コスモポリタン都市で『和食』を『誰かを想う』と解く
『人口の4人に3人が外国人』という世界第二のコスモポリタン都市ベルギー・ブリュッセルに住んで、三十年近くになる。
そこで生まれ育った息子たちがこよなく愛するもののひとつは、どっこい『和食』である。それも、雅な設えのものより、素朴であったかい家庭料理の方だ。三色丼や鰯の蒲焼、ほうれん草の胡麻和えやアサリの味噌汁などのお馴染みの品々。長年、夏休みの度に日本のばあばがふるった威力は然ることながら、母親である私がベルギーでの子育て期において、息子たちのためにおそらく一番心を砕き時間