個人的お気に入り、才能に嫉妬した方々を勝手に紹介します①「耳底の川」
今回より新企画です。ヒトの作品、勝手に紹介しちゃいます。
おとはさんの作品。とにかく文章表現の感性がスゴいんです。まあ見て下さい。
1行目、遠近を効かせた表現で景色は一気に移動していきます。
1ー2行目、風で触覚、目で視覚、匂いで嗅覚を共有して、でいきなりふるさとの町に連れて行かれます。
どうです?この表現、スゴくないですか?
ここから改札を出て、風景を描いて記憶を描いてからの「大きな川」です。
完璧ですね。ついでに完敗です。しかも文章が女子っぽい。こういう芸術な表現ができると、視覚効果を持った世界観が呈示できるってことを学習しました。文章は読みやすい軽口のエッセイ風なんですが、表現がかなり文学してると思いません?
高校時代、思い出の「彼女」を川と同じように澄みきった、と表現することで僕等に澄んだ表情と心を持った女子のイメージを運んできます。うーん叙情的。そして鮮烈な恐怖を覚えた記憶が紹介され、「彼女」との記憶が綴られます。本文は本記事を読んでのお楽しみ。
時の移ろいとともに色褪せていく記憶。記憶が視覚では変形して小さくなる、聴覚では音が弱くなる。そしてやがては忘れてしまう。誰しもそうなのですが、おとはさんは、タイトルの「耳底の川」として音を伴った景色や表情として必死に忘れないように努めます。
それでも時は流れて、容赦なく記憶を奪っていくという残酷な事実。その儚さが見事に表現されてます。どんな感性してたらこんな表現、思いつくんでしょうね。記憶って通常音や光を感じにくいもので、セピア色だからこそ「色褪せる」って表現になるんですが。歳をとって忘れっぽくなった、そんな方々にこの記事を紹介したいですね。
ちなみにおとはさんの他の記事を読むと「…」(呆然…え、そっちなん、的な)の気分に襲われます。興味を持たれた方、僕と一緒に「…」な気分を味わいませんか。「上の階の…」がオススメです。おとはさん、キミはピュアなヒトなんじゃなかったんかいー!ってアイドルオタクみたいに叫べます。
以上、おとはさん、勝手に紹介してすいません。最後にひとこと言わせて下さい。おとはさん、スゲーよ、あんた。