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おうちで中華 - 西湖蓴菜湯(じゅんさいと鶏のスープ)

じゅんさいの季節。じゅんさいを日本固有のものだと思っている方も多いと思うが、Wikipediaによれば「北米から南米、東アジアから南アジア、オーストラリア、アフリカの熱帯から温帯域に散在的に分布している」らしい。

とはいえ、じゅんさいを食用にしている国は少なく、日本と中国くらいだそうだ。その中国でも決して一般的な食材とは言い難く、ごく一部の地域の名物料理として見かけるくらいだ。

ということで、今日の料理は、西湖蓴菜湯(じゅんさいと鶏のスープ)。その名の通り、浙江省杭州市にある西湖の名物料理である。

風光明媚な西湖は中国でも有数の観光地で、古くから多くの詩人にその美を讃えられてきた。この料理は、西湖の雅びな美しさを写し取ったかのような上品な味わいが魅力。是非ともお試しいただきたい。


西湖蓴菜湯 西湖莼菜汤
xīhú chúncài tāng

西湖蓴菜湯(じゅんさいと鶏のスープ)

このスープは、とてもシンプル。具は、たっぷりのじゅんさいと細く裂いた鶏肉。鶏の茹で汁を熱々のスープに仕立て、具と合わせて碗に盛るだけだ。

つるりコリコリしたじゅんさいと優しい鶏だしスープとの相性は抜群。ひと口ごとに目をつむり、淡く儚い味わいをしみじみ楽しむ

正直、本場杭州で食べた西湖蓴菜湯は、うま味調味料の味が勝ちすぎたスープに泥臭くて大きく育ちすぎたじゅんさいを入れたものや、金華ハムやら何やらで無駄に豪華にしたものなど、あまり感心しないものが多かったので、手前味噌を承知で言わせてもらうと、自分で作った方が断然うまかった

余計な味付けや具を入れずにシンプルに仕上げるだけで、特別な技術は不要なのだから、自分で作らない理由がない。

ちゅるるん。

唯一の問題は、こんなに大量のじゅんさいをどこで買うかだが、僕は毎年、秋田の安藤食品から取り寄せている。安くはないけど、ものがいいので、たまの贅沢と思えば全然あり。別に1円ももらってないけど、ご紹介(笑)。

このスープをすすり、遠く西湖に思いを馳せてみて欲しい。

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