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悩めるカレーとシチューの対話

はい、今日はゲストの方にお越しいただいています。
カレーくんシチューくんでーす!
よろしくお願いしまーす♪

シチュー
「どうぞ、よろしくお願いします。」

カレー
「俺、シチューみたいになりたいんだ。」

ちえこ
「え、なにいきなり、どうしたの、悩んでるの?」

シチュー
「カレーくん、僕は君が好きだけどなぁ。どうしたのさ。」

カレー
「俺、可愛い女子とかこども達に、辛(カラ)いとか言われて拒絶される時があるんだ。基本的に人気メニューなくせに、店によってはクセあったりする時もあるし。思ってたんと違ったー、とか食べた後に言われることもある。俺、スパイシーで強そうだけど、実は繊細でさ。今日はほんとに落ち込んじゃって、もうダメだ。インタビュー難しいかもしれない。辛さの幅も広いように、俺、気分の波も激しいのさ。あぁ、こーゆう俺、もう疲れたなぁ。シチューくん、君みたいに常に、白く暖かく、女子を包みたいぜ。」

シチュー
「たしかに僕は辛いとは言われないけど、飽きられたりすること、あるんだぜ。カレーくんは煮込むと日増しにおいしくなるとか言われるだろ?おれ、3日目とかもう食べてくんないで、捨てられちまうんだぜ?俺はカレーくんみたいにスパイシーな男になりたいなぁ。」

ちえこ
「わたしはどっちもおいしいから、好きだなぁ。どっちも食べたい♪」

シチュー
「いや、ちょっと待てカレー。お前、ごはんちゃんと一緒にいたかと思いきや、こないだはナンちゃんと一緒にいたよな?お前まさか…ロールパンちゃんにまで手出そうとしてねーだろうな!!」

カレー
「ごはんちゃんもナンちゃんも、両方仲良しな仲間だよ。友達として。あっ、あれっ、どうしたのシチューくん、いきなりこわい顔して。」

シチュー
「いや、てかカレー、お前ふざけんな!!いや、考えてみろよ。お前のバリエーション、ヤバすぎだぜ!?味変(あじへん)どころじゃ済まされねぇ!!インドカレー、タイカレー、ジャワカレー。いったい、どんだけインターナショナルなんよ!!おまけに夏カレーとかいって季節限定もありゃぁ、チーズちゃんとのコンビネーションまで。レッドにグリーンにイエローに?え?色までコロコロ変えやがって、おまけにスープカレーだと!!原型もとどめてねーじゃんよ!!いったい、どんだけ幅広いんだよ!俺は…俺はいつも変わりない、みんなの思い浮かべるシチューなんだぜ?そんな贅沢な悩み、俺からすると信じらんねぇよっ!!」

ちえこ
「お、落ち着いてシチューくん。あなたでもそんなに早口になること、あるのね。びっくりしたわ…もうちょっとおっとりクール系かと思ったから、イメージ的に…。なんかふたりとも、それぞれに悩みがありそうね。」

シチュー
「いや、カレーって宝の持ち腐れで、俺からするとほんと羨ましいからさ!!なにより、いったいどんだけの具材たちと共演してんだよ!!いいなぁ、カレーに比べると俺なんて、超平凡じゃん!?つまんねーじゃん!?」

ちえこ
「その変わらない安定感が好きな人がいると思うわ。人によるじゃない、好みって。」

カレー
「たしかに。シチューくんの言う通り、俺、变化自在だよな。その時の状況や環境によって、気分が変わって、違う味になっちゃうのさ。でも、それが悩みだったりするんだ。いったい、俺は何者なんだって、時々わからなくなるんだ。いろんな俺がいて、バリエーションがありすぎて、自分で自分がつかめないんだ…。だから、自己紹介の仕方も、女子へのアピール方法もわかんなくなったりする…。」

シチュー
「そっかぁ…。俺はそんなこと、考えたこともなかったなぁ。お前にはお前の、悩みがあるんだな。はじめて知ったよ。ロールパンちゃんだけに気をつけてくれれば、ま、俺はなんでもいーんだけどよ。」

ちえこ
「ねぇねぇカレーくん、わたしはその変化自在なカレーくんにこそ、魅力を感じるわよ。そこが、アピールポイントなんじゃないかしら?たしかに、いろんな姿になれるから、自分が分からなくなっちゃう時もあるかもしれないけど、その時その時の自分を、楽しむのでいいんじゃない?今日と明日、違うファッションを楽しむみたいに。それでたまに、バーモンドカレーになって一息つけばいいじゃない。」

カレー
「そっか。俺が、毎日違う洋服を着て楽しんでると思えば、あ、なんかしっくりくるよ!これ、すごい発見かもしれない。俺は、どんな服を着ても、カレーだった。ただいろんなファッションができる、てゆうだけの話なのか!」

シチュー
「いいなぁ!そうすると俺は、毎日同じ制服着てるようなもんだな。でも俺、制服も結構好きだぜ?毎日同じ制服着てると、安心するんだよな。楽だし。オフの日には部屋着でリラックスするけど、毎日違う服を着てたら、俺だったら疲れるな。」

カレー
「俺は性質上、毎日同じ服を着るって方が、逆に難しいんだ。急に次のアイディアがやってきちゃうと、もう止められないんだ。」

ちえこ
「ふたりとも、それぞれの特性がしっくりきてるってことね。カレーくんはカレーくんに、シチューくんはシチューくんに、それぞれ選んでこの地球に生まれてきたんだから、当然っちゃ当然ね。」

シチュー
「え、俺ら、選んで生まれて来たの?」

カレー
「そっか、だから俺、カレーなんだ。…ん?どういうこと?」

ちえこ
「そうよ。それぞれ生まれ持ってきた特性は、どんなことも全て、あなたたちが自ら選んできた『この地球で最高に幸せになるためのツール』なのよ♪いまはネガティブに思うようなことでも、実はあなたの魅了をアップする要素になったり、使いようによってはとっても役立つものにななりえるってことよ♪それを自分で見つけていくのも楽しみながらできたらいいわね。」

カレー
「ふーん。じゃぁ、この俺のコロコロと辛さや具材や姿まで変わるとこも、俺の長所になるってこと?」

ちえこ
「その通り!!冒険もののゲームって、ゲームの物語が始まる前に、主人公のキャラクターとか装備とか簡単な設定を最初に決めるじゃない?主人公を通して、あなた自身がそのゲームを楽しめるように、設定するわよね。それと同じよ。そうして、カレーくんは、カレーくんとしての幸せになるために、シチューくんは、シチューくんならではの幸せを得るために、ここにいるの。」

シチュー
「そのゲームの話、しっくりくるな。今回俺は、このシチューってゆう甘いキャラを設定してきたんだな。ふっ、さすが俺だぜ。俺に感謝。」

ちえこ
「あ、あと2人とも女子にどう思われるかって気にしてたけど、心配しなくても、2人ともに、それぞれぴったりの最高の女の子が現れるわよ♪」

シチュー
「俺は、幼馴染のロールパンちゃんとって、もう決めてるけどな。ロールパンちゃんも、俺のことが気になってると俺は思ってるぜ。」

カレー
「でも、こんな、いろんな顔を持つ俺を、好きになってくれる子が、いるかなぁ…?最初は無難に受け入れられても、俺いろんな姿があるから、ビビられるかもしんねぇ、って思ってんだ。受け入れてくれるかなぁ。たまに激辛になる時もあるしなぁ。」

ちえこ
「カレーくん、あなたがどうしたら、運命の女の子を見つけられるか、教えてあげようか♪」

カレー
「うわ、知りたいっす!」

シチュー
「おぉ、俺も参考にだけ聞いとくぜ!」

ちえこ
「カレーくん。そのままのあなたが好きっていう人がいることを、まず、信じることよ。そして、どんな姿のあなたも、カレーくん、あなた自身が認めて、受け入れること。どんな奇想天外なあなたも、全部ひっくるめてあなたの魅力なのよ。だからそのことを、自分がまず1番に、認めること。そのままのカレーくんが、最高なの。」

カレー
「そのままの俺が最高…かぁ。全部の自分の姿を…バリエーションがあり過ぎて、自分でも追いつかねぇかもしれねぇな。」

ちえこ
「ちょっとずつでいいわ。あなたのことを運命と思う女の子はきっと、いろんな顔があるあなただからこそ、好きなのよ。それがあなたの深さで、魅力だもの。それを理解してくれる女の子がいるはずよ。全部のカレーくんを、包んでくれるし、どの味のカレーくんも、むしろ喜んで楽しんで、受け入れてくれるはずよ。」

カレー
「そんな女の子、いるかなぁ?俺、自分でも自分の領域わかんねーのに?」

ちえこ
「大丈夫。きっと一緒に見つけあってもいけると思うわ。完璧な自分だから、運命の女の子が現れるってわけじゃないのよ。これからもカレーくんは、さらに深くなってくと思うわ♪自分で自分のリミットを、決めなくていいの。新しいカレーの境地へと、彼女と一緒にいくことになるかもしれない。本当に、ワクワクするような、ぴったりの相手なのよ。」

カレー
「そっかぁ、なんか俺、さっきまで悩んでたのに、ちょっと軽くなってきた。希望が出てきた気がするよ!!俺自身、俺の知らない俺があってもいいんだな。未知なる領域、たしかに俺冒険するの好きだ!!新しいことをするのも好きなんだ!!」

ちえこ
「そう、もしかしたら彼女と出会ったら、彼女がカレーくんにぴったりな新しいファッションを思いつくかもしれないわよ♪」

カレー
「新しいファッション!俺には思いつかなかった見方で、新しい似合う洋服をデザインできたら、それも嬉しいな!」

シチュー
「なんだよカレー、お前、俺になりたかったんじゃなかったのかよー(笑)」

カレー
「悪いな、シチューくん。俺、やっぱカレーだわ。カレーとしてじゃねぇと、生きらんねぇ。それがよく分かったよ。」

シチュー
「ちっ、ま、いいけどな。俺は冒険するよりも、そばにいるロールパンちゃんと、毎日同じ穏やかな暮らしができるのが幸せなんだ。ロールパンちゃんが毎日、俺の制服をアイロンがけしてくれてんのさ。そんな毎日を目指して、俺、明日プロポーズするぜ!!」

カレー
「(お前、マンネリとかいってこないだは、ごはんちゃんと…俺はこう見えて一筋なんだ。)」

シチュー
「ん?なんだ?」

ちえこ
「カレーくんとシチューくん、今日はありがとう。やっぱり、自分らしく生きることが、自分にとっての幸せに繋がるなって、ふたりの話を聞いてて改めて思ったわ。わたしたちは、自分らしく生きるために、ここにいるのね♪他の誰かに、なろうとしなくていいのね(*^^*)」


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