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今が“いつか”だったことに気が付いて、フィンランドに行くことを決めた日

今から6ヶ月前のこと。

パソコンの「支払う」ボタンにカーソルを合わせる。

「押しちゃった……!」

たった今わたしは大きな大きな買い物をした。
「支払う」をクリックした、ただ一瞬のできごと。


ついにとってしまった、フィンランド行きのチケット。



横でYouTubeを見ていた夫に
「夏、フィンランド行ってきてもいいかな?」と、さらっと伝える。

「えっ、フィンランド行くの?」

「うん、今航空券とっちゃった。」

「いい?って、もう行くこと決まってんじゃんかよ〜〜〜。」

コロナが収まり、海外へ行けるようになった。
私が一緒に行くのは、いつも妹と。

ときめくものも、食の好みも、胃袋の容量(大きめ)も、体力も似ていて、
まるで双子のような妹。

旅行が終わってしまうことが寂しくて、旅での最後の晩餐や帰りのフライトで、
「今度はどこに行こうか」と、次回の予定を立てることがお決まりになっている。

台湾、ベトナム、タイ・・・ときて、行ってみたかったアジアの国は訪れることができたので、次の行き先が思い当たらず、しばらく考えていた。

「いつかは行ってみたいよね、フィンランド。」

「行きたいよね〜。でも遠いし、航空券高いもんね……。」


“いつか”っていつだろう。
お金が貯まったら?

もう少し歳を重ねたら?

はたまた、老後?


“今”フィンランドに行けない理由ってなんだろう?

航空券が高いこと?
日本から遠く離れた国に行くことを決める勇気?

確かに、航空券は私にはかなり大きな額だし、簡単にホイッと出せる額ではない。でも、生活ができなくなるほどかと言われたら、そうではない。

13時間もかけていくことになるが、航空券さえ買ってしまえば乗り込むだけだ。
自分で歩いて行くわけじゃない、飛行機が連れて行ってくれる。

それに、
まだ私には子どもがいない。そもそも子どもを迎えるかもわからないけれど。
夫は大人なので一人でも生きていけるから、家族の心配は何もいらない。

ありがたいことに、職業柄、長めの休みが取れる。
一緒に旅したい妹も、運よく同じ時期に休める。

……もしや、行ける理由の方が多いのではないか。
いつか”って、もしや“今”なんじゃないか。

初めて、今が“いつか”だったことに気が付いた。
今、エイヤと行ってきてもいいのかもしれない。

それなら・・・



「押しちゃった……!」

その瞬間から、フィンランド行きのチケットが私の心のお守りになった。


シナモンロールを見付けたら“予習”しています


たった数日の予定だけど、
それまでの6ヶ月間ずっと私の心をときめかせ、ワクワクさせてくれている。

仕事でしんどいことがあっても、「私にはフィンランド行きのチケットがあるんだから」と、気持ちを支えられてきた。

今すぐにでも行きたい気持ちと、まだ出発の日がきてほしくない気持ちが半々にある。

楽しみな予定って、それ自体も幸せだけど、
予定を待つ時間も同じくらい素晴らしいものだと思う。


きっと、一生の大切な思い出になる。
一つも忘れたくないから、言葉で書き残していきます。



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