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📚33【私の家】の歴史と記憶と秘密と 816
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私の家
青山七恵(1983年埼玉県生まれ、2007年芥川賞、2009年川端康成文学賞)
集英社 315頁
2019/10/10初版
初出2018/4月号〜2019/2月号「すばる」
まるで予備知識なく読み出してみたら、章ごとに主人公が変わり、途中で登場人物の関係性が解らなくなってしまった。
おいおい、私‼︎
記憶力と読解力は大丈夫かい?
気を取り直して帯を読んでから読み直してみた。
ご心配は無用。
やたらめったら登場人物が多いわけではないし、似たような名前がどんどこ出てくるわけではない。
血湧き肉躍る展開がお好みの方には、中弛みしちゃうかもしれない。
でもね、決して読みにくい本ではないし最後まで読めば、じんわりと「何だか良かったなぁ」と思える。
恋人と別れて突然実家に帰ってきた娘•梓。歳の離れたシングルマザーに親身になる母•祥子。孤独を愛しながらも三人の崇拝者に生活を乱される大叔母•道世。幼少期を思い出させる他人の家に足繁く通う父•滋彦。何年も音信不通だった伯父•博和。
そんな一族が集まった祖母の法要の日。
赤の他人のようにすれ違いながらも、同じ家に暮らした記憶と小さな秘密に結び合わされて_____。
実際には梓の姉とその夫と子どもも登場するので、4代に渡る家族の物語。
スパイスになるのは、母が親身になるシングルマザー母子や大叔母•道世の崇拝者である3人の男性や母•祥子の姉(伯母)純子や伯父•博和の妻と娘達。
そして家族の歴史や秘密を見てきた家や「似ている」というだけの、見ず知らずの人の家……
時制が遡ったときの秘密や個人の周囲に起きる出来事は、どれも大事件には至らない。
けれど、「一歩間違えれば」と「勘違い」が相まって、なかなかスリリング。
大人も、子どもも、家族とも、そうでない人とも、生きていればいろいろあるものよね。
母•祥子の複雑な生い立ちや元体育教師で現体操教室の先生というのも印象的。
ステレオタイプの妻や母らしくないところに良い味が出ている。
今時よほど仲がいいかよほど近くに住んでいないと、冠婚葬祭でもない限り親戚といえども顔を合わす機会は少ない。
そんな法要の場面から始まり、終盤の法要では家族の人数や関係性に変化が見える。
中弛みだなんて書いてごめんなさい。
最後まで面白く拝読しました。
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#ヤス_ウエダヤスシ 様⤵️
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