見出し画像

(心と体と自分と【後編】)



心と体にはお互いそれぞれ意志があって、どちらかが悪くなると「あなた疲れてますよ無理するのやめなさいよ~」と、止めに入る。お互いがお互いを助け合い、わたしを助けようとしてくれていた。

わたしは長い時間、彼らの声を無視し続けていた。彼らがいないとわたしは動くことも生きることもできないくせに、身体のボスは自分だからと聞く耳を持たずにいた。

心と体とわたしでひとつなのに。

休職になるまでは早かった。
夜勤は当然できるはずもなく、何かあったら心配だから帰りなさいと言われ、夕方から看てもらえる病院を探すことも難しかったため翌日、循環器を受診した。

インフルエンザに罹患した後遺症もあるのかもしれないけれど、レントゲンも心電図も異常なしとのこと。話を聞いていると心因性なのではないか?ということで、その旨を会社に報告し、翌日心療内科に掛かった(1年前に受診した経緯があり、予約も取りやすかったのがとても助かった)。

「1年前くらいに受診されてますね。あの時と同じような感じでしんどくなっちゃいました?」以前診察してくれた医師ではなかったが、とても感じの良い先生で「あぁ、これは辛いですね。うーん、問診票見させていただいたけれど、これは鬱になっちゃったな~。うん、鬱だなぁ。仕事つらいでしょう、休みたかったら今日いますぐ診断書だしますよ。僕は休んだ方がいいと思うけれど、どうしたいかは○○さんが選んでいいんです。大丈夫、どっちを選んでも心配しなくて大丈夫ですよ。大丈夫だから。」

今まで散々あちこちのメンタルクリニックや精神科に掛かったことがあるが当たり外れがある。ここの医師はとても親身でわたしに寄り添う言葉を掛けてくれた(随分昔、カウンセリングを受けに行ったクリニックの医師もわたしは相性が良かったけれど、通うには遠すぎたのと、予約が全く取れなかったからそれから通うのをやめてしまった)。

「もうダメなんです。働けないんです。前回(1年前)は薬飲んでなんとか働けたんですけど、今回はもうダメみたいです。身体が拒絶しちゃって怖いんです。休みたいです。」

「良かった。働きたいって言われたら無理させて動かす薬もあるけれど、いまの状態からしてそんな事をしたらいま以上に落ちちゃうから。大丈夫ですよ、診断書すぐに書くからね。大変な仕事されてますね。真面目な人、身体壊しちゃうから。休むのって悪いことじゃないですから。全然休まってなかったみたいだし、寝てるようで眠れてないでしょう?躁状態が長かったんだね。疲れちゃったね。まずはしっかり寝て休めば落ち着いてきますから。たくさん、たくさん寝てください。」

診断書と薬を出され、また2週間後に受診することになった(先生と話し合い、躁転しやすいので今回はデパケンはやめておくことになった)。

会社には鬱の診断で1ヶ月程休むよう診断書を出してもらったと伝えた。
「いまはゆっくり休みなさい。」そう言葉を掛けてはくれたが、どこかで責められているような気持ちがして苦しかった。

「わたしが休む理由は皆には伝えて欲しくないんです。あと、連絡(LINEなど)は控えてほしくて。」わたしのワガママかもしれないけれど、誰とも連絡を取りたくなかった(すぐに同僚から心配のLINEが来たが、全員未読スルーして非表示にした)。

「大丈夫?」「ゆっくり休んでね」「待ってるからね」といった優しい言葉を掛けてもらうのもわたしはつらかった(1ヶ月経ったいまもLINEは開けないでいる)。

会社からの連絡は事務的なものが1回しかなかったのは助かった。同僚からの電話が数回あったがそれは出ていない。申し訳なさはあるが、ひとり出てしまえば他の人にも連絡を返さなきゃいけなくなり、また自責の念に駆られるし、○○さんには連絡してきたらしいみたいな話になるのが面倒だったから(冷たい言い方だけど、心配をしてほしいわけでも話を聞いてほしいわけでもないからそっとしておいてくれと思っている。わたしのいない所でネタにされるのも嫌だった)。

いまの職場で働きだしてから色々なことがあった。パートナーも同業者であるからして「異常な職場やで?」と常に言っていたし、「俺もブラックな職場で働いていたからわかるけど、さすがに勤務変更多すぎだし、休みの日まで(今から来いと)連絡してくるなんて異常やし。まじであり得ないから。」と転職を勧められていたくらいだ(他にも色々あるが書き出すと止まらなくなるので割愛で)。

中間管理職という立場も厄介だった。
役職なんてものは名ばかりで、立場的にも上にも下にも挟まれ、会社からは上手く使われてるだけだと思っている。役職手当も一回食事に行ったら消えるようなそんな金額だ。責任だけがただただ重い。過去、何人役職を降りたいと志願して降りたことか(わたしも降りたいと思っているし今回の休職したことも含め、復帰をする際には降りたいと志願するつもりでいる)。

いや、もう、いまの職場を辞めようかとも考えている次第。

身体は正直だ。
わたしが倒れたところで誰かが面倒をみてくれるわけではない。

自分で自分を守らなくてはならない。
わたしは鬱になって良かったのかもしれないと思っている。今回を期に、働き方を考えて生きるべきなのかもしれない。

明日は診断書を提出しに会社に向かう。

いいなと思ったら応援しよう!