【詩】絵描き

渾身で描いた絵を誰かが素敵ねと言った

それゆえ僕は渾身で絵を描き続ける

誰かが素敵ねと言ってくれた絵は誰かに買われて遠くへ行った

それゆえ僕は再び絵筆を握る

そうして産まれた絵が再び誰かに買われて遠くへ行った

僕は僕の絵を描いた

それでも誰も僕の絵を誉めなかった

僕は再び僕の絵を描いた

もう誰も絵を誉めてはくれない

だが、僕は僕の絵を描き続けた

真っ黒な僕の心を

いつしか僕の絵には一筋の光が産まれた

一筋が二筋になり

やがて明るくなった僕の絵には

ちっぽけなハートが描かれていた

誰かがそれを素敵ねと誉めた

僕はまた絵筆を握ると絵を描き始めた

明るくなった

自分の絵を

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2014年01月01日 作