懇談会とはなまるの話
個人懇談会週間が終わった。
ハーゲンダッツか、ファミマのプレミアムロールケーキを買って帰りたい。
いつも何かにつけて、自分に小さなご褒美をあげるのが好きです。
クラスの保護者が一度に集まる学級懇談会よりも、一人一人とゆっくり話せる個人懇談会の方が好きだ。
30人ほどの保護者を前にすると、私は緊張のあまり、顔からも脇からも背中からも汗が止まらなくなってしまう。しっとり。べっちょり。
それに比べれば、個人懇談会は落ち着いて話すことができるが、「学校に来ていただくからには実りのある時間にしなければ…」という緊張から、直前にお腹がキリキリと痛くなる。だから、懇談会の週が終わるとやっぱりホッとする。ふぅ。
*
その場にいない子どもの話をする時間が、なんとも愛だなあと思う。
お腹の中にいる時から毎日一緒に過ごして、この先もずっと責任のある親と、1年間の期限付きで関わる教員は、全然立場が違う。
お互い生きてきた環境も価値観も感じ方も違う。
でも、子どもが幸せに育って欲しいという願いは共通している。
共通の願いをもった2人が、共通の話題について話す時間は、ほんとうに尊い。
*
保護者「うちの子、今年は漢字の宿題を頑張っているんですよ〜」
私「練習帳からも伝わってきます!前に比べて、とっても丁寧な字が書けるようになりましたよね!」
保「実は、先生からのいろんなはなまるを集めるために頑張っているんですよ」
私「ええ、そうなんですか!!」
保「今日はこんなはなまるだった!次はどんなのがもらえるかな!っていつも見せてくれます。」
宿題を見るときに、綺麗な字かどうかよりも、その子なりに一生懸命取り組んだのだろうな、ということを感じると、ついはなまるを描きたくなる。
そして横にニコちゃんマークや動物、GOOD!の文字を添えて、「よく頑張ったね〜!」というメッセージを伝えたくなる。
普段、あまり感情を表に出さない、クールな女の子。
はなまるをうれしそうに見せているなんて、可愛くてたまらないんですが……!!
私が描いたはなまるやいびつなニコニコマーク、あんまり可愛くないうさぎやらを喜んでくれて、勉強のやる気にしてくれているなんて。
ほんの小さなことが、その子の“うれしい”になっていることを知れた。
家での子どもの可愛い姿を伝えてくれる保護者の方、大好きです…!
ありがとうございます!その言葉でいくらでも頑張れてしまうんだなあ。
“小さなこと”で思い出したエピソードをもうひとつ。
朝から兄弟喧嘩で機嫌を損ねてしまい、遅刻してきたマナちゃん(仮)
お母さんが校門まで連れてきてくれた。
明らかに目は腫れていて、ムスッとした表情。
ご機嫌ななめなことはすぐに分かったが、教室に入り友達に会ってからはいつも通り過ごすことができた。
1日の様子を伝えたくて、放課後に電話をかけた。
私「マナちゃん、学校に着いたらいつも通り楽しく過ごせましたよ!」
保「学校についたとき、先生は「1時間目がまだ始まってないからセーフだよ〜」と言ってくれましたよね。“セーフ”という言葉に安心して教室に行けたそうです。」と言われた。
言ったことを忘れてしまうくらいの一言だったけど、マナちゃんにとっては大事な“セーフ”だった。
自分ではなんとも思っていなかったことが、相手にとってはちゃんと意味があった。
自分ではなんとも思っていなかったことが、相手にとってはよくない方向に転んでしまうことだってあるけど。
小さいけど、大きなこと。大きいけど、小さいこと。
相手次第だからむつかしいし、相手次第だからうれしい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?