【CROSS POINT vol.2】祖母の幸せ_行きたくなかったデイサービス
連載:CROSS POINT 介護キライ家族
vol2. 祖母の幸せ_行きたくなかったデイサービス
「今日を見て、楽しい明日にする」ために、今日は「祖母マーチの幸せ」について考えていきます。「幸せ」に繋がる道とは。
行きたくなかったデイサービス
外出が好きでなかった祖母マーチ。体を動かせるし友達もできるからと、家族はデイサービス・デイケアを勧めていた。
でも、行きたくないのが、祖母マーチの本音。
だから家族も諦めていた。
デイサービスに行くと、介護を受けている人みたいになるからと言う思い込みがネックだった。
何かおかしい
5年前に引っ越しをした時、祖母マーチは新しい環境に馴染めていなかった。
・新しい土地に移った。→古くからの近所づき合いがなくなり、新しい近所の人とも話すタイミングがない。新しい関係を作る気持ちにもなれない。
・ガスコンロも、新しいのに変わった→使いこなせなくなった。鍋を焦がすこともあった。お湯を沸かすこともできない。
祖母マーチはできることが減り、毎日が楽しく無くなっていた。でも、デイサービスには行きたくなかった。
母マミーは「新しい環境が原因。祖母マーチの気分転換ができていないのは気づいていたが、慣れてくると変わってくるかもしれない」「デイサービスを勧めたいが、嫌がるから無理だろう。」「性格的にデイサービスにいくタイプではないのかな」と考えていた。
娘chieは、【デイサービスに通ってくるおじいちゃんおばあちゃんは、来たいと思って来た人は少ない】と言うのを知っていたため、デイサービスを始めるいい機会だと思っていた。→誰かと話をする機会が増えるから。
同じ時期、祖母マーチが検査をしに病院に行った。
・受診や入院契約など今まで一人で行っていた祖母マーチは、検査にも一人で行った。かかりつけ医が念のため薬の副作用の説明をすると、必要以上に不安になって、(元気なのに)入院を迫っていた。今までだったら医者から説明を受けたら理解して、副作用が出た時の流れを聞くことをしていただろう。
母マミー:どうしたのかな?
娘chie:不安が強くなり、今までの祖母とは違う。
引っ越しだけでなく、受診時にも、適切に判断することや解決することが難しくなってきている。これは環境だけが原因ではない。
そこで、母マミーや家族に「年齢相応の認知機能の低下」「認知症の初期症状」のことを伝えた。このまま続いたり、酷くなる可能性があること。
認知症みたいなもの
家族は、認知症というのは、「したことを忘れる」「身の回りのことが自分でできない」というものであり、今の状態は、環境に慣れていないだけ。認知症のイメージとは違うと。
「したことを忘れる」「身の回りのことが自分でできない」のは、認知症が進んだ状態のイメージである。誰でもわかる状態。
ただ、認知症の初期、または年齢相応の認知機能の低下の始まりと言うのは、気づかないことも多い。性格が変わった。頑固になった。融通が聞かなくなった。と言うことである。
だから、認知症みたいな感じと言っても、家族がピンと来ないのは納得できる。
ただこのままでは、祖母マーチは毎日を楽しくなく過ごし、家族以外と話をする人がいなく気分転換が計れない。不安な症状が続いたり強くなる可能性がある。家族に対してイライラをぶつけることが増える可能性がある。
デイサービスに行くようにしてはどうか
家族を説得し、デイサービスの導入を試みる
基本の流れ
①ケアマネージャーさんに連絡をして、デイサービスを検討していることを伝える。(でも本人は行きたがらないことも伝える)
②ケアマネージャーさんに、デイサービスを何箇所か進めてもらう(こんないいところがあるよ〜、連絡してみるから1回だけ行ってみて〜)
③施設のスタッフさんにも誘ってもらう(こんなことやってみる〜?また遊びに来て。一緒にまた話をしよう。)
これに独自のポイントを加えてもらった。
④見学時に、施設のスタッフさんに祖母マーチが知っている人の話を混ぜてもらう。
⑤デイサービススタッフさんに、施設に入所している祖父ジャ二ーの話をしてもらう
それは、祖母マーチの「行ってよかった」をめいいっぱい作る作戦だった。
行っても良いデイサービス
それからいろんな試みを重ね、何箇所かデイサービスを見学し、祖母マーチはデイサービスに行く気持ちになった。
ポイントは、
・選択肢の中から、行きたいデイサービスを自分で選んだ。(デイサービス・デイケアによって、過ごし方が違うことも体験した上で。)
・祖父ジャニーの施設に併設しているデイサービスを選んだので、スタッフさんと祖父ジャニーの話ができる
抵抗や思い込みがあったものでも、「本人の幸せ」をつけ加えると、気持ちが変わってくるのだ。
まとめ_行きたくないデイサービス
・抵抗しているのは、思い込みがある
・明らかに困ってからではなく、ちょっと早いかもって時に始めるのがちょうど良い(覚えておいてくださいね)
・本人の気持ちが進まない場合は、家族が選択肢を考え、本人が決めると、両方の想いが叶えられる。
・「幸せ」を付け加えると、抵抗していたものも気が変わる。
介護をしていると感じるときは、作戦立ててサクッと。気を荒げることも、負担に感じることも最小限にすればいい。
負担に感じてないときは、「家族だから」「喜ぶかな」って、一緒に暮らすこと・助け合うことがなんでもなかったりするから。
次回は、【vol3. 祖母の幸せ_好きなデイサービス】として、行っても良いデイサービスから、好きなデイサービスへの移り変わりをお伝えしていきます。
テキスト:中塚智恵
筆者からのお願い:「Cross Point介護キライ家族」では、幸せな未来を作っていきたい家族たちの物語。壁に感じていることや成功したことを伝えて、「家族の幸せ」を一緒に考えていく場所として使っています。似たような経験談、ヒント、応援メッセージがあれば、コメント欄へお願いします。介護よくやってるねって感じの方はスキ、似た境遇の友達に教えてあげたいって方はシェアをお願いします。
●連載:Cross Point介護キライ家族
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