やっと読み終えた。楽園への道
「楽園への道」
マリオ・バルガス=リョサ
なんだかんだで読み終えるまで半年以上かかってしまった。
画家ゴーギャンとその祖母で労働者の権利獲得運動に人生をかけたフローラの物語である。
なかなか読みにくい本だった。ゴーギャンの人生史のほうはわりとすんなり読めるのであるが、フローラの物語が苦痛だった。なぜなら章を重ねてもただひたすら繰り返し同じ話を聞かされているようだったからである。
もちろん実際はそうではないのであるが、興味が持てないのでつらいのである。
最終的にフローラとゴーギャンの生が尽きるところまで描かれて終了となる。長かった。そしてすごく面白かったかと言われるとそうでもないというのが偽らざる感想である。
ではなぜ読み続けたのかといえば、すらすら読める小説だけが本ではないと考えているからだ。ページをめくる手が止められなくなる小説は確かに読んでいて楽しい。だがそればかり読んでいるのもまたつまらないものなのだ。苦労して読んでやっとこさゴールにたどり着いた満足感というのも読書の醍醐味である。楽園への道はぼくにとってそんな本だった。
大変だったけど、ゴーギャンのことがよくわかったし、その祖母フローラについても知ることができた。それだけでも上出来である。今後ゴーギャンの絵を見る機会があったら間違いなくその見方が違うだろう。
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