ちい

「すきなことをすきなように書いたらいい」自分らしさを大切にすることを教えてくれた人との出会いからはじまった ショートショートの世界です。

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「すきなことをすきなように書いたらいい」自分らしさを大切にすることを教えてくれた人との出会いからはじまった ショートショートの世界です。

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  • 20字小説

    ステキな企画に出会えて楽しかったです。https://note.com/komaki_kousuke/n/n7dc59a22a089

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春のわたしが夏のきみと歩いた秋

おさんぽした公園の記憶たち  バニラアイスがソーダ水に溶けだした空。 境界線はきっと食べごろ。 キラキラした力強い深緑の芝生の上 やさしく横たわる きいろの葉っぱたち おやすみしてるみたい。 パリパリっと落ち葉の上を歩いた先に 水飲み場の鳥さん 太陽の光を受けて 自由自在に泳いでいこう。 大きな大きな木がザワザワ 突然の風のイタズラ。 風にのってやってきた 大きな木の分身たちの襲撃 白いシャツの君の背中にくっついたね。 落ちていた。 こども用のちいさなお金たち。

    • 「ボクたちのことを少し誇張して書いたら小説になると思う」って言ってくれたのはいつだったか。どんな物語になるだろうか。すぐに書かないと忘れてしまうんだ。記憶なんてとても曖昧だよね。

      • よいじゃぁねぇ。

        「毎日よいじゃぁーねえよ」 山奥のポツンと。 日帰り、天然温泉。 程よい広さの脱衣所で、おばあちゃんが放った言葉。 「毎日よいじゃぁーねえよ」 杖を片手に常連さんと見られるおばさんとお話ししている。 湿布の臭い。 膝が痛いのね。 ほんとそう。 寒いのが大嫌いな厚着のわたしも、よいじゃぁねぇよ。 足元を冷やさないように徹底的に ストッキングとレギンスと もろもろを 駆使してるのですから。 どこに行くのだ? 武装にも程がある。 マジでよいじゃぁねぇや。 でも、 生

        • 春と眠と男と女

          3:00 pm 雨上がりの空は眩しくて どこまでも青い。 ふわふわ 遠くでウグイスの声が聞こえる。 春の気配がとても心地良い。 頭の後ろで声がした。 「人間の匂いが恋しくなるんだよね」 あの人が発した“にんげん”って言葉が なんだかとても面白くて。 「わたし、人間の匂いする?」 「する。」 あ、わたし人間でよかったな。 などとうっすら思った。 それから 「きっと独りでいるから、 人恋しいってことなんだろう」 「また嗅がせてくれればいい」 そんな風にも

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        春のわたしが夏のきみと歩いた秋

        • 「ボクたちのことを少し誇張して書いたら小説になると思う」って言ってくれたのはいつだったか。どんな物語になるだろうか。すぐに書かないと忘れてしまうんだ。記憶なんてとても曖昧だよね。

        • よいじゃぁねぇ。

        • 春と眠と男と女

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        • 20字小説
          5本

        記事

          グッバイ。ばいばい。

          和紅茶を飲んでいるとき ぐるぐる頭の中で流れるメロディー。 こーちゃのおいしい? キッサテン テレビの歌番組で聞いた事のあるフレーズ 気になって調べてみた。 ハロー・グッバイ by柏原よしえさん ちゃんと聞いてみたら 恋する女性の歌だったよ。 「生まれ変われるなら かわいいカップになってみたい」 と言ったり。 「春の夕日になって静かにそっと燃えながら あなたの心に沈んでみたい」 と言ったり。 めっちゃ独特。 恋する自分に酔ってるのかしら。 歌詞が気になり

          グッバイ。ばいばい。

          だいすきな 「和紅茶」に辿り着くまで 「tea」について すきの記憶。 アールグレイ ↓ レディグレイ ↓ ハーブティー (自律神経を整える系の) ↓ ルイボスティー ↓ モリンガ ↓ 和紅茶 緑茶はマスト。 和紅茶がだいすきな理由を書きたい。 今日はメモ。

          だいすきな 「和紅茶」に辿り着くまで 「tea」について すきの記憶。 アールグレイ ↓ レディグレイ ↓ ハーブティー (自律神経を整える系の) ↓ ルイボスティー ↓ モリンガ ↓ 和紅茶 緑茶はマスト。 和紅茶がだいすきな理由を書きたい。 今日はメモ。

          フワフワと ボクの頭のなかで 揺れた ボイン。 #小牧幸助文学賞

          甘い記憶

          君のだいすきな ちいさな満月を はんぶんこ。 #小牧幸助文学賞

          甘い記憶

          最後のくちづけ

          いますぐ。 ボクと君の「好き」を 黙らせて。 #小牧幸助文学賞

          最後のくちづけ

          猫になる日。

          君の やわらかな膝の上で ボクは まるくなる。 #小牧幸助文学賞

          猫になる日。

          あったかい。

          灯りから出てきた君が言う おかえりがすき。 #小牧幸助文学賞

          あったかい。

          女と秘密の睫毛

          モリモリと植えられて バサバサと羽ばたきそう。 不自然なほど上向きで 横から見た角度は90度。 うえにはなにも乗せられない。 過剰なほどの女の「睫毛」は 触れられたくない。 見せたくない。 見られたくない。   「自信のなさ」と「褒められたい気持ち」を秘めている。 それはもう 睫毛にしか埋められないものなのだろう。 女にさえ、ほんとのところは分からない。 ある場所で売上トップの美容部員さんと お話ししたときのこと。 上品なバーガンディカラーのマスカラで

          女と秘密の睫毛

          美しいと感じるこころ

          「森」が人を呼ぶように、「音楽」に呼ばれることもあるのだろう。 そんなことを、 ふと。 思ったのは、たまたま目にした ひとつのメッセージから 芋づる式にたどり着いた音楽があったからなの。 一度聴いたらなんども繰り返し聴いてしまいたくなる。 その音楽について。 言葉で綴ろうと、なんども試しては、 書いて、×× 消して、 書いて、×× 消して、 書いて、×× 消してを繰り返していた。 もう。 ただ美しいと感じるこころがあれば充分じゃない? そんなふうに、ちょっぴり荒

          美しいと感じるこころ

          君と出会った奇跡

          よわ虫。なき虫。うじうじ虫。 夜になるとたくさん虫が鳴いてるよ。 ぼくもそのうちのひとりなんだ。 今日もずっと泣いてる。 ひとりでね。 「ねえ?」 見上げた先には、キレイな羽をひろげたちょうちょさん。 凛とした姿にドキッとして なぜか慌てて涙をふいた。 キラキラした目で見つけられたぼくは、 うじうじ。 どうしよう。 言葉を探す。 「ねえ? 羽ばたけるのに、羽ばたこうとしないのね」 急になにを言ってるのだろう。 羽なんかないのに。からかってるのかな? ま

          君と出会った奇跡

          あいまいな愛だがらの君は。

          「かわいい」 多用される「かわいい」という言葉の魔力は 偉大で、ちょっと異常なのだろう。 そんなふうに、いつかのわたしは思った。 「かわいい」 その言葉を聞いてしまったら? いちど言われたら? ひとたび心が反応する。 一瞬ね。 外を歩いているとき。 どこからか金木犀の香りが フワって 風に運ばれてきたの。 あまい香りに包まれて あまい間に 甘噛みをするんだ。 その瞬間。 しあわせだと脳みそが反応する。 あいまいさは、あまい 金木犀の香りと似ていた。 き

          あいまいな愛だがらの君は。

          ナツとハルの、エモ。

          「暑すぎると消えちゃいそうだね」 「この前も似たようなこと、言われたよ」 「きみの場合は、繊細で儚ない美しさがある。 という意味で消えちゃいそうって思ったんだよ」 「ふーん。やっぱり夏は苦手。戦闘力のレベルが0になるもん」 「きみは冬から春への、やわらかい暖かさの人だからね」 「うん」 「それがそのまま性格にも現れているように思うよ。それがボクには心地よい。ボクは夏の人だから」 だから夏は嫌いになれない。 ミルクたっぷりのアイスコーヒーを飲みながら あなたはつ

          ナツとハルの、エモ。