうあるか」だったんだ。
先を決めてしまう事で今ここでどうあるべきかを見失う気がして嫌だったのかもしれない。
話は戻って『それ、勝手な決めつけかもよ?』の4章でのbeing(どうありたいか)の話。
最近よく聞かれるようになった「Well-being」という概念。直訳すると「幸福」「健康」になるけれど、これは「こうありたい自分」を考えて行動に移していこうという提案に他ならない。
being(どうありたいか)が見えればdoing(何をするか)が見えてくる。
being⇄doingを交互に行き来して自分のありたい姿はっきりさせていく。
私はbeing→doingの一方通行で決めつけていた。
しかもbeingを考えるほどにshould be (すべき)が強くなっていて、自分の気持ちを徐々に置き去りにしていたかもしれない。
これからは自分がどうありたいか、大切にしているものを軸にして自信を持って、小さなことでもいいから今を積み重ねて行こう。
阿部さんのことばを借りるなら"well-being"を実現して行こう、そう思えた。
そう解釈する事で自分に対してうっすらと抱いていた不安や後ろめたさみたいなものがスッと軽くなった。
解釈を変えるだけで前向きになれた。
ちゃんと私なりに未来の事も考えていたんだ、そう気づいて受け止めてゆっくりと自分軸に戻ることができた。
解釈を変えるだけで、捉え方が大きく変わる
自分の正解を探すことができる
過去⇦現在の自分⇨未来のつながり
この本はきっと私だけじゃなくたくさんの人に寄り添って、支えになると思う
たくさんの人に手に取ってほしい。
30代、好きなこともやりたいことも楽しむことも、悩むことも考えることもまだまだたくさんある。
周りの環境と自分とのギャップに戸惑って人と比べて辛い思いもするかもしれない。
行き詰まったら「それ、勝手な決めつけかもよ?」ここに何度でも立ち返って自分の正解を探してみようと思う。
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